浮気は許しません 前編
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それから私は必死に魔術について勉強した。
もちろん、お父さまとの魔力のコントロールの練習も欠かさない。
そんな日々が1ヶ月ほど経った頃だろうか。
お父さまからコントロールの練習はもう卒業して、次の段階に進むよう言われた。
次の段階というのが、自分の魔力を具現化し、それを丸い形に集約するというものだ。
これは一般的な魔術師でできる者は少なく、上位魔術師になる為に必至なものらしい。
お父さまは私をどうしたいのだろう。
「もちろん、次期当主だよ」
その疑問をぶつけた時の答えがこれだった。
次期当主!?えっと、私、別にそんなものに興味ないんですけど……
普通に推し活しながら生きて行ければそれで十分なんだけどなぁ。
そう答える訳にもいかず、
「次期当主は私には荷が重いです」
そう返すと、
「大丈夫だよ。シェリーも知ってると思うけど、この国は女性当主を認めている。シェリーの魔力量なら次期公爵としても誰も文句は言わないだろう。そして、女性当主は結婚しなくても大丈夫なんだ。だから、お父さま達とずっと一緒にいられるんだよ?」
そう答えてきた。
お父さま、自分の願望入りすぎでは?
そう思いながらも、結婚しなくても大丈夫って。一生推し活できるってことじゃない!
年老いていきながらもお互いを支え合い、時には喧嘩もするだろう。それでも仲睦まじく支え合って生きていく。そんな推しカプを間近で一生見ていられるって、控えめに言って最高!
「私、当主になります」
少し食い気味にお父さまに答えると、お父さまは凄くご機嫌で、お母さまはどこか不安気にしていたが、そんなもの目に入っていなかった。
一生推し活!このパワーワードに叶うものなどなかった。
それから数日後お父さまが急に変な事を言い出した。
「シェリー、シャルこれからお父さまは1週間ほど家に帰らないが心配しないでくれ。どこに居ても君たちの事を想っている」
と謎の言葉を言い残し、その場から消えた。
と思ったら、
「シェリーは訓練を疎かにしないように。いいね」
と、言い残し今度こそ去っていく。
「お母さまはご存知で?」
「いえ、私も今、聞いたわ」
と、二人で顔を合わせ、お互い不思議そうな顔をしてしまう。
「お父さまがああ言っているのだから私たちは黙って待ちましょう」
お母さまの言葉にあ、何か聞き覚えあるぞ。私はそう思い、次の瞬間思い出す。
「あーーー!」
突然の大声にお母さまが驚き、心配しながら
「どうしたの?シェリー」
と聞いてくる。
いや、どうしたもこうしたもないだろう。これってお父さまが小説の中で悪女アンネローゼに会いに行く時に言っていた言葉によく似ているではないか!
なぜお母さまは気づかない?
もう、過去のものとして整理が付いているのか?
恐らくそうだろう。
でも、もしもという事も有り得る。
私は段々イライラしてきた。
お父さま、お母さまという人がありながらまた浮気?絶対許さない!
私の怒りは頂点に達していた。
本当に遅れてですが、ブクマや評価ありがとうございます!
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