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英雄なのか?  作者: よろず
アルディア騎士学校
31/38

覚悟


説明会が終わり、Bクラスの生徒達は訓練場の端へ集まっていた。

誰かが話し始めるわけでもない。

普段なら2年生Sクラスの生徒達を見てロイが騒いでいる。

だが今日は違った。

盗賊討伐。

その言葉が思っていた以上に重かったのだ。

「なぁ」

しばらくして一人の男子生徒が口を開いた。

「盗賊ってさ」

そこで言葉が止まる。

何を言いたいのか皆分かっていた。

「……殺してもいいのか?」

訓練場が静まり返った。

風の音だけが聞こえる、誰も答えなかった。

盗賊は犯罪者だ。

人を襲い、人を殺している。だから討伐命令が出ている。

理屈では分かる。

だが相手が魔物ではなく人間であることに変わりはない。

「捕縛優先って言ってたろ」

誰かが言う。

「でも戦闘になれば分からないだろ」

別の誰かが返す。

その通りだった。

剣を振れば相手は死ぬ。魔法を放てば人が死ぬ。

それが戦いだ。

今までの訓練とは違う。

「俺は別に構わない」

ワルが腕を組みながら言った。

「向こうだって殺す気で来るんだろ」

強気な言葉だった。

だがレインには分かった。

ワルも緊張している。

本当に平然としているなら、わざわざ口に出したりしない。

「実際は分からないさ」

レインが言った。

皆の視線が集まる。

「その時になってみないと」誰も反論しなかった。

正論だった。

人を斬ったことのない学生達に答えられる話ではない。

結局、自分自身で確かめるしかない。

初めて人を殺す剣を向けた時。

初めて殺さた死体を見た時。

その時になって初めて分かる。

自分がどんな人間なのか。

レインは周囲を見渡した。

不安そうな者、考え込む者、強がる者。

反応は様々だった。

だがそれでいい。

むしろ安心した。

誰も盗賊討伐を遊びだとは思っていない。

少なくともBクラスは。



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