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えっ⁉︎俺が地黄八幡⁉︎  作者: XxxpvqxxX
元服前
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9/9

9話

大永元年 1521年 11月 躑躅ヶ崎館


甲斐の統治を任されてしまった。

一応、叔父の福島助春や傅役の連中は此方でサポートしてくれるらしい。

やる事は沢山あるので、これには助かる。

信濃との国境付近にある若神子城の改修に、小山田氏の城の接収。加藤氏の上野原城の改修も時間をかけてもいいから行わなくてはならない。相模との国境線を守る城だ。

伊勢氏との関係が緊迫している今、疎かにはできない。

それに治水もだな。

富士川、釜無川、笛吹川の3つは急務だな。

笛吹川の治水は御勅使川との合流地点の竜王の高岩に堤防を築いて、両河川の流れをコントロールする。ニセアカシア等の直ぐ成長する木を植林しよう。又、用水路も多数引いて、出来るだけ流れを分散するようにしなくてはな。

富士川も基本は同じだな。狭い部分は開削して、

途中途中で川の流れを分散できるように川の流れを変えてやればいい。江戸時代に角倉了以が行った富士川水運の先取りだな。

あとは、鉱山開発と、日本住血吸虫の処理か。

小山田と穴山が甲斐から消えたおかげで甲斐内の大きな金山はうちの直轄でやっていける。既に穴山の所にいた鋳物師を雇う事は終わっている。

未だ南蛮人は日の本に着いてないおかげでどこの国も灰吹法すら知らない。

元々日本国内の鉱石から製錬された粗銅は金銀を含んでいたが、15世紀の日本にはこれを銅から分離する技術が無かったため、古くからこの技術をもつ明や技術が伝来していた李氏朝鮮といった大陸諸国の商人は日本から購入した粗銅から金や銀を取り出す事で差益を得ている。粗銅から金銀を取り出す精錬(合吹き、南蛮絞り、灰吹き)は、まず銅を鉛とともに溶かしてから徐々に冷却し、銅は固化するが鉛はまだ融解している温度に保つ。すると銅は次第に結晶化して純度の高い固体となって上層に浮かび、金銀を溶かし込んだ鉛が下層に沈む。この融解した状態の鉛を取り出して、骨灰の皿の上で空気を吹き付けることによって金銀を回収することが可能になるのが、灰吹法だ。

まぁ灰吹法の伝来が1533年だからな。うち以外でできる家は未だない。それにうちでは灰吹法ではなく南蛮吹きが行われてる。分離した後の鉛から金や、銀を回収できるのだ。当家の品が売れて銅塊が手に入れば、銅塊分と金や銀分で2重の意味で稼げる。貨銭の私鋳が出来れば、さらに効率がいい。金の価値が上がれば、金山を持つ当家はさらにウハウハだ。

日本住血吸虫はどうするか。

田んぼ内の貝から、繁殖するんだよな。その貝の血をダニが吸って、ダニから、人に移るんだったけかな。

殺貝剤なんてつくり方知らないからな。一つ一つ燃やしていかなきゃならない。百姓にも移動してもらわないとならない。遠江の治水で、耕作できる土地が増えているから、そっちに移動してもらったり、元遠江朝比奈や諸国人の領地なら土地がまだ余っているからそちらでもいいな。常備兵として雇用してもいいし、治水などを専門とする土木工事部隊を編成しても良い。

鉱山労働者もたくさん必要だし、人手はあればあるだけ欲しい。秩父からセメントと漆喰も取りたい。

甲斐は内乱中ではあったが武田の影響力が大きかったからな。新しく甲斐の顔になる巨大な城を築きたい。

甲斐盆地西部の八ヶ岳の岩屑流を釜無川と塩川が侵食して形成された七里岩台地辺りを考えている。躑躅ヶ崎館を比べると随分と北寄りだがそもそも甲斐を統一した後のことを考えると此処まで攻められた時点で終わりだ。今回の遠征でかなり国人も討ち取った。

日和見したゴミ共も現在掃討中だ。弱い国人は中々動けず周りの動向に支配されるのは理解できるが世の中そんなに甘くない。小山田信有が動いたため相模との国境付近にある上野原城の城主加藤信邦が動けなかったくらいで、他はあらかた滅ぼした。加藤氏だって動けなかったと言っても、重臣をと部下数名を寄越して重川での戦に参加している。10人足らずということもあって戦闘には参加できていないが、誠意は伝わってきた。そのため、本領安堵で上野原城をそのまま預けている。


あとは、食料問題か。

一部の日本住血吸虫の問題がある地帯では農業はできないからな。金さえ稼げれば食料は買えるのであまり問題ではないが救荒作物の、粟や稗、小麦にこの時代でも葡萄を作ってるところもあるからな。養蚕も行わないとな500年くらい前に昇仙峡の奥地金峰山で水晶の原石が発見されてから水晶を使った産業も甲斐では有名だからな。畿内や、明、琉球に持っていけば高く売れる。他にも織物だったり楮や三椏を使った和紙も有名だ。食料はこれらを売って他国から買い取るって形になるだろう。



甲斐を手に入れたことによって関東とも当家は接するようになったし、信濃とも接している。今後を考え駿河を経由せず遠江に行けるようにしたいから、信濃の諏訪と高遠氏、松尾小笠原氏を潰して天竜川一帯を手に入れたいな。諏訪大社下社神官、金刺興春の息子金刺昌春が当家にいる。金刺昌春は諏訪大社大祝諏訪頼満に萩倉の砦を落とされて甲斐に追放されていたのだ。元々、金刺興春は、諏訪大祝継満が、諏訪惣領家の満政と嫡子宮若丸等を諏訪大社上社の神殿に招き、饗応中に不意をついて謀殺し、祭政二権を得ようと画策した。これに呼応して下社で挙兵し、高島城(茶臼山城)を占領し、桑原・武津に放火して上社を攻めた。しかし 上社方の矢崎・千野・小坂・福島らと宮の腰で戦い金刺興春は討たれ、下社の社殿を焼かれるなど大敗を喫したのだ。大祝家と組んで勢力拡大しようとして、破れた。しかも暗殺という汚い真似をして。

正直、父親の諏訪惣領家当主諏訪満政と兄の宮若丸を殺されてる諏訪頼満に同情するわ。

まぁと言っても諏訪氏と高遠氏はこれで大義名分ができる。正直、自業自得であるとしか、思わないがなんの武力も影響力も持たない神輿だからな。

戦後に反乱しても簡単に潰せる。

小笠原氏は、現当主が小笠原長棟で、かなりのやり手で戦国好きなら聞いたことくらいあるだろう。信濃内で府中小笠原氏、松尾小笠原氏、鈴岡小笠原氏の3つの家を統一し戦国期で小笠原氏の最盛期を築いた人だ。と言っても統一するのは1531年で今から10年も先の話だ。

そんな輝かしい未来を史実では歩んでいた長棟だが、長棟は府中小笠原氏当主小笠原貞朝の側室の子で次男だった。長男は正妻の武田氏との子供で小笠原長高がいる。理由は知らないが貞朝は側室の海野氏との間に出来た長棟を寵愛した。結果、長高は廃嫡され長棟が府中小笠原氏を継いだというわけだ。

その廃嫡された、小笠原長高だが現在は当家に仕えている。廃嫡された後、尾張織田氏を頼り 尾張に赴いた長高は、「親と不和となる子を我が手に属すること叶うべからず」と織田家には受け入れられなかった。しかし、尾張領内に居住することは許されて、知多の名和という在所に居を構えたそうだ。その後、父貞朝の死去を聞いて、家督を襲わんと、家来を引き連れて深志に帰ったが、既に弟の長棟は城を固めていて、家督相続の件は叶わなかった。このとき長高の老臣が、肉親で争うことの否を説いたそうだが、小笠原氏が分裂しているのも昔、小笠原氏家当主であった小笠原長将が亡くなったあと家督を叔父の長秀と政康が奪い政康死後は政康の子、宗康が家督を継承したからだ。また、何処の大名でも家督争いは起きていると思い、常に気にかけていたらしい。

その後は三河、遠江の領主吉良氏を頼って、吉良氏に属したが、遠江が今川家に陥落したあとはその後、駿河守護である当家頼って、結局、長高は当家に仕えることになった。現在では、高天神城の詰城の馬伏塚城を預けられている。本人は乱波に監視させてみたところ野心はないようだが、長棟の事を深く憎んでいて復讐したいようだ。自分が当主になれなかったのも、長棟が愛想良く父親に振る舞いそう言ったことが逆に苦手であったためであるらしい。又、当家が実家である武田氏を滅ぼしたことも、母は既に自分が産まれてすぐに亡くなっている事や、自分の後ろ盾になってくれなかった事から好いていないようだ。

自分勝手ではあるが、気持ちはわかるな。出来のいい弟を持つとこう言った気分なんだろうね。

そう言えば俺にも先日弟が産まれた。出兵中に産まれたようで弁千代と名付けられた。弟っていうから北条綱房って思ったけど、生年がよくわからないんだよね。弟だけど1521年よりかは結構後に産まれてるらしいし。でも名前は弁千代だし。綱房なら、綱成を支えた優秀な重臣らしいし、俺としては助かるな。





はぁーそれにしても関東相手はどうしようか。

信濃に侵攻するなら海野氏は邪魔なんだよな。でもそうすると、山内上杉氏とぶつかるし。

正直関東は山内上杉氏も扇ケ谷上杉氏も伊勢氏も古河公方も小弓公方も全部潰したいんだよな。何処もかしこも残しておくと邪魔なんだもん。先ずは、諏訪氏と高遠氏、松尾小笠原氏を潰して天竜川一帯を支配してからかな。諏訪郡と伊奈郡を抑えれば筑摩郡の木曽氏やその他の勢力もなかなか手出しができないだろうし。そもそも一国を既に支配しているうちとは国力が全然違う。経済力を考えると細川高国と細川晴元、大内義興に尼子経久くらいだろう。農繁期に攻め込めば正直負けることはないだろう。石高では負けるが経済力では勝てるからな。


海野氏を潰すのはその後だな。

海ノ口城を落とすのは簡単だ。

やり方は武田晴信がやったようにやればいいだけだからな。まず、一当てして落とせれば重畳。落とせなければ、軍を解散した後に奇襲すれば良い。武田晴信と同じだ。

その後、大井氏を潰す。


長尾氏と高梨氏へは友誼を通じておきたい。

誰か人を派遣するか。

あー。最近やっと雇用できた彼奴を送るか。




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