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英雄なのか?  作者: よろず
アルディア騎士学校
24/38

再び



数日後また生徒会から呼び出しを受けた。今度はアイザックと2人だ。

先日登った階段を上がると生徒会室の前に六人の生徒が集まっていた。

軽い挨拶をそこそこにクリスティーナ先輩が現れる。

「皆様こちらへ」

数日前訪ねた生徒会室の向かい側に分厚い扉があった。

「皆様をお連れしました」

「入りたまえ」

先日と同じ声が返ってきた。

分厚い扉を開けると生徒会長が中心に座っていた。

全員が席についたことを確認すると、エドワードがゆっくり立ち上がった。

穏やかな笑みはいつも通りだった。

だが会議室の空気は自然と引き締まっていく。

「集まってもらった理由は一つだ」静かな声が響く。

「三ヶ月後に行われる実務演習について説明する」

その言葉に八人の視線が集まった。

エドワードは机の上へ一枚の書類を置く。

「まず最初に言っておく、「これから話す内容は演習当日まで口外禁止だ、違反した場合は査定対象になる」

冗談ではない。

全員が真剣な表情になる。

エドワードは一拍置いた。

そして続ける。

「今回の演習は王国から正式に依頼された案件だ」

ただの学校行事ではない。

その時点で全員が理解した。

「依頼内容は盗賊討伐」

空気が変わった。

今度は明確だった。

誰かが息を呑む音が聞こえる。

レインの隣に座るアイザックも僅かに眉を動かした。

Aクラスの生徒達も同様だった。

盗賊討伐。

その言葉の意味を理解できない者はここにはいない。

魔物討伐ではない。

人間だ。

エドワードは続ける。

「盗賊団の規模は約三十名前後」

その瞬間、小さなどよめきが広がった。

三十名。

一年生から見れば十分な戦力だった。

もちろん王国軍から見れば小規模だろう。

だが十六歳の少年少女からすれば違う。

実際に刃を向けてくる三十人の敵。

そう考えれば決して小さくない。

「本当に一年生だけで行うのですか」

質問したのはAクラス二位のミハイルだった。

エドワードは頷く。

基本的にには

基本的にね、つまり何かあるのだろう。

だがエドワードは詳しく説明しない。

「詳細は演習当日に伝達される」

「現時点で伝えられるのはここまでだ」

一年の生徒達は顔を見合わせる。

情報が少ない。

だが意図的なのだろう。

騎士団の任務も全て事前に教えられるとは限らない。

「君達を呼んだ理由は他もにある」

今度はクリスティーナが口を開いた。

「各クラス一位、二位の君達には演習で部隊を率いるてもらうことになる、言わいるクラスを率いるのだ」

その一言で会議室が静まり返った。

「各クラスごとに部隊を編成する」

「一位が隊長」

「二位が副隊長」

レインは思わず息を吐いた。

アイザックも腕を組んだまま黙っている。

Aクラスの首席であるカイルは表情を変えない。

だが誰も軽く受け止めてはいなかった。

隊長とは先頭に立つ者ではない。

失敗すれば責任を負う立場だ。

「三ヶ月後までに準備を進めろ」

エドワードが言う。

「人を見ろ」

「誰が何を得意とするか把握しろ」

そこまで言うと机の上の資料を閉じた。

「説明は以上だ」

短い言葉だった。

だが会議室の空気は来た時とはまるで違う。

三ヶ月後。

それまではただの演習だと思っていた。

だが今は違う。

その場にいる全員が理解していた。

自分達は初めて、本物の任務へ向かうことになるのだと。


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