第39話 工房
俺達はリベリオとアブンダンティアに行く約束を交わし、翌日、リベリオが宝石を買い付ける工房に俺とミラミが一緒に向かう事になった。
「おう、おはようさん」
リベリオはやる気満々と言った感じて、宿まで迎えに来てくれた。工房は表の建物はボロ屋だが、中に入ると整然と埃一つ無い感じで、整理されていた。
「おう、リベリオお前よく此処に顔を出せたな、金は出来たのか」
「いや、アントニオ(熊の亜人)今日は飛びきりの儲かる話しがあるんだ」
「なに、オメー舐めてるのか、前の支払いが先だ、それ意外は受付ないぜ」
「そんな事言うなよ、なアミーゴ!」
「何がアミーゴだ、本当ぶっ跳ばすぞ!」
「まあ金の話しは後でだ、このリベリオ一世一代のチャンスなんだ、頼む話しだけでも聞いてくれ」
リベリオは土下座するかの様な勢いで親方に話しかけた。
「で、そいつらはなんだ」
「ああ、うちの新しい従業員だ」
俺とミラミは親方に挨拶した。
「そうかい、どう言ったいきさつが在るのか解らないが、まあ、ゆっくり見て行ってくれ。マーカス」
親方は弟子のマーカス(羊の亜人)を呼び俺達に工房での仕事を説明をまかせた。
「よろしくっす」
「ああ、此方こそ宜しくお願いします」
マーカスは宝石加工やこの町、アグリアの成り立ちを教えてくれた。アグリアは一昔前まで町の近くにある採掘場所で宝石の原石が取れて、それは凄い栄えた町だったらしい。今は採掘場所では極少量しか取れなくなり、町も廃れ掛かっているが、宝石や装飾品の加工ではネーレでは有名な町だと言う。
加工した宝石を見せて貰うが俺には良し悪しが解らなかったがミラミには解るみたいで。
「うわー、凄く綺麗ですね」
「お嬢さんわかるっすか」
「うん」
「こいつは親方が削り出した一品っすよ」
俺達がマーカスの説明を聞いてる間にリベリオは親方と話し付けたらしく此方に来た。
親方は俺の腰にあるナイフを見て。
「おお、あんちゃん腰のナイフ見せちゃ貰えないかい」
「ああ、これは借り物なんだ」
俺はディックから預かったナイフを親方に渡した。
「ほー、こりゃなかなかの技物だな、持ち手の柄のセンスも良いなあ、ありがとなあ」
親方はナイフを一通り見て俺に返してくれた。
「ところでドンくん、投資の件なんだが」
そう俺達はリベリオと約束していた、工房に来たのは、見学ではなく買い付けがメインである。確かにこの工房は良質な物を作っているのだろが俺には価値が解らなかった。
「ミラミどう思う」
「うん、私は買っても良いと思うよ」
そうミラミが言うと親方に別室の商談室に連れて行かれ、親方が数点の宝石を見せ、そしてミラミが数点選び値段交渉し、金貨5枚で買い取った。
「オメーさんらの商売が上手く行く事を願ってるぜ」
俺達は親方に挨拶して工房を後にした。その後宿に戻ってアブンダンティアまでの旅支度をした。




