表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄なのか?  作者: よろず
アルディア騎士学校
23/34

厄介事


「さて」

エドワードが穏やかな笑みを浮かべたまま口を開く。

生徒会室にいた全員の視線が自然とレインへ集まった。

王国有数の家柄を持つ者達に囲まれている状況だが、不思議と威圧感はなかった。むしろ居心地が悪いのは、彼らが興味深そうに自分を見ているからだった。

「君を呼んだ理由について話そう」

エドワードは机の上に置かれていた一枚の書類を手に取る。

「まず確認しておくが、この話はまだ口外禁止だ」

レインは小さく頷いた。

「例年、第3回査定前に一年生全員を対象とした総合演習が実施されます」

その言葉にレインは少しだけ眉を動かした。

演習。

騎士学校である以上、いつかはあると思っていた。

だが生徒会がわざわざ呼び出すほどの話なのだろうか。

そんな疑問を察したのか、エドワードが続ける。

「ただの訓練ではない」

その声から笑みが消えた。

「王国から正式に依頼を受けて行われる実務演習だ」

今までの授業とは違う。

そういう話なのだろう。

「もちろん騎士団が周囲を固める。危険な依頼ではない」

クラウスが書類から目を離さず補足した。

「だが内容は実際の騎士団業務に近い、盗賊討伐」

「一年生に?」

レインが思わず聞き返す。

「一年生だからだよ」

答えたのはレオンだった。

豪快な笑みを浮かべる。

「騎士学校は騎士を育てる場所だ。訓練場だけで卒業しても意味がないだろ」

確かにその通りだった。

セシリアも頷く。

「演習結果は査定にも大きく反映されます」

「そして君は、その中心に立つ可能性が高いと思ってる」

エドワードが言った。

「今回呼ばれた理由はそれだ」

レインは嫌な予感しかしなかった。

「ちなみに拒否権は?」

「ない」

即答だった。

しかも全員一致だった。

レインは思わず天井を見上げる。

面倒な予感しかしない

「近いうちに各クラス上位者を集めた説明会が行われます」

「その際、詳細が伝えられるでしょう」

エドワードはそこで話を締めた。

「今日は顔合わせと思ってくれて構わない」

「ただ一つだけ覚えておいてほしい」

生徒会長の表情が少しだけ真剣になる。

「演習では強い者より、人を生かせる者が求められる」

夜間奇襲訓練でバルトが言っていた言葉と少し似ていた。

レインは何も答えない。

「今日は以上だ」

その言葉で会談は終わった。

だがレインには一つだけ分かったことがある。

どうやら平穏な学校生活は、また少し遠ざかったらしい


次の日は質問攻めだった。

アイザックにどうやって勝った?生徒会で何があった?

クリスティーナ先輩と何話したなど。

適当に返した。しかし内容は言わないが演習があるとだけ伝えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ