シェリア トラビス5歳 後編
後編になります。
前編を読んでいらっしゃない方は是非前編も読んで頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。
お父様の私を外に出させない事に関する徹底ぶりは凄まじい。
1日中家庭教師を呼び、淑女教育から始まり語学の勉強。バイオリンの勉強にピアノの勉強。語学も母国語だけでなく、周辺諸国の勉強もさせられている。その上、当主教育もそろそろ始めようと私に空き時間が出来ないように徹底して勉強という名の予定を詰め込んでいる。
空いた時間はお母さまが公爵家の仕事で忙しい事もあり、私は本ばかり読んでいる。友達は本というなんとも悲しい生活を送っているわけだ。
こういう生活を物心ついた頃からやっているような気すらしている。いや、方法は違えど何かしらやらされている。本能がそう伝える。
見た目はお母さまに似ているが中身はお父様によく似ているのだ。何となくお父さまの考えが分かってしまう。
そのせいか考え方や行動が妙に大人びている、神童なのではないかと周囲からは見られているのだが、私は他の同世代の子を知らない為、余計にそうなのか気になっていたのだ。
そんな生活の中、お母さまからのお茶の誘いが私にとってはお母さまを独占出来るご褒美で嬉しくてたまらなかった。
いつもお父さまも一緒で、私へのスキンシップがとにかく異常なのだ。そのせいでお母さまに甘えられず、悔しい想いをする事も。
なので、そこに何が用意させているかなど、ささいな事だ。
今日は有名なケーキ!当たりの日だ!と喜ぶのも束の間、買ってきたのがお父様というのが明らかな私へのご機嫌取りという事が分かり、面白くない。
今度は何をやったんだろう。そんな一抹の不安が私を襲う。
どこの家でもこうなのだろうか?そういう事も聞きたくて同世代の子達と話したいのだ。
メイドに聞いても「愛されてるんですよ」と言われるばかり。主人の悪口なんて子供相手だとしても言えるわけが無い。
真実は同世代の子からしか聞けないのだ。何故か私はそう固く信じていた。
しかし、せっかくの人気のケーキと大好きなお母さまとの2人の時間を1秒たりとも無駄にする訳にはいかない。
私は大きく息を吸ってお母さまに早く行こう!と手を取り足早に席に着く。
お父さまがお城に仕事に行っている時間って最高!お母さまを独り占めできるし、必要以上にベタベタされる事もない。
そう考えながらケーキに手を伸ばそうとした時に激しい頭痛に襲われる。あまりの痛さに私は泣き出し、そのまま倒れ込んでしまった。
次回、前世の記憶を取り戻します。
できるだけ早くあげたいと思っているので、よろしくお願いします。




