弄られる素質
…おはようカルーアだよ。今回は、わたしの主観で話を進めさせてもらうよ
昨夜のアリス姉さんはご機嫌だったんだ。偶然も重なったんだろうけど、遂にヒイロとの訓練で初勝利を得たらしいんだ
「豪華な食事でお祝いしてあげないといけませんの♪」
と、妹のサーシャは張り切って晩ご飯を作り、姉さんの好きな肉料理をメインに作ったから姉さんは、ご満悦だったね……まぁ、わたしも姉さんの好きなイチゴのパフェを作ってあげたんだけどさ///
食事を終えた姉さんは「お兄ちゃんと一緒にお風呂入って一緒に寝る!」って言い出したんだ、今まで姉妹全員兄さんと一緒に寝たけど、兄さんは紳士だから手を出してこなかった。だから、今夜も大丈夫だとは思うけど…
サーシャに「たぶん何も起きないよね?兄さんと姉さんなら」って聞いてみたんだけど……
「お兄さまが手を出されるのであれば、初めてはサーシャにして欲しいですの♪」
なんて言っている。まだ12歳なのに……なんて恐ろしい子。やっぱりサーシャは警戒した方が良さそうだね……
翌朝のこと、サーシャが今朝も1番に起きて朝食を作りに行こうとしたからわたしも起きて「兄さんと姉さんを起こしてくるよ」と言って兄さんの部屋に向かったんだ
「おっ、カルーア。俺は今から朝食前に昨日の続きをしたいから、アリスを起こして朝食の準備を手伝っておいてくれ」
あんまりにも兄さんが清々しく言ってきたものだから「うん、任せておいてよ♪」なんて安請け合いしたことを後で後悔したよ
【ヒイロの部屋】
兄さんの部屋は、わたし達の部屋と広さが同じくらいなんだ。ベッドの大きさも一緒。ただ、鍛冶師としての道具が少しあるくらいかな?それと……今朝は姉さんが大の字で寝ている
「おーい姉さん。間もなく朝食が出来るよ。そろそろ起きたらどうだい?」
「フゴガァァァ……」
姉さんは朝が弱いんだ。獣人族って朝が強そうなイメージがあったんだけど、姉さんは例外なのかな?
「ほーら、起きないと肉が食べられちゃうよ?ユサユサ……」
わたしは姉さんの肩と腰を掴み、軽く揺さぶって起こそうとしたんだ。
わたしは知っていたんだ。兄さんに勝った姉さんのために、今朝も肉多めの朝食を作っているサーシャを。そして、姉さんのために作っているソードを、朝食までに完成させようとしている兄さんを……しかし、そんな家族の温かい雰囲気に和んだのは間違いだったんだ……
「ゲシッ!!…ん!?ぬぉぉぉ…」
「うにゅ~、そのお肉もアタシが食べるからァ……」
どうやら夢の中で、肉を誰かに取られそうな夢でも見ているみたいだけど、わたしはお寝坊な姉さんの蹴りを食らわされたんだ。本当に痛くて数秒間、悶絶させられたよw
「さっさと起きろって言ってるでしょー!雷よ、お寝坊な姉さんを叩き起しちゃってぇ!バリバリバリ……」
「アビャビャビャビャビャビャ!?」
少し頭に来ちゃったから、少し強めに雷撃を放っちゃったよ。
【リビングで朝食】
予想通りサーシャは肉がメインで、いつもよりオカズの多い朝食を作ってたよ
「わぁ、お肉がいっぱいだぁ♪」
「良かったなアリス。サーシャにお礼言うんだぞ?」
「うん、ありがとうサーシャ♪」
姉さんはテーブルを挟んで兄さんの目の前の席に座ると、誰も取ったりしないのに凄い速さで食べ始めたよw
「ん~、お肉オカワリぃ!」
「はい。お待ちくださいですの♪」
姉さんの隣に座ったサーシャが、姉さんから手渡された皿を持ち肉料理を盛り付けに行った
「お待たせですの♪」
「ありがとうサーシャ。美味しいよぉ♪」
「良かったですの♪」
サーシャは手料理を本当に美味しそうに食べてもらえて、物凄く嬉しそうにしていた
「カルーア、俺の分もよそってきてくれないか?」
「うん、良いよ。待っててね」
兄さんの隣に座っていたわたしは、そう言って兄さんの皿を受け取り席を立とうとした時だった。事件は起きたんだ
「カルーアお姉さま!スカートが…」
「えっ!?やだ!」
わたしのスカートが椅子の角に引っかかり、こともあろうか兄さんの方にスカートの中身を見せる感じになっちゃったんだ///
「バッ!はぁはぁ、兄さん見た?」
兄さんの方向に向けてスカートが捲れてしまったから、見られたことを覚悟しつつも一応聞いたんだ
(見られちゃった!恥ずかしい///)
と思ったさ。けどヒイロからは意外な返事が来たんだ
「え?何かあったのか?…どうしたんだカルーア、スカートの端を抑えて?」
こともあろうか兄さんは、朝食を食べるのに夢中になっていて、真横でわたしのスカートが捲れたのを全く見ていなかったんだ
「白に水玉ですの♪」
「言うんじゃないよサーシャ!」
兄さんに見られずに済んだのに、なんのことか分かるようなヒントを敢えて口にするサーシャ。やっぱり用心しないとね……
「何が水玉なんだ?」
「..........................」
このナチュラルな返事。疑いようもなく兄さんは、わたしのスカートの中身を見なかったみたいだ……でも、冷静に考えてみると、それはそれで腹が立ったんだ
「んもう、知らないよバカ!」
「サーシャ、何をカルーアは怒ってるんだ?」
「クスクス♪カルーアお姉さまは難しい年頃なんですの(笑)」
おそらくサーシャは、わたしのパンツが見えていたに違いない。でも、わたしの真横に居た兄さんが本当に見ていなかったのが、おかしかったみたいだね
..........................
「ご馳走様でしたぁ♪」
「ご馳走さん。アリス、簡単だがアリスのソードを作ってあげたぞ」
「え!?本当ぅ?」
「もちろんだ。最初に採寸したアリスの指の長さとかをキッチリ取り入れたアリス専用のソードだ。それに、山脈で取れた貴重な鉱石も混ぜて作ったから強度は凄いぞ!」
「わーい、お兄ちゃん大好きぃ♪」
(兄さんも姉さんも、今朝も相変わらずだったね)
「サーシャ。一緒に後片付けしようか?」
「まぁ、手伝っていただけますの?ありがとうございます♪」
まだ軽く頭痛が残っているわたしは大事をとって、今日は魔法の訓練は休むことにしたから、サーシャの手伝いをすることにしたんだ。
「サーシャってさ、本当に嬉しそうに料理も後片付けもするのよね。たまには面倒くさい、とか思わないのかい?」
「そんなこと思いませんの。サーシャも必要としてくれる家族が居て、サーシャの料理を求めてくれる。それだけで十分幸せですの♪」
「ふーん、そうなんだ……」
なんて聖母のようなセリフを、アッサリと口に出す妹なんだろうか。わたしが毎日3食作ってたら、流石に「たまには手伝ってよ!」って口に出しそうだよ。
「それにしても…カルーアお姉さまって後片付けは手馴れてますのね。料理は苦手って言ってましたのに…」
「あー、義母さんと居た時は、料理は義母さんの趣味みたいなモノだったんだ。だから、わたしはあまり手伝えなかったんだ。その分、後片付けとお菓子作りだけは頑張ったんだよ」
わたしは人差し指を立てて、目の前で左右に振り「わたしだって多少は出来るんだよ」とアピールしてみた。
「アリスお姉さまや、お兄さまを気遣って甘い物を作ったり、怪我を気にしてくださって食器の片付けを手伝ってくれたり、カルーアお姉さまはお優しいですの♪」
なんだか初めてサーシャに褒められた気がした。まぁ、嬉しいけどさ///
「そりゃ、家族に喜んでもらいたいって気持ちくらい、わたしにだってあるからね///」
「ふふふ。カルーアお姉さまは、立派なお嫁さんになれそうですの♪」
「な、何を言ってるんだい、そんなにおだてたって何も出ないよ///」
「あらあら、本当の事ですの。でも、ヒイロお兄さまは渡したくありませんの……」
「な、な、ナニ言ってるんだいサーシャ!!前にも言ったけど、わたし達には、まだまだ早い話だろ?」
妹のサーシャはすぐに男女の関係に話を持って行こうとする節がある。悪い子では無いんだけど…少しエッちい話にオープン過ぎるのは困ったものだよ
「だって、サーシャは普通の人族ですけど、カルーアお姉さまは人々から注目されるエルフ族。サーシャには分が悪い気がしてますの」
「わたしは…あんまり好奇の目で見られるのは好きじゃないよ……」
「そうですね…サーシャも知らない人から、そんな目で見られるのは多分嫌だと思いますの」
「だったらさ……」
「でも、それでお兄さまにより好かれるのなら嬉しいですの」
本当に12歳なのかい、この子は?奴隷市場に居たからって、さすがにズバズバ言い過ぎな気がするよw
..........................
食器の後片付けが終わる頃だった
「カルーアお姉さま。その…髪を触らせてもらってもよろしいですか?」
「どうしたんだい?」
「いえ、今までの生活でシャンプーとか最安値の物ばかり使ってきましたので、カルーアお姉さまの綺麗な髪の毛が羨ましくて……」
(そうか、奴隷市場に居た頃はそんな贅沢な物は与えられなかったろうし、聞いてた話ではサーシャの義父は大雑把な人らしかったから、女らしいアイテムも用意されなかったんだろうな……)
「良いよ。痛めない程度なら、好きに触ってくれてもね」
「本当ですの?失礼しますね♪」
間髪を容れずにサーシャが手を伸ばしてきたよ。……スっと私の髪を指の隙間に通して、滑り落ちるように髪の感触を楽しみだしたんだ
「どうだい?」
「綺麗でツヤツヤですの!膝の下辺りまで垂れるほどの超ロングで、滑らかな触り心地…最高ですの♪」
「そ、そうかな?」
サーシャは、わたしの髪を弄りながら何か考えているみたいで、凄くウットリした顔をしていた
(あぁ!女性なら誰もが羨む美しい髪ですの♪その髪に覆われているような細い身体に、キメ細かな肌と幼くも均整の取れた顔立ち……更に!ツンデレ気質ながら、純情で恥ずかしがり屋さん……あぁ!サーシャが男性だったら、カルーアお姉さまを自分のモノにしたいですの!)
(何だろう?サーシャの目の中にハートマークが見えてきた気がするよ)
(あ!……待ってください……この際、同性とかそんなのどうでも良く思えてきましたの!)
「黙り込んじゃって、そんなにわたしの髪は綺麗なのかい?」
「えっ!?えぇ、お姉さんの髪は羨ましいくらい素晴らしいですの。本当に美しいですの❤︎」
(何だろう?少しずつ身の危険を感じてきてるのだけど……)
(あっ、危ない。あぶない!!キッチンに居ることを忘れて、カルーア姉さんに襲いかかろうとしましたの……)
「クンクン、スンスン。くはぁ♪凄く良い匂いですの♪」
(うへへ…気分が高揚してきましたの…)
「ちょっとサーシャ。大丈夫かい?」
サーシャの顔は怪しい笑みを浮かべていたから、身の危険を感じ始めたんだ…
「ほぅら、ここのくびれたライン。男性でなくてもサーシャもドキドキしてしまいますの❤︎」
「ひゃあぁぁ!何してんのさサーシャ!?」
サーシャが人差し指を、わたしのうなじにあててから、ゆっくりと下へなぞっていき、わたしの背中を撫でていき腰の所まで辿り着いたんだ
わたしは凄く恥ずかしくなったんだ。けど……
(そうですの!サーシャの腕力にものを言わせば、非力なカルーアお姉さまの身体を好きに弄れますの♪…ぐふふ)
「お姉さまの身体、じっくりタップリ弄らせて欲しいですの!!」
突然サーシャはケダモノのような行動を取り始めたんだ。
「ん~、なんて柔らかくて良い匂いのするお腹なんですの❤︎」
「ちょっと!?やめてよサーシャ///」
「やめて、やめても、やって良いのウチですの!ぐへへへ❤︎」
「良い加減にしてよね!!」
わたしは雷魔法を身に纏った。当然、わたしの生み出した魔法だから、わたしにはなんの影響もなかったんだけど……
「アビャビャビャビャビャビャ!?」
サーシャも、今朝の姉さんと同じような悲鳴をあげて、その場に倒れ込んでしまったよ
サーシャがあんな行動をしてくるなんて、全然予想出来なかった。わたしは…まだまだ甘かったみたいだね
やっぱりサーシャは、油断のならない妹だよw
続く




