↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヘルメスの三姉妹  作者: 龍之介21時
三姉妹との出逢い
6/44

アリスの緊縛訓練

【アルバート家の朝】


アルバート家に新しい朝が来た。


「ふわあぁぁ…昨日は目まぐるしい一日だったな…」


日の出から1時間といったところか…ヒイロのベッドの布団の中で、昨夜から侵入して来たサーシャが寝ていた。


「気持ち良さそうに寝ているな。寝顔は普通の女の子なんだが…サーシャも過去に色々あったんだな…」


猫の様に身体を丸め、年相応の無邪気な寝顔からは到底、昨日のような積極的な姿を思い浮かべるには無理があった


それ程、彼女の昨夜の姿と今の姿には、完全に別人のような差を感じているヒイロ。


「全く年頃の女の子は難しいぜ…どれどれ♪」


ヒイロは人差し指で、サーシャの顔をツンと押してみた。


「ん、んうぅ…」


サーシャは突かれた場所を、その小さな手の甲で擦る


まるで子猫が自分の手で顔を拭く様に、ヒイロに突かれた場所を拭いては身体をくねらせ、時には小声を漏らしていた


「あはは。可愛らしいじゃないか♪」


こう見ると可愛い少女でしかないのだが…


(奴隷市場か…サーシャは俺の予想以上に、色々な経験をしてきたのかも知れないな)


そうこうしてると、サーシャはゆっくり瞼を開いて周りを見渡す。ヒイロの顔を確認すると、幼くもあり、妖しさを覗かせるかのような笑みを浮かべた



「お兄さま、おはようございますですの。昨夜は…その…色々と…すみませんでしたの!それと、ありがとうございますですの♪」


そう言うと腕をヒイロの腕に絡めて、ピタリと身を寄せてきた


(やはり、サーシャが1番サイズが大きいようだ。12歳とはいえ押し付けられれば確かな弾力が感じられる)


サーシャは顔を俺の胸に押し当て、小さく息を吸う


「やっぱり、お兄さまの匂い…安心しますの……さて、そろそろ朝ご飯にしましょうか?」


サーシャは布団から起き出すと、ヒイロの手を掴んだ。


「そうだね。まずは顔を洗いに行こうか?」


サーシャは、そのままヒイロの手を引っ張り、洗面所まで一緒に歩いて行った


(年頃の女の子は、場合によっては懐いてもらうまでに、かなりの時間を必要とする場合が多いらしいがサーシャには、かなり好意的に思ってもらえてるようだ。良かった♪)



2人で洗面所に立ち、顔を洗って歯を磨いた。ひと動作ごとにサーシャは、ヒイロの顔をチラ見してきた


「良く眠れたか?」


「はい、ですの♪」


それに対して優しい笑顔を返したサーシャ。そこからは昨日の妖しさは感じられない


「んっふふふふ~ん♪」


サーシャはキッチンに立ち調理を始めた。ヒイロも多少の手伝いをしようと、野菜を洗い簡単なカットをしていた


「ガチャ…あ、兄さんとサーシャ、起きてたんだね…ふあぁ…おはよう」


カルーアが起きて来た。


「洗面所に全員分のタオルが置いてあるから顔を洗ってきな」


「あ、ありがとう…」


そう言うとカルーアは少し大きめの寝巻き姿で、顔を赤く染めたままヨチヨチと洗面所に歩いて行った


(昨日は兄さんと一緒にお風呂を///)


「カルーアは少し朝が弱いのかな?」


カルーアは昨夜ヒイロと一緒に風呂に入り、背中を流してあげたことを思い出して赤面していたが、ヒイロはその事を理解していないようだ



「そうかも知れませんね。でも1番のお寝坊さんはアリスお姉さんみたいですの(笑)」


「ガチャ」


そう言って、サーシャが向けた視線の先にはアリスが居た。


「おはようアリス♪」


枕を脇に抱え、寝巻きがズレて肩を出したアリスは凄く眠そうにしている


「お兄ちゃん…サーシャ…おあよぉ…」


アリスはかなり朝が弱いようだ。アリスにもカルーアの時と同様に、洗面所の説明をしたヒイロ


「出来ましたの。皆さん席に着いて欲しいですの♪」


程なく朝食は完成した



キッチンの部屋の中央にあるテーブルにヒイロとサーシャが横に、向かい合わせのヒイロの正面にアリス、サーシャの正面にカルーアが座って「いただきます」をした


「んふぅ!美味しいよぉサーシャ♪」


夕飯はヤンチャ坊主のようにガツガツ食べていたが、朝はゆっくり食べている。どうやらアリスは、朝はかなり弱いようだ



「ねぇ、兄さん。近場で出来る仕事とかは無いのかい?わたしも家族の為に何か役に立ちたいんだ」


朝食を食べながらカルーアが提案してきた。それを聞き「アリスもアリスもぉ!」と言ってきた



「それなら、ご飯の後に少し訓練するか?」


工房の裏手は広い庭があり、簡単な訓練場になっている。そこで2人の動きを見る事にした


「アリス。工房の中に貸し出し用のソードがいくつか置いてある。使いやすそうな物を取っておいで」


「うん、わかったぁ♪」


アリスは笑顔で家の中に戻って行った



まずはカルーア


「貸し出し用の弓をカルーアの身長に合わせて調整してある。それを使ってみな」


庭の中の1番大きな木の枝に、木製の円の的をぶら下げた。そこに矢を撃ち練習出来るようにした


「ありがとう…兄さん、いつの間にこんな準備を?」


実は用意した訳ではなく以前、木製のおぼんを作ろうとしたのだが、分厚く作ってしまった為におぼんには使えず、お蔵入りしていたのを出してきただけだった


「んんん…バシュ…バスん!」


「おお!流石エルフ上手いな。ど真ん中じゃないか!」


「えへへ。まぁね♪」


エルフ族は弓の扱いが上手い、というのが世間の常識だが、カルーアの弓の腕前も大したものだった



次にアリスのソードの腕前を見ることにしたが…


「え?2本持ってきたのか?」

挿絵(By みてみん)

「うん!義父さんから「アリスは2本使う方がいいな」って言われてたんだぁ♪」


右手に刃渡り70cm程のソードを持ち、左手には刃渡り50cm程のソードを持っている


「二刀流は初めて見るな…」


右手のは叩き割るのも出来そうな厚みがある。そして左手のは、やや細身のソードだった


「さぁ、始めよう。お兄ちゃん♪」


「寸止めで勝負するぞ。お互い怪我の無いようにな」


怪我をする可能性もあるが、アリスの実力を見る為に敢えて、ヒイロは鋼のソードを持ち構え、手合わせを開始した



「エィ、ヤアァ!」


(なるほど、破壊力の高い右手の武器を振り回し左手の軽い方で、その隙を突かれない様に牽制をする戦い方か…それなりに訓練を積んではいるみたいだが、それでも時折隙があるな)


アリスは獣人族特有の高いスタミナと俊敏性を活かすために、二刀流で戦っているようだ


「しかし、コンビネーションに隙が多いな!」


(右手の攻撃をソードでいなし彼女の右側に回り込めば、彼女の左のソードはコチラに届かない!)


「ガキィィん!ピタッ」


ヒイロはアリスの攻撃をいなすと、すかさず鋼のソードをアリスの首筋に添えた


「うっ!…まっ…参りましたぁ…」

挿絵(By みてみん)

「特に大振りし過ぎって程ではないみたいだけど、バランス感覚が良くないな。連続攻撃をし出すと、身体の中心がぐらついているぞ。しっかり固定出来ると安定するだろうな」


「そ、そうなんだぁ…じゃあ、その為の訓練をして欲しいよぉ!」


アリスはバランスを取る訓練を申し出て来た。カルーアの方を見ると、弓射ちを真剣にしていた


アリスを連れて庭の奥にやって来た


ココには2つの太めの木に、厚さ3センチの2本のロープを平行に縛り付けて、ロープを橋状にしてある


「バランス感覚を鍛える為のロープの吊り橋だ。この上でソードを振ってごらん…体勢が安定する様になるぞ」


ロープは地面から高さ1.5m程の位置にある。片方の木にハシゴがあり、ソコからロープの上に乗れる。


「……こんな感じだ」


「お兄ちゃん、凄ぉい♪」


まずはヒイロがロープの上でソードを振る姿を見せた


「さぁ、アリスもやってごらん」


「うん!見ててね」


案の定、ロープの上でソードを振るとアリスはバランスを崩してフラフラする


「お兄ちゃん、コレは難しいよぉ…」


しかし、この上で安定して振れる様になれば、隙の無い戦いが出来るようになる


「慣れればそんな難しい事じゃないぞ。焦らずゆっくり慣れていけば良いぞ」


ヒイロは少し離れてアリスを見守った。何とか落ちないように、踏ん張りつつソードを振るアリス


「でも、こんな攻撃じゃ何も倒せないよぉ…えーい!」


しかし、無理して大きく振った時、アリスはバランスを崩した。が、ロープを強く踏み込んで堪えた。


「まだチカラを込めるのは早いぞ。もっと慣れてからにするんだ!」


その時!ヒイロの横でロープの編み目が緩み出した。

挿絵(By みてみん)

「あわわ…きゃうぅ!」


ロープの1本の張りが弱くなりアリスはバランスを崩しロープにうつ伏せにしがみついた


その振動でロープは結び目が一気にちぎれた!このままではアリスは地面に激突する。


「危ないっ!」


ヒイロは慌てて切れたロープを掴んだ。アリスの体重がロープにのしかかった。ヒイロは彼女が落ちないように、チカラを込めてロープを支えた


「あぁん!ロープが…股にくい込んでるぅ。い、痛いよぉ…」


(なんて事だ!俺の持つロープがアリスのヤバい場所にくい込んじまってる!)


ヒイロは思わずロープを持つ手を緩めた。アリスの身体が大きく傾く


「落ちる、ヤバい!」


ヒイロは再びチカラを入れて引っ張った


「あっ、あぁ…」


その動作でロープはアリスの股の間に食い込んだ。


(ヤバい、アリスが墜落する!?いやいやそれよりも、こんな場面をカルーアやサーシャに見られたら…どんな誤解をされるか分かったものじゃない)


「お兄ちゃぁん。助けてよぉ…」


アリスと10mくらい距離を取っていたヒイロは少しずつロープを手繰り寄せ、アリスの方に近づいて行った…


「もう少しだ。頑張れ!」


引っ張っては近づく。を繰り返し慎重にアリスに近付く


(ヤバい、ヤバい、ヤバい!こんな所を見られたら、色んな意味で取り返しのつかない事に…)


何とかアリスを落とさないように接近し彼女を抱き留めた


「はぁはぁ…凄い経験しちゃったぁ…」


地面に手を付きグッタリしたアリスは、荒い呼吸を繰り返していた

挿絵(By みてみん)

「お、お兄ちゃん…アタシ…この訓練はコリゴリだよぉ…」


アリスは蕩けた目でヒイロを見つめてグッタリした


「アリス、大丈夫か?」


アリスはヒイロに身体を預けて気を失った…





続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。