表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そして私は今日もドラゴンの心臓を齧る  作者: ヨハン@小熊
ep2:第二章(タイトル未定)
42/50

虫は家を齧りつくせるか?

昔私は虫が嫌いであった。

女の子だから別に構わないじゃないと母は言ったけれど、なんとなくそれは嫌だった。

克服できたお蔭であの巨大生物地帯で巨大カマキリなどともやり合えたので判断は間違えていなかった。

克服の仕方がちょっとアレなのだけども。

あえて名前は挙げないが、かつて生理的嫌悪を覚える大量の(しかもでかい)虫 (しかもでかい)に襲われるゲームがあった。当時からゲーマーであった私が虫嫌いと聞いて幼馴染が面白がって勧めてきたものだ。

クリアしたらお菓子奢ってくれると。…そんなものにつられてゲームをやった当時の私ェ…。

最初こそ泣き叫びながらやったが、お菓子お菓子…と思いながら耐えてやること一時間。

無我の境地に至ることに成功した。

そんな経緯を経て私は虫を克服した。


…と、思っていたんだけどなぁ…。

「ぎゃあああああああああ!?」

「きもいきもいきもいきも(ry)」

二人の悲鳴を聞きつつ私は遠い目をする。

トラップハウスなわが屋敷の一階部分は修復するときにちょこっと改良してお洒落な強化ガラスのような窓を付けたりしている。ちなみに開けようとすると床が跳ね上がって同時に出た天井の針(猛毒付き)につきささるトラップがついている。勿論ちょっとやそっとでは壊れない耐久力なので、トラップハウスからは逃げられないというテーマにそった出来だと思う。…まぁ普通に玄関から出られるけどね。

「ぞわぞわする…サヨ、何か窓を覆うものないか?」

「きもいきもいきも(ry)」

しかし防犯を考えて扉の強化は勿論ばっちり。もう二度と壊されないように全力で作った。

ケテルの攻撃にも耐えられるぜ!(理論上)腐食などにも強い安心のエネミー製。

これで内側にもロックかけれるようにしたら脱出ゲームの舞台みたいになりそうだ。

今度作ってみよう。

「サヨ?…サヨ、大丈夫か?目を開けたまま気絶しているのか?」

「きも(ry)」

…さて、現実逃避をやめるか。

窓の外を見た。…いや、窓の外側を見た。


びっしりと窓全体を埋め尽くす蠢くそれ。

外が見えないぐらい埋め尽くすそれは紛れもないエネミー。

しかも一種類ではなく、大きさも形も多種多様な……。

すっごく気持ち悪い蟲の群れがいた。


「よし、引きこもりましょう。」

反対する人はいなかった。


「種類から恐らくここは蟲蔵と呼ばれる立入禁忌指定エリアの一つだと思われます。」

ここの場所に心当たりがあると言ったあと、ラティはそう告げた。

蟲蔵…もう名前から嫌な予感しかしない。

「その名の通り、大量の蟲の跋扈するエリアです。一体一体の強さはベテランならば脅威ではない程度なのですが、その恐ろしい所は数。多種多様なエネミーが押し寄せてきて圧死、最悪生きたまま食われるなども稀によくある魔境なのです。勿論そんな場所の最深部は愚か内部に侵入して無事に帰ってきた者は居らず、最深部のエネミーは禁忌指定では?と囁かれているのです。冒険者ランキングの近寄りたくもないダンジョンで栄えある一位を獲得した墓場とも呼ばれるエリアなのです。」

思った以上に最悪でした。

え、ちょ建物内に侵入してきたりなんかしないよね?

私発狂するよ?気持ち悪い虫達がうぞうぞやってきたら発狂するよ?

ちなみに聖騎士には自爆技があって、即死無効の補助魔法と組み合わせて使用することにより凄まじい殲滅力を誇るぞ!…味方殺しだけど。

あと使ったらしばらく全ステータス下がる上に魔法のクールタイムと詠唱時の無防備さとかがネック。

まぁ自爆技ってそんなものだよね!

「…え?俺たちそんな魔境にいるの?」

呆けたような顔でケテルが呟いた。

絶望しているというより理解できていないと言う感じだ。私も実感がわかない。

虫がうじゃうじゃいる時点で現代女子にとっては悪夢のような場所に違いない。

「おそらく、ですが。」

確かめに行こうとしないでくださいよ、虫が流れ込んでくるでしょうから。

真顔でそう釘を刺すラティに顔を引き攣らせながらケテルは頷く。

しかし狩場に最適そうな場所ではある。

話からエンカウント率は異常なほど高くて密集しているから、全部倒し切る火力と範囲、そして引き際さえ見誤らなければ経験値稼ぎ放題だろう。二人のレベリングに使いたいほどである。…まぁ外の状況は窓の様子からお察しの地獄だろうから絶対出ないけどね。

「お姉様、この建物…いつまで持つのでしょう…。」

ガタガタガタと震えながらラティが聞いてきた。

実はそれは私も気になっている所である。今の所持っているが、これが何日持つのか。

最悪今日中に壊れたりなんかしたら…うん、考えたくないね!

本当なんでこんなところに転送してきたのかな、あの糞野郎。まじかなぐり捨てっぞ。

「大丈夫よ。」

ここで弱音を吐いてもどんよりとするしかないので、気休め程度にそう言っておく。確証?ない。

ここを無事に脱出出来たら要塞みたいにしよう。

某カーチャンみたいな武装しこたま付けよう。

カーチャンといえばザインの転移無しで移動出来るようしたいな。移動要塞はやっぱりロマンだよね。色々と問題は山積みだけど、ザインならなんとかしてくれると信じているよ。

「精霊…ザイン、今度会ったら文句言わないとな。」

ケテルは遠い目をしている。

しかし要望は特になにもないって言った手前、なんとも苦情が言いにくい。苦情は受け付けないと本人も言っていたし。

疑いようもなく確信犯である。

やっぱりコブラツイストぐらいかけてやりたい。

「ところでどうします?これから。」

八方塞がりな現状、特にやることがない。

外には出られないし中でやることもない。

所謂暇という奴だ。

最近暇過ぎて体が鈍りそうだ。

「そうですね…。」

取り敢えず怖い話でもいっとく?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ