表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインに悪役を押し付けられた悪役令嬢、追放エンド後にラスボスの悪役公爵さまに愛重めに囚われる  作者: 秋名はる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/55

媚薬の使い道

会場に戻っても、ロクサーヌさまがどこにも見当たらない。

 心配になって私室まで探しに戻ると、部屋のソファにロクサーヌさまが座っていた。


「ロクサーヌさま、先に戻られていたんですね?」


 先程のジゼルとのやり取りがあったので、何かあったのではと心配していた。

 彼の様子を見るに、まだ何事も起きていないようだとほっと息をつく。


 ふと彼の手元を見ると――ロクサーヌさまは、私が薬の生成に使う小瓶を握りしめてそれを眺めていた。瓶の中には怪しげな青紫色の液体が入っている。その色に、心当たりがあった。


「ロクサーヌさま、それは一体どこで?」


「今しがた、ジゼルが私のもとへやってきたのだ。どうやら、私にこの薬を盛ろうとしたらしい」


「ええっ! まさか、どうして?」


 ロクサーヌさまは、なみなみと薬液の入った小瓶を私の前に掲げてみせた。

 私は言葉に詰まってしまった。だって、私の記憶では、あれは屋敷でメイドのローザのために生成して渡したものだ。


 本気で意味がわからなかった。

 どうしてそれをロクサーヌさまが持っているの?


「ジゼルはこの薬を別の誰かからもらったと言っていたが、私はこの瓶に見覚えがある。きみが魔法薬を生成するときに使うものだろう」


(ぎくり……)


 この薬を生成したのが私だと、感づいているようだった。


「ど、どうして君が生成した薬をジゼルが持っていたのだ?」


「わ、私にも意味がわかりません。だって、この薬は……」


 何の罪もないのに、なぜか窮地に立たされて後退る。


「君がこの薬を調合して、私に毒を盛るようにしむけたのか?」


「ち、違います!」


 そもそもジゼルと私は今日が初対面だ。でも彼にしてみれば、私が生成した薬をジゼルが持っていたとなれば、私がそう仕向けたと思うのは当然かも知れない。

 ジリジリと袋小路に追い詰められていった。


「ジゼルに何度も聞いたが、彼女はこの薬にどんな効果があるのか口を割らなかった。しかし、君なら知っているのだろう? 君が自分で服用して確かめてみるんだな」


 ロクサーヌさまはにやりと笑ってそう言うと、私の喉元に薬の入った小瓶を押しつけた。


「ちょ、ちょっと待ってください……ゴボボボ」


(――飲んじゃった……。)


 私は絶望してその場にうずくまった。自分で調合した薬でも、薬は薬なので、誰が飲んでも効果は同様に訪れる。

 すぐに体が火照ってきて、視界がぼやけていくのがわかった。


「君に人を殺す技量など無いだろうから、毒薬というわけではないのだろう」


 解毒剤を調合しようとして、空になった瓶に手を伸ばす。しかしロクサーヌさまがそれを遮った。足がもつれて彼の方に寄りかかってしまう。そんな私を、彼は両手で抱きとめた。


 そのまま私は、彼の腕の中に沈み込んでしまった――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ