表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄なのか?  作者: よろず
アルディア騎士学校
5/45


ホームルームが終わると、生徒たちは一斉に立ち上がった。緊張が解けたのか、先ほどまで静かだった教室も賑やかになる。

バルドはそんな様子を見ながら出席簿を閉じた。

「騒ぐのは構わんが、部屋割りを聞き逃すなよ」

教室の後方に貼り出された紙を見ようと、生徒たちが席を立った。

「行くか」ロイが立ち上がる。

レインもそれに続いた。

紙の前には既に人だかりが出来ている。

押し合うほどではないが、誰もが自分の部屋が気になるらしい。

「四〇七号室……あった!」

ロイが真っ先に見つけた。「レインも同じ部屋だ」確認すると確かにそうだった。

四〇七号室。

ロイ・バートン。

レイン・クロード。

そして残り二人の名前も並んでいる。

「同じクラスで固められてるな」

「みたいだな」

王立騎士学校では、基本的に同じクラスの生徒同士で部屋を構成するらしい。

新入生が環境に慣れやすくするためだと、案内書にも書かれていた。


「男子寮はこっちだ」

教員の案内に従い、Bクラスの生徒たちは校舎を出て少し歩くと寮は校舎の奥に建てられていた。

男子寮と女子寮は当然別。

さらにSクラスだけは専用寮が用意されている。

それ以外のAからDクラスは同じ寮を利用する形だった。2年生も同じ建物だ。

「Sクラスだけ別か」

誰かが呟く。

授業の時間も違うらしく学内以外のカリキュラムが多いらしい。門限などもないらしい。

集団行動には向いてないそうなので別寮だそうだ。

アルディア王立騎士学校は順位やクラスによる差こそあるが、露骨な特権意識はあまり感じられない。

少なくとも今のところは。

男子寮は四階建てだった。

石造りの大きな建物で、想像していたより立派である。ロビーへ入ると、再び案内が始まった。

「部屋は四人部屋」

担当教員が説明する。

「消灯時間は二十三時」「訓練用具は勝手に持ち出す「問題が起きた場合は寮監へ報告しろ」

一通りの説明が終わると、生徒たちはそれぞれの部屋へ向かった。

四〇七号室は四階の角部屋だった。扉を開くと既に二人の生徒が到着している。

一人は短髪の少年。

もう一人は眼鏡を掛けた細身の少年だった。

短髪の少年が真っ先に立ち上がる。

「同室か」

「そうみたいだな」

ロイが答える。

少年は頷いた。

「ガレスだ」

眼鏡の少年も続く。

「エリオットです」

自然と自己紹介が始まる。

レインも名乗り、ロイも続いた。


四人とも同じBクラス。

当面は顔を合わせ続けることになる。

荷物を整理しながら話していると、自然と話題は学校へ移った。

「順位戦は興味あるか?」

ガレスが尋ねる。

ロイは少し考えた。

「ないとは言わないな」

「俺はある」

ガレスは即答した。

「せっかくなら上を目指したい。

王立騎士学校へ入る以上、当たり前に上を目指す者は多い。

だがエリオットは首を振る。

「私は違います」

三人の視線が集まる。

「実技は得意じゃないので」

そう言って苦笑した。

「騎士団に入っても前線は無理でしょう」

ガレスが何か言おうとしたが、その前にレインが口を開く。

「別に前線だけが仕事じゃないだろ事務処理もし後方支援もある、何より作戦参謀は戦争の要だ」

王国騎士団は大きな組織だ。

剣の強さだけで成り立っているわけではない。

するとガレスも頷いた。

「うちの兄貴もそう言ってたな」

話を聞くと、兄は現役騎士らしい。

「騎士団は前線が目立つだけだってさ。飯が届かなきゃ戦えないし、報告書を書く奴も必要だし、補給路を守る奴もいる」

エリオットの表情が少し和らぐ。

「担任も似たことを言っていましたね」

確かにそうだった。

騎士は国家の顔。だから強さだけでは足りない。

知識も必要、人格も必要、責任感も必要。

それを二年間かけて教えるのが、この学校なのだろう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ