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戦えない俺は見捨てて生き残る——戦場の違和感から全てを操る転生戦国記  作者: 黒狐
第7章 過去の檻

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設定資料集

山(山狐)


異世界転生者。


転生前は、

38歳のフリーターとして働いていた。


必要とされることは少なく、

都合よく使われ、

不要な人間として扱われ続けた人生。


居場所の無い日常を、

ただ生きていた。


しかし——


突然、

戦国の世界へ転生する。


剣も知らない。


戦も知らない。


死とも無縁だった男にとって、

その世界はあまりにも過酷だった。


生きるだけで精一杯。


それでも、

見捨てられなかった。


根の優しさから、

他人を助けようとしてしまう。


だが同時に、

自分自身への失望や諦めも強い。


自分の命に価値を感じきれず、

時に仲間を守るため、

自らを犠牲にするような行動を取る危うさを持つ。


人を斬れない。


それでも——


戦場で、

人を生かすために戦う男。




弥助


元奴隷兵。


蒼鷹軍によって人生を奪われ、

長く地獄のような日々を生きてきた男。


口は悪く、

粗暴。


だが、

曲がったことを嫌う。


理不尽を何より嫌い、

女や子供には絶対に手を出さない。


かつて、

蒼鷹兵に連れて行かれた女を、

自らも奴隷の立場でありながら助けたこともある。


戦いでは前線に立ち、

危険を恐れない。


豪快で荒っぽいが、

仲間意識は強く、

一度認めた相手には命を張る。


山狐とは、

最初は“生き残るため”に利用するつもりだった。


だが——


共に戦う中で、

自分を犠牲にしてでも仲間を助けようとする山の姿を見続け、

次第に信頼するようになる。


同時に、

その危うさも理解しており、

時折無茶をする山を強く気にかけている。


趣味は博打。


せっかく得た報酬も、

大体そこで消える。


本人は全く反省していない。



てつ


元・蒼鷹軍兵士。


大太刀を振るう豪快な武人。


かつては前線で武功を挙げていたが、

その力を妬まれ、

黒曜軍との戦で“殿”を押し付けられ見捨てられる。


敗走の中で孫六と合流し、

追手から逃げる最中に山たちへ救われた。


以来、

鉄は山へ強い恩義を抱いている。


豪快で酒好き。

思ったことははっきり言う性格。


仲間意識が強く、

“仲間を見捨てる行為”を何より嫌う。


山の、

自分を犠牲にしてでも他人を助けようとする姿勢を尊敬している一方、

その危うさも理解している。


だからこそ、

山が無茶をしようとすれば、

自分が前へ出る。


山を守る“壁”。

それが鉄の戦い方だった。


戦闘では、

大太刀を使った正面戦闘を得意とする。


圧倒的な膂力と耐久力を持ち、

狭路や防衛戦では特に真価を発揮する。


逃げない。折れない。

最後まで立ち続ける武人。


趣味は酒。

報酬は大体酒代へ消えていく。



げん


蒼鷹軍に所属していた男。

元々は鷹司景冬の護衛として戦場へ立っていたが、その実態は“罪人”だった。


理由は、かつての上官を戦場で斬ったため。


その上官は、自身の保身のためだけに部下を使い潰し、幾人もの兵を死地へ送り続けていた。

玄はそれを見限り、戦場の最中に自らの手で上官を処断する。


その腕を惜しまれ処刑は免れたものの、以後は“使い潰すための兵”として扱われることとなる。


黒曜軍との戦では、敗走する蒼鷹軍本陣の囮として置き去りにされていた。


だが、撤退していたはずの山たちが敵本陣へ戻り、そこで囮として取り残されていた玄を発見。敵に包囲されながらも共に脱出した。


この一件により、玄は山の“自分を顧みず他人を助ける姿勢”に強い衝撃を受ける。


以降は山隊へ加わり、山を支えるために戦うようになる。


冷静沈着で感情を表に出すことは少ない。

戦場では状況判断に優れ、伏兵や奇襲など少数戦における指揮能力も高い。

隊を纏める力もあり、山不在時には現場指揮を任されることもある。


一方で、敵と判断した相手には一切容赦しない。

情ではなく、“排除すべき存在かどうか”で刃を振るう現実主義者。


山隊の中では、山の優しさを最も危ういものとして理解している男でもある。



孫六まごろく


元・蒼鷹軍の弓兵。


長弓を扱う一流の射手。


だが、

蒼鷹軍へ忠誠を誓っていたわけではない。


孫六には探している人物がおり、

戦場で出会う可能性を考えて軍へ身を置いていただけだった。


そのため、

奴隷兵を使い潰し、

弱い者を酷使する蒼鷹軍のやり方を嫌っている。


黒曜軍との戦で蒼鷹軍が敗走した際、

殿として置き去りにされていた鉄を援護。


だが、

その矢で自身の位置も露見し、

鉄と共に逃走することとなる。


その敗走の最中、

山たちに救われたことで、

“借りを返す”つもりで山隊へ加わった。


当初は仲間意識も薄く、

戦闘でも最低限しか動かなかった。


山たちと合流してからの初戦では、

放った矢はたった一射だけだった。


だが、

山たちはそれ以上を求めなかった。


その距離感に、

孫六は少しずつ心を開いていく。


転機となったのは雷姫との戦い。


山が、

自分ごと敵を焼く火計を本気で実行しようとした姿に衝撃を受け、

咄嗟に援護射撃を放つ。


以降、

孫六の矢は少しずつ増えていく。


捻くれた性格で、

面倒事を嫌う。


だが視野は広く、

周囲もよく見ている。


なんだかんだで面倒見も良く、

仲間たちが必死に生き残ろうとしていることを理解している。


戦いでは、

索敵や援護射撃、

狙撃などを担当。


山隊における“目”と“牙”の役割を担う存在。


一方で接近戦は苦手。


報酬の多くは、

探している人物の情報収集へ使われている。





志乃しの


薬師の女。


蒼鷹軍によって家族を殺され、

復讐のため山たちの元へ現れた。


かつて、

目の前で家族を斬られながら、

何も出来なかった。


その無力さに絶望した志乃は、

“誰かを救うため”の知識と技術を身につけていく。


薬草、治療、毒。

生き延びるための知識。


だがその根底には、

蒼鷹軍を潰したいという強い復讐心がある。


山たちを治療するのも、

戦い続けてもらうため。


真壁を殺せる可能性があるからこそ、山隊へ加わった。


気が強く、

警戒心も強い。


男社会で生きる中で、

舐められないように振る舞ってきたため、

言葉も刺々しい。


元々は優しい性格だからこそ、

“人を助ける側”を選んだ。


戦えない代わりに、

傷を治す。

死にかけた者を繋ぎ止める。


それが、

志乃なりの戦い方だった。


山隊では、

治療や薬の管理を担当。


戦場では後方支援を担う一方、

毒や薬草の知識を活かし、

時には戦術面でも力を発揮する。


山隊の中では数少ない

“普通の感覚”を持つ人物でもある


山たちと過ごす中で、

少しずつ本来の柔らかさを見せ始める。




雷姫らいき


白蓮軍・白蓮四天王の一人。


居城は雷霆城。

副将として榊原景親を従える。


圧倒的な武勇と知名度を誇り、

その名を知らぬ者はいない。


“雷のようだった”

“一撃で馬ごと斬られた”


そんな噂が各地で語られている。


圧倒的な速さと火力を持ち、

戦場では自ら最前線へ立つ。


その姿は、

“戦場の華”とも呼ばれるほど美しい。


だが本人は、

容姿に一切興味を持っていない。


雷姫は、

自ら戦を終わらせることで、

味方の犠牲を減らそうとしている。


強者である自分が前へ出ることこそ、

最も確実で、

最も被害の少ない勝ち方だと考えているため。


冷静沈着で、

感情を表へ出すことは少ない。


だが、

戦場では非常に仲間想いでもあり、

部下からの信頼も厚い。


そんな雷姫にとって、

山との出会いは想定外だった。


弱い。


戦えない。


それなのに最前線へ立ち、

仲間を守るために、

自分ごと敵を焼き殺す策まで用意していた。


“弱者が自らを犠牲にして戦う”


その在り方は、

雷姫の知る武人とはまるで違っていた。


以降、

雷姫は山へ強い興味を抱くようになる。


そして会談を通じて、

山の本質へ触れていく。


他人を見捨てられない優しさ。


自分自身を価値の無い存在だと思っている弱さ。


壊れそうなほど不安定な精神。


雷姫は、

そんな“本来の山”を知る数少ない人物となる。


また、

山の危うさを最も理解している人物の一人でもある。




じん


元・盗賊。


弥助とは盗賊時代からの知り合いだった。


かつて弥助が奴隷兵として前線送りにされ、

戦場で行方不明になった後も、

迅は盗賊たちを纏めながら生き延びていた。


だが、

食糧を奪うため襲った村で蒼鷹軍と鉢合わせになり、

捕縛。


そのまま奴隷兵として前線送りにされる。


そして送られた戦場で、

再び弥助と再会した。


当初は、

奴隷兵という立場上、

山たちと敵対する形となっていた。


だが、

山狐の暗躍によって戦場が混乱。


さらに、

奴隷兵を管理していた兵たちの監視が崩れ、

真壁義臣までもが敵陣内で孤立した瞬間——


迅は反旗を翻す。


奴隷兵たちを率い、

蒼鷹軍へ牙を向けた。


以降は、

盗賊時代のアジトを山たちへ提供し、

山隊へ加わる。


山のことを

“頭”と呼び慕っており、

山隊が勢力化していく中で、

最初期から支える人物の一人。


元盗賊らしく、

地形把握や隠れ道、

裏仕事にも強い。


また、

荒くれ者の多い旧奴隷兵たちを纏める役割も担っている。


現実的で生存意識も高いが、

仲間を見捨てない山の在り方に強く影響を受けている人物。



真壁義臣まかべ よしおみ


蒼鷹軍の猛将。


圧倒的な武力と突破力を誇り、

最前線で敵陣を食い破ることから恐れられている。


“強さこそ全て”を信条としており、

弱者を徹底的に見下す。


主人である鷹司景冬へ絶対的な忠誠を誓っており、

戦功を挙げ、

認められることへ強く執着している。


そのため、

勝つためなら手段を選ばない。


奴隷兵を前線へ突撃させ、

敵を疲弊させた後、

自らが本隊を率いて踏み潰す。


それが真壁の戦い方だった。


奴隷兵や下級兵は、

真壁にとって“消耗品”でしかない。


死ねば補充すればいい。


弱い者が死ぬのは当然。


そう本気で考えている。


また、

生存本能も非常に高い。


山狐との戦では、

孤立・包囲された際に

奴隷兵を人質として利用し撤退。


さらに、

逃走の邪魔になると判断した人質まで自ら斬り捨てた。


冷酷非情な現実主義者。


従う価値があると認めるのは、

鷹司景冬のような“強者”のみ。


だが、

そんな真壁にとって、

山狐は理解不能な存在だった。


弱い。


なのに、

自らを犠牲にして他人を守ろうとする。


その在り方は、

真壁の価値観と真逆だった。


そして、

山狐に敗北したことで、

真壁の憎悪はさらに増していく。


“次こそ必ず殺す”


その執念だけが、

真壁を突き動かしている。


読んでいただきありがとうございます。

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