第40話 ペレセの町
翌朝、アグリアを出て街道を北に進む、アブンダンティアまでは3日の旅である。俺達の身分はリベリオの護衛を兼ねた従業員と言う事に成り、アブンダンティアには商売を兼ね、俺達は商人ギルドで商人登録を行いに来たと言う事になった。
旅の途中でもリベリオは、ご夫婦達の井戸端会議に割り込み商品を売り込む、大抵は買ってくれないが、リベリオは気にする事なく営業を続ける。
「駄目だったか」
「何、そんな事、気にしてると商売なんて出来ないぜ、それより大事な事は、顔を売ることだ」
街道を進んで行くと村が現れた、今日はこの村の宿で泊まる。
「なあ、ドンそのブーツちゃんと手入れした方がいいぞ」
「なんだよ突然に」
「いや、気になっち待ったからな、いいか服はボロでも構わないが、靴だけは小綺麗にしておけ、そうすりゃ何処に行っても恥を欠くことはない。まあ信用が大事だって事だ」
確かに俺のブーツはくたびれている、考えてみればインバーの町で買ってから半年以上、森や山そして今日までの旅で、傷んでいたブーツを布切れで磨いた。まだまだこいつには頑張って貰わないといけないのだ。
今回の旅は俺達にはとても楽な旅であった、夜は安宿を取って眠れるだけで違う、夜営での見張りをしなくても良いのだ。そしてベッドで寝れるだけで、こんなにも快適に旅が出来る事を知った。
アブンダンティアに向かうに連れて街道は人や馬車の往来が増え始めた。ネーレとアブンダンティアの国境の町ペレセにたどり着いのは日が傾き始めた頃だった。
ペレセはネーレでも大きな町で昔から交易で儲けた都市であるが、町の成り立ちは砦から始まって、その周りを宿屋が一件出来たのと同時に又一件、何時の間にか町に成った、雑多な町と言った感じであった。町に入る時に検問が無い、何処からが町の入口か解らないのだ。一応柵みたいのは在るのだが誰でも中に入れる感じだ。
「なあ、リベリオこの辺は魔獣は出ないのか」
「そうだな、ウルフぐらいかな。まあ人が多いので魔獣も寄って来ないらしいが、一番怖いのは人だ」
「なんだよそれは」
「何、泥棒や強盗に狙われるって事だな」
「なるほど」
「まあ、此処は交易品があつまる町だからな、用心してくれよ」
「ああ、解った」
「オラー!のけのけ!」
男が叫びながら走って来たてメルにぶつかり掛けた。咄嗟にサカがメルの手を引き、男を躱わした。
「チッ!おいチンタラ歩いてるんじゃないぞ!」
男は俺達に因縁を付けてきた。
「そっちがぶつかりに来たんだろ」
サカが男を睨みながらいった。
「なんだ!テメーやるって言うのか、おう!」
「掛かってこい!」
一触即発の空気になった、そんなとき衛兵が現れ。
「おい、お前達、何やってる!」
男は衛兵を見るや、人ゴミの中に消えていった。俺達は衛兵に因縁付けられた事を話した。
「そうか、アイツは当たり屋だ、まあ気を付けて下さい」
「いえ、助かりました」
俺達は衛兵にお礼を言って、その場を後にした。全く今リベリオと話してたばかりなのに、この町は危険なのだと俺達は改めて認識した。




