第34話 逮捕状
村にたどり着いて5日、俺とサカは村の地下にある独房に押し込められていた。メルとミラミも何処かの部屋で軟禁状態であろう。
「お前達出ろ」
俺とサカは地下にある一室に連れて行かれた。
中に入ると、エルベルト隊長と長そしてジョルジュ隊長が座っていた。暫くすると部屋にメルとミラミが入ってきた。
神妙な面持ちのエルベルト隊長は。
「君達4人に王国から殺人容疑で逮捕状が出された」
え!どう言うことだ、俺達の今後に付いて何か言われると思っていた、逮捕状どうなっている、確かに俺は人を殺したが?
「どう言う事ですか」
「うん、疑問に思うのは無理もない、我々も戸惑っているが、事実、逮捕状が届いている」
「どうして俺達だと解ったんですか」
「君たちが逃がした者達の中にドン、君の名前を覚えていた者がいた」
そうかゴブリン族のドンと言えば直ぐ調は付く。
「運がわるいことに、君達が殺した相手は、貴族のご子息だ、私の言っている意味が理解出来るかな。つまり君達は死刑、運が良ければ生涯奴隷になると言う事だ」
死刑、生涯奴隷、俺は何を言われてるのか理解出来ないでいた。
サカが立ち上がり。
「俺のせいです。俺が誘って…」
バン!
ジョルジュ隊長は机を叩き。
「黙れサカ!貴様の軽卒な行いが招いた事はお前達だけでなくタタカ村の問題になった、お前は森の戦士失格だ」
そう言ってジョルジュ隊長は席を立ち部屋から出ていった。
サカは小刻みに震えながらうつむいて手の甲に涙を溢した。
長は腕を組み俺達を見渡して。
「今を持って、お前達を村から追放にする」
ミラミは肩を揺らし泣きながら。
「お母さんに会いたいです」
そうだミラミには家族がいる。
「せめてメルとミラミだけでも何とかなりませんか」
眉間にシワを寄せたエルベルト隊長は。
「ドン、王国の情報局の取り調べは厳しい、口を割る者が必ず出る、その時我々は彼女達を守れない」
何と言うことだ、この先どうすれば、俺の頭は真っ白になっていた。
ディック!
長が呼ぶ。
「こいつらをつまみ出せ!」
ディックは扉を開け俺達に促す。
「早くこい!」
俺達はディックに付いて行くと、俺達の装備品と荷物がまとめて置いてあり、そこで着替え村の隠し通路から表にでる、カーラが手招きしていた。
「ディックこれ…」
「喋るな、密偵がいるかもしれん」
俺達はドキッとした、通りで誰もあまり喋らない筈だ。
俺達は黙ったママ森の中を進んだ。北東の川まで来て、少し休憩する事になった。
「いいか、君達、これから山を越えネーレに向う」
「ネーレって国境を越えるのか」
「そうだ」
どうやら俺達は、以前ネーレからやって来た盗賊が使った山越えルートで国境を越えるらしい。その後カーラの知り合いがいるアグリアと言う町まで向かう。
ディックはナイフを翳して見ている、鞘に戻し。俺にナイフを渡し。
「ドン、お前に預ける」
「いいのか大事なナイフを」
「やるとは言ってないよ、必ず返してね」
「ああ、必ず、約束する」
ディックがいつも大事に持っていたナイフを預かった。
「僕は用事が出来たので此処でお別れだ、じゃな」
「ありがとう、ディック」
ディックは森の中に消えていった。




