第43話 A&Aカンパニー 2
鬼族の女は、1人掛けのソファにもたれ足を組みキセルを指で回しながら言った。
「で、」
リベリオは俺達が此処にきた経緯を軽く説明し、アタッシュケースをテーブルに置いて宝石類を見せた。
「ハッハッハッ、なる程、要はこの私にミダース商会に口利きしろて訳か、ええ」
「そんな口が悪いですよ、まあ簡単にはそう言う事に成るんですが。商品を観てください、それから考えて頂ければ」
そう言うとリベリオは宝石をベルベットの敷物の上に並べ、鬼族の女にルーペを手渡した。
鬼族の女はルーペで宝石を観て。
「うん、うん、わからん!」
わからんと言うと鬼族の女は大声で。
「プリシル!」
「ハイ!、ボスなんでしょうか」
「プリシル、アマンダを呼んで来てくれ」
「今…」
「今すぐだ、この、のろまがー!」
「ハイ、解りました」
プリシルは震え上がってその場を後にした。
「イヤー済まないね、あの子はグズなもんで」
俺達は苦笑いを浮かべるしかなかった。もし現代日本なら完全なパワハラ上司である。
俺は部屋の壁に貼られていた地図を見て。
「ボスさん、あそこの地図見させて貰っても言いですか」
「なんだ、坊主地図に興味が在るのか」
「ええ、今自分が何処にいるのか知りたくて」
「変なヤツだな、見るだけならいいぞ」
俺は地図に近付いて見た、なる程、アブンダンティアを中心に近い国々の地図であった、オレアス王国は此処で村が…なんと俺達の移動距離は200キロぐらいしか旅してないのか、北のジャ・フローはかなり大きな国だった。地図の下の方に女神暦1829年と書かれていた、今は何年だ? 俺は部屋を見渡した壁には、会社の許可証や賞状が飾られ、ボスの机に無造作に新聞らしい紙があった、そうかアブンダンティアには新聞が発行されているのか。此れで暦がわかる。俺が色々と考えている間にアマンダ(人間)が現れた。
「なんだい、年寄りを労ろうと思わないのかい」
「うるせい、くそババァー」
「全くアドリアーナ(鬼の亜人)あんたは、口の聞き方ってもんを知らないのかい」
「いいから、此処に座って此れをみな」
アマンダはアドリアーナからルーペを取り宝石を観て。
「ほへー、こりゃ中々の物だねー!」
「イヤー、解って貰えますか」
「アタイの死んだ旦那が若い頃宝石を売っていたからねー」
「作用で、ございますか、此方はアグリア産の貴重な宝石です」
「ほえー、アグリア産かえすごいねー!」
リベリオとアマンダ婆さんは宝石の話で盛り上がっていた。




