第75話 ダンジョンの町に向けて 7
早馬で魔女の森での出来事を知しった、へーべから来た冒険者と騎士の代表が俺達にキメラキマイラについての情報を伺いにきたのだ。
「顔が3つで獅子の身体に前足は山羊でもって鷹の翼か」
騎士は言う。
「正にキメラキマイラそのものだな」
俺は闘って解った事を伝えた。
「俺が思うに炎の攻撃は余り使え無い様子だった」
「どういう事だ」
「連続して射てないんじゃないかな」
「成る程、それが本当なら、打つ手は有りそうだな」
サカが言う。
「確かに、攻撃も連続して来なかった」
「つまり、キメラキマイラは何か造作をする時に隙が出来ると言う分けか」
「闘った感じそうだった」
翌日へーべ領都から騎士団一行と冒険者ギルドからギルドマスターを筆頭に数名の高ランク冒険者がやって来た。
村の村長宅にカイルに俺とサカが呼ばれ小さな応接室は大柄な男達で一杯であった。騎士団長(人間)とギルドマスター(豹の亜人)がソファに座り、村の村長が、対面に腰掛けていた。
騎士団長の前に通されると、カイルが膝を付いて挨拶をした。俺とサカもカイルの真似をして挨拶した。
「うん、ご苦労、君達がキメラキマイラと闘った事は聞いている、今回キメラキマイラの討伐に辺り君達にも協力願いたい」
「はっ、我々に出来る事は致します」
カイルは頭を下げて答えた。
「うむ、頼むぞカイル殿とお仲間もな」
俺達は騎士団と共に魔女の森に向かった。森の入口近くの小高い丘にテントを張り、前線基地として、明日から討伐開始と成った。
俺達はテントを一つ貰い、一応客人扱いされたので、夜営の見張りは無いのだ。
「イヤー快適だ!」
「何浮かれてんだ」
サカは呆れた顔を向けていた。
魔女の森を通る街道は約20km、森に入ると霧が立ち込めていた。零体の魔獣が出て来たが騎士達は聖水を掛けながら連携して零体の魔獣を、あっと言う間に倒した流石へーべの騎士団だ。先行する騎士達が戻って来たところ街道の中央辺りで行商の一団の亡骸が点在しているとの報告が届けられた。
恐らくバスクの町からの行商だろう、俺達が現場に付いた時、其処は正に地獄絵図のようだった。
「うう…此はヒドイ!」
馬車は仰向けに倒れ、牛馬の首が切断されていた、周りには行商人や護衛の冒険者だろう、死体が彼方此方に散らばっていた、まだ死んで2~3日だろう、もし俺達もあの時強硬に森を抜ける判断をしていたら、此処に転がっているのは俺達だっただろう。俺は手を当て拝んだ。
そんな惨状を見ていると、甲高い笛の音が森の奥から聴こえてきた。
ピィーー、ピィーー
獲物を見付けた合図だ!森の奥に行く獣道を進んで藪を鉈で切り開く騎士達の歩みは遅く、ぬかるんだ土に脚を取られる戦士達は深い森に苦戦していた。
「何をやっておる、早うせい!」
団長はもたつく騎士達に勝を入れた。
「申し訳ありません重装備が邪魔をして思う様に行軍出来ません」
「クッ、言い訳するな!それでもへーべの騎士か」
イラつく団長。
俺はサカに言った。
「行くか」
「ああ、そうだな」
森での行軍は俺達の方が得意である、森で暮らし森の戦士として育った俺達は先頭に行きナイフで藪を掻き分けて進行する。
「お前達やるな!」
先頭の騎士達が俺達の働きに思わず口にした。
鬱蒼と茂る森の木の上からキラーバット(コウモリの魔獣)が俺達に襲い掛かった。サカは槍を回して跳んで来るキラーバットの群れを粉砕した、騎士達も応戦する。辺りは薄暗く視界が悪い飛び回り攻撃を仕掛けて来るキラーバットは厄介だ!騎士達が槍を振るうが届かない、弓を射るが見方に当たりそうになり団長が勝を入れる。
「馬鹿者がー! 見方に当たるだろう!」
ギルドマスターが炎の魔法を放っち、キラーバットを瞬殺した。冒険者の1人が騎士団に聞こえるような大きな声で言った。
「お見事!流石ギルマスですな」
騎士団の団長は苦虫を噛み潰したような顔で見ていた。




