↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神の祝福なんて知らない。  作者: 雷鳥文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/12

流れて来た記憶。

 私はまだ七つの子供だったけれど、父と母がこの縁談を喜んでいないのはわかった。

母が私を抱きしめる。まるで王から私を隠すかのように。


「それは本当の話なのですか?母が夢枕に立ったのは?」

「もちろんだ。」

父はため息をついた。


「…お断りは出来ないのでしょうな。」

喜ばれると思っていた王の顔が強張る。

「…不満か?従兄弟殿。」


「魑魅魍魎渦巻く王宮。命を狙われることも多い。…それは貴方が1番ご存知でしょう。」

父の声が低くなる。

母が私を抱きしめる力が強くなる。

姉が顔を覆っている。


「それは…」

…命を狙われる?

え、何?怖い。

  

その時。


ぐわん。


頭の中で音がした。


いきなり流れ込んでくる記憶。


光る刃物、

人々の悲鳴、


腹部への痛み。



え?これは何?


場面が切り替わる。


溢れる車。時間通りに来る電車。

コンビニ。ビル。

パソコン、スマホ。


情報が。流れこんでくる。

…記憶と共に。

「勉強しなさい。」

「努力しなさい。」

「男性に負けては駄目。」

「貴女なら出来る。」

「失望させないで。」


これは?それは?あなたは?わたしは?


ああ!!


昭和平成令和、そして日本。


溢れる情報に頭が割れる様に痛い。

「こわい!こわい!こわい!殺されるのはこわい!」


「え?どうしたんだ?」

「王、アナタのせいですよ!

アナタだって!何度も命を狙われてウチに匿われたでしょう!!」

「いや、それは。」

「…アルヴァ!あなた真っ青で!熱があるわ!」

母の悲鳴。


こっちが現実なのか。職場で部下を庇って刺されたのは過去か?


まさか?生まれ変わり?

みんながハマっていたアニメやラノベの?

…異世界転生??


「アルヴァ!」

父と母の悲鳴を聞きながら、


…私の意識はそこで途切れた。



二日間高熱を出し、悪夢にうなされた。

自分の悲鳴で起きた。

「大丈夫よ、アルヴァ。」

母が抱きしめてなだめてくれる。

そしてまた眠りにつく。


その繰り返しだ。


前世の日本の記憶を思い出していた。

家族の希望で、頑張って勉強していい学校に(偏差値が高くて世間に知られている)入ったこと。


それから、大企業に入って管理職になったこと。


生涯独身で仕事に生きて…年下の女性部下を職場に押しかけて来たストーカーから守って…刺されたこと。


…生涯独身だったのは長年付き合った彼に婚約破棄されたことを。





「なんだ。あれだけ来世は男に生まれたい、と思ったのに。

……また女に生まれたのね。」


気がついて最初に口から出た言葉がこれだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。