第36話 逃亡2
何とか俺達は国境を越えネーレにやって来たのだ。全く土地勘も無く、この国の事も解らない。目下の懸念は、不法入国がばれないようにどうするかである。
もしこの国の衛兵や役人に捕まったら、恐らく俺達は何らかの刑罰を受けるのだろう、最悪は国に送り帰されて、俺達に待っているのは死刑か生涯奴隷だ。何とか身元がばれず済む方法を考えなくては成らない。
カーラはCランク以上の冒険者で身元保証がある。途中、村や町に立ち寄ったとしても怪しまれず入る事が可能だろう。
小さな村ならカーラに付いて行けば俺達も入る事は可能だろうが、ただ小さな村だと余所者が入ると目立ってしまう。町だと規模にも寄るだろうが身分書が無いと入れないどころか捕まったら意味がない。
取り敢えず俺達はアグリアから狩りに来て道に迷った冒険者パーティーと言う設定で旅をすることになった。
俺の予想だとアグリアに行くには5~7日は掛かるだろう、食料は何とか成りそうだ。
心配な事は、メルとミラミの事だ2人は村の見習い戦士ではあるが、長い行軍をしたことが無い、恐らく明日か明後日には体力的にきつくなりる可能性が高い、今は気が張っているがその時のフォローが大変だろう。俺はサカにそう言うとサカも同じ思いだったようで、俺達で2人を見守ることになった。
そんな感じで此れからの旅に向けて一通りの整理が整ったところで、カーラがディアを狩って戻ってきた。
「おー、流石カーラ頼りになる」
カーラは照れくさそうに笑っていた、此れで食料は余裕が出来た。
俺達はカーラが狩って来たディアをバラシ部位ごとに袋に詰め、作業に時間を取られた為、その日は近くの水場で夜営をすることにした。
夜の見張りは俺とサカそしてカーラの3人、交代で行うことになり、メルとミラミには休んで貰った。焚き火を前に濃いお茶を飲みながら俺は見張りをしていた、ミラミがあらわれ。
「お疲れ」
「どうした寝れないのか」
「目が覚めて」
「休める時は休んで置かないと明日から暫く大変だぞ」
「うん…此れからどうなるんだろうね」
「そうだなあ、最悪盗賊にでも成るしかないか」
「盗賊かあ、まさか自分が盗賊になるとは思いもしなかったな」
「いやいや、まだそうと決まった訳じゃない」
「フッフッ、本当だね」
そう言って微笑むミラミの笑顔に俺は癒された。




