アリスの身体測定
【アルバート工房】
その日、ヒイロたちは四人の出逢いを祝してみんなで食事をする事にした
とは言え、急な事なので備蓄していた食材での有り合わせになるのだが…
「料理なら任せて欲しいですの!」
サーシャがメイン調理をしてくれることになった。どうやら今までにかなり経験があるようだ
「そうか、すまないな。俺は切って焼いて煮込んで適当に調味料を振って、ぐらいの料理しかしてこなかったから助かるよ♪」
今までのヒイロと父親の食事は、野菜は洗って切って、肉や魚は切って焼いて、その日の気分で調味料を変える
「まぁ!そんな調理ではせっかくの食材さん達に申し訳がありませんのよ?ちゃんと素材の味を活かしてあげませんと!」
その程度だったのだが…サーシャにトコトンダメ出しをされてしまった
「今後の料理は任せても良いかな?むろん手伝いはできる範囲でさせてもらうから…」
「ありがとうございますの♪」
それで、悪いとは思ったが、しっかり料理を習っている12歳の彼女に、今後の我が家での料理は一任してもらうことになった
「わたしは、お菓子作りなら教わっているから、それなりに出来ると思うけど…」
カルーアは唯一女性に育てられていたので少し期待したのだが…基本料理は母親が全てやってくれたらしく、本人はあまり料理に興味は持っていないらしい
「お菓子作りが出来るのでしたら、料理にも通じるものはありますから、お手伝いをお願いしたいですの」
「う、うん。教えてくれたら、何とか頑張るよ…」
けれど、多少の手伝いはしていたらしく補助程度なら…と、サーシャと共にキッチンに立ってくれた
「ごめんねぇ、アタシはお料理は全然出来ないわ。下手に手伝っても邪魔になると思うんだぁ…お父さんと住んでる時も私が失敗するから。ってお父さんが料理してくれてたくらいだからぁ…」
アリスは自分だけ手伝えなくて、申し訳なさそうにしていた
「それならアリス、俺の部屋に行って身体検査をさせて貰おうか?」
「ほえぇ!?あ、アリスの裸を見たいのぉ?こ、困るわ、アタシ達にはまだ早いと思うのぉ…」
「女の子になんてことを…」
「お兄さま、エッチですの♪」
カルーアもサーシャもヒイロがアリスにエッちい事をすると勘違いしてる様だ…
「違う、違う!武器防具を作ってやる、って言ったろう。指の長さや肩幅、胴回りとか、関節の強度、柔軟さを把握してないとフィットする装備は作れないからな……な?」
「身体検査を理由にアリス姉さんの全身を、隅々まで弄んだりしないよね?」
「しないからっ!」
エルフのカルーアは、3人の中で一番ヒイロを疑っていた
【ヒイロの部屋】
アリスに薄着になってもらった。もちろん武器防具を作るためである
(身体測定をするのだから…仕方ない。決してやましい理由ではないぞ!…たぶんな)
「ちょっとお兄ちゃん…目付きが少し怖いんだけど 」
「いやいや、だ、だ、だ、大丈夫だよ。安心して…」
ヒイロはかなり取り乱した返事をしてしまったので、深く深呼吸をした
「心配させて悪い。ほら、俺の家族は父親だけだったろ?比較的大きな街に住んではいるけど、俺は基本工房に入り浸ってるから…その、異性と親しくなった経験があまり無くてだな…」
「…そうなのね。緊張してるのは、お互い様だったんだねぇ。余計な心配しちゃった…じゃぁ、お願いねお兄ちゃん♪」
身体測定するヒイロの方も緊張していることを理解したアリスは緊張が解けて、彼に身を委ねることにした
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「えっ!?下着は脱がなくて良いのぉ?…うん、待っててねぇ、今脱ぐからぁ…ひあっ!そんな所…触ったら駄目ぇ…」
「す、すまん。少し触れてしまった。わざとじゃないんだ!」
お互いにスキンシップに不慣れな二人は妙に疲れている
「はぁはぁ…ちょっとぉ、お兄ちゃん!?そんなところまでぇ触られちゃったら恥ずかしいよぉ…」
ヒイロは防具を作るためにアリスの各所をメジャーで採寸したり、親指とそれ以外の指で軽く掴むように調べ、ソレらのサイズをメモした
「あっ!ダメぇ、ソコは弱いのぉ…」
が、アリスは歳の近い異性に身体を触られるのは初めてらしく、ヒイロの指が身体に触れる度に顔を紅くさせ、やたら卑猥な表現ばかりするので、ヒイロも変な気持ちになりそうだった。
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「終わったかい?」
ノックも無くカルーアが入って来た
「…人の部屋に入る時はノックくらい、した方が良いと思うぞ?」
「いやね、長くやってるなぁ、と思ってね。それでドアの前まで来たら、アリス姉さんの甘い声が外まで漏れて来てさ。もしかして兄さん…小さい女の子に目覚めてしまったのかい?」
「ち、ちげーし」
かなり緊張しながらもなんとか、アリスの採寸は終わった。
「食事の用意が出来ましたの♪」
その時ちょうど食事の用意も終わったようだ。ヒイロたちはリビングに移動した
【リビングルーム】
テーブルには、ちゃんと料理された食事がズラリと並んでいた
「おお!サーシャ凄いな!よくあんな適当な備蓄の食材から、これだけ立派な食事を作れるもんだな♪」
「んふ、有難うございます♪さぁ遠慮なく食べてくださいね…ところでアリスお姉さまの方は上手く行きましたの?」
「それがね、兄さんがアリス姉さんで女の子に目覚めてたからビックリしたよ(笑)」
「ちょっと待てカルーア!わざわざ誤解を招く言い方をしないでくれよ」
カルーアは小悪魔の様に、悪戯好きな一面があるようだ
「そう言えば、精霊達はイタズラ好きなヤツが多いって、父親が言っていたが…精霊使いのカルーアも、その影響を受けているのか?」
まだまだお互いをよく知らない四人は、お互いを探り探り知ろうとしていた
「初めての経験だったわ♪これでアタシも一人前のレディになれたのかしら?」
「いや、そーじゃないぞ」
悪戯好きのカルーアに対して、アリスは大人の女性に憧れているようだ
「ムシャムシャ、ガツガツ…本当に美味しいぃ!サーシャったら料理の天才なのね!」
だが、その割には食事のマナーというか、食べ方は食欲旺盛のヤンチャ坊主みたいにガツガツと食べていた
「お兄さま、食事が終わったら買い物に行きたいのですけど…実は今回の分で食材を、かなり使い込んでしまいましたの。それに、この家には女の子が使える物がほとんどありませんの…」
「そうだな、生活用品とかが単純に四人分に増えたからな、それに女の子の生活に必要な物とか、アリスの採寸が済んだから防具に使う素材とか、今後のための食材とかを買いに行くか」
一番年下だが、生活面に関してはサーシャが一番しっかりしているようだ。色々と気配りしてくれるのが分かった。
「冒険者ギルドがあるんだよね?私たち三人分の登録をしておきたいな。兄さん一人の稼ぎだけに甘える訳にはいかないからね」
カルーアもイタズラ好きな一面もあるが、彼女なりに皆に気を使っているようだ。
「じゃあ…食事が終わったら、次はカルーアの採寸だな!」
「ちょ、ちょっと私はいいよ。武器防具は持ってきてるから…」
カルーアは自分も身体測定をされると聞いて、顔を真っ赤にしていた
「いやいや、今着てるのはだいぶ前のものだろう?少し小さいみたいだし、せっかくだからカルーアのも、作り直した方が良いな。」
「さっきの仕返しかい?…ちょっと、ヤラシイ目つきで近寄らないでよ!」
ヒイロはアリスの時に散々カルーアにからかわれた仕返しに、ワザと誇張して話をした
「じゃぁアリスお姉さま。私たちは食器の片付けをしましょうですの」
「分かったわ。カルーアも頑張ってねぇ♪」
「ちょっと助けてよ!ひっ!?だーかーらー、そんな目で近寄らないでってばぁ!」
ヒイロなりに嫌われない範囲で、円滑なコミュニケーションを取ろうと努力していた。多少は邪な考えも混じっているようだが…
こうして、お互いを知り協力し合うことから四人の同居生活は始まった
続く




