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第73話 ダンジョンの町に向けて 5

俺の見たキメラキマイラは獅子とヤギに鷹が重なりあった魔獣であった。


正直俺も実際に見るまで信じられなかった。昔タタカ村でキメラキマイラの絵を見せて貰ったのとは少し違う感じもするが、3匹の魔獣が合体したそれは英雄伝説に出てくるキメラキマイラそのものであった。


カイルの命令に従わない1人の商人が駄々をこねた。


「ちょっと待ってくれ、お前達はAランクだろう。キメラキマイラだか知らないが、倒せばいいんじゃないか」


「私はこの行商の安全を第一に考えている、もし荷や君達商人に何かあればどうするんだ」


行商のリーダーが割って入った。

「何を勝手な事を言っているんだ、此処はカイル殿に従うしかない」


行商達は揉めていた。


サカが俺の元にやって来て、俺にキメラキマイラがどんな感じだったか聞いてきた。


「ヤバイ奴だ、あれは化け物だ。正直俺は勝てる気がしないな」


俺は感じた事を答えた。


「そうか、そんなにか」


俺達が森の入口でもた付いていた所で、森から白い靄が此方に向かって漂って来た。馬車の牛馬達が何かに気付いて暴れ始めた。


そんな時、白い靄からキメラキマイラが姿を見せた。その瞬間皆が固まった、身体が動かないのだ。そんな中カイルがキメラキマイラの前に立ち攻撃態勢に入った。


「パック(オーク族の亜人)!皆を頼む」


「分かった!」


行商の連中はカイルの言葉を聞くと馬車を捨てて我先に逃げだした。


パックが指示を出す。


「命の惜しい奴は兎に角走って逃げろ!」


そんな中サカは盾で身体を守りながらカイルの方に向かった。


「サカ何する気だ!」


「何って、闘うのみだ!」


カイルは弓を構えキメラキマイラと対峙していた。


「小僧、やるんなら奴の足を狙え!」


「解った!」


あー、全くしょうがない、俺は腹をくくった。


「助太刀する!」


カイルは半笑いで頷いた。


「いいか、ドン!奴を引き付けろ!俺が攻撃する」


「解った!」


俺とサカはキメラキマイラに近付いて奴の気を反らす事に集中した。


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