第38話 リベリオ
農園を出て3日ようやくアグリアにたどり着いた。カーラは町にいる知り合いを呼びに行った間、俺達は町の外れの森で待っていた。暫くするとカーラが背の高い男を連れて現れた。
「ああ、紹介しよう、リベリオ(馬の亜人)だ」
第一印象は怪しい奴だ。足元の靴はピカピカなのにズボンの丈が短い。至る所にボロを縫い合わせた後があるコートを羽織り、薄い色の眼鏡のレンズから放たれる怪しさ、オイオイ大丈夫か?
リベリオは俺達を見るや。
「おう、挨拶は後だ、取り敢えず此処は寒すぎる。町まで行こう」
リベリオはガタガタと身体を震わせて歩いて行く。町の入口では門兵に賄賂を渡して。
「うちで働くため、田舎から出てきた、宜しく頼むぜ」
なに食わぬ顔で通り過ぎて行く、俺達も何も言われず町の中に入る事が出来た。リベリオは大通りから外れた道に進むと、辺りはスラム街になり、安そうな宿にたどり着いた。
「俺は此れから仕事が入ているんで、また後で来るわ!」
そう言いの残し、リベリオは去って行った。流石のサカも。
「カーラあいつ大丈夫なのか、まさか俺達を売り飛ばそうとは思って無いよな」
「ああ見えて、いい奴だぞ」
「本当なのか」
「たぶんな」
カーラは腕を組んで考えている。
俺達は此処に来て不安に成った。まあともあれ此処まで来て考えても仕方ない、リベリオと話しをした後で決めるとしよう。
夕方に成ってリベリオがやって来た、俺達は宿の食堂に集まり、挨拶を交わした。リベリオは宝石を扱う宝石商で、アグリアを中心に宝石を売り歩いているそうだ。
「で、お前達は何が出来るんだ」
「俺達は魔獣を狩ることが出来る」
「魔獣か、この辺は魔獣狩りでは、生活は難しいな、山の方に行かないとな」
「じゃ俺達が山で狩った魔獣をリベリオあんたが売るってのはどうだろう」
「うーん、それは悪く無いが、俺は宝石の事は解っても魔獣は余り詳しくは無いぜ、それに春に成らないと魔獣狩りでは生計を立てられないだろ、後1ヶ月間どうやって生活するのさ」
「それはそうだな、この町で何か仕事は無いのか」
「お前達、金はどれだけあるんだ?」
そんな時である。カーラが金の入った袋を取り出し、皆の前え見せた。
「金貨10枚ある」
ジャラ
「おー、カーラどうしたんだ、その金」
「ああ、村を出る前に長から預かった、お前達の逃走資金だ」
なんと、長め、俺達に冷たく出て行けと言って置きながら、金まで持たせてくれていたとは、俺は長に感謝した。
金を見た、リベリオは。
「どうだろう、俺に投資する気はないか」
「どう言う事だ」
リベリオ曰くこの金で宝石を買いそして売りに行く、しかも売り先はアブンダンティアなら高値で売れる。そう胸を張りながら力説した。
俺はアブンダンティアと聞いて、パスケースから一枚の名刺を取り出した。
「なあ、リベリオこの名刺の会社知ってるか」
リベリオは名刺を見る。
「A&Aカンパニー、知らないな、何の会社だ」
「確か、ミダース商会に依頼されてインバーの町で、何だったかな」
「おい、ミダース商会だって、間違い無いか!」
「ああ」
リベリオはミダース商会と聞くや興奮した様子で、ぶつぶつ言い始め。
「なあ、A&Aカンパニーと言う会社、俺に紹介してくれないか、頼むぜ!」
「いや、そう言われても、俺はそこの従業員のロッテと顔見知りなだけで、仕事のことは解らない」
「いや、それでも構わない頼む!」
リベリオは俺に向かって頭を下げ、懇願している。俺もロッテに会って今後の俺達の事を相談するのもアリだなと考えた。
「解ったが、責任は持たないぞ」
「ああ、勿論だ。感謝する」
リベリオの話しではミダース商会は世界でも名の知れた商会で、そこと取引出来れば世間からの信用度が高く成り商人としては是が非でも、取引がしいと言う事だ。




