最悪な出会い 前編
いよいよ、伯爵家到着です。
読んで頂けると嬉しいです。
伯爵家に着いた私達は玄関でおじいさまを初め、沢山の使用人達に出迎えられる。
こんな経験など無かった私は、迎えられる側ってこんなに緊張するものなんだ。とドキドキしていた。
お父さまもさっき緊張していたみたいだし、大丈夫かしらとチラリと目線を送ると、ニコニコとした笑顔が返ってくる。
気のせいだったのかな?私はそう思い直し、お父さまとお母さまに両手を握られ、真ん中に立つという状態でおじい様と対面する。
こうして見ると、分かってはいたが、やはりどことなくお母さまに似ている。お母さまが男だったらこんな感じなのかな?と思いながら見つめていると、
「シェリア、久しぶりに会ったからとそう見つめられてはおじいさまも困ってしまうよ」
と、言われてしまう。
そういえば、公爵家で会っていた時も、お父さまの目がちょっと怖かったような気もする。
まさか、身内に嫉妬するとは普通思わないが、相手はお父さまだ。大いに有り得るが、苦言を言ったり、会話の邪魔をしたりということはなかった。
そして、何故かおじいさまも緊張している様子だ。小説や家に来た感じではおじいさまが緊張するような事はないような気もするのだが、うーん.........
分からない物は考えないようにしよう。
それよりも、普通に考えたら、次に案内されるのは応接間だ。
お父さまが婚約の話をし、お母さまが出ていった際は、土下座しておじいさまに許しをこい、居場所を聞き出すという聖地の1つだ。
私の予想通り、私達は応接間に案内される。
そこでお父さま達には紅茶を、私にはマシュマロの入ったココアを出される。
おじいさま、私の好物知っていたんだ。と、驚きながらも、私はゆっくりココアを飲む。
その間、お父さま達は何か話していたが、聖地に来た喜びと、ココアの美味しさで私は何も聞いていなかった。
しばらくすると、使用人が呼ばれ、私を滞在する部屋に連れて行くよう指示される。
「滞在している間、シェリアの世話をするメイドだ。優秀な子を選んでおいたから安心してくれ」
と、おじい様から告げられる。
お父さまとお母さまはまだおじいさまと話があるようで、私だけがそのメイドに連れられ部屋を出る。
滞在する部屋には既に荷物などは用意されており、その部屋に着くと世話係のメイドが部屋の説明を淡々とする。
やはり、お母さまの実家であり、なおかつ私の世話係になるくらいだから優秀だなぁと感心する。
「それでは、何かございましたらそこのベルでお呼びください」
そう言って音も立てずに去っていく姿に、あの子、公爵家でもやっていけそうだわ。などとどうでもいい事を考えてしまった。
こうして1人になった私は当初の目的である聖地巡礼に繰り出す事にした。
もちろん、付き人なんて連れて行くはずもない。私の痴態を見せる訳にはいかない。
連れていけば、私の痴態を披露するのは確実だ。それは流石に恥ずかしい。私だってその辺の羞恥心は持ち合わせている。
まずは、最大の聖地、温室ね!と、私はウキウキしながら温室のある庭園へ向かう。
走り出したくなる衝動を抑えながら足早に温室へ向かう。
どこに何があるかは小説の中で語られていた事と、内装など、どことなく公爵家を感じる作りになっており、お母さまがどちらも手がけてるはずだから似ていて当然かも思う。
おばあ様はお母さまが小さい頃に亡くなっている。その辺の詳しい描写は小説にはなく、恐らく病気だと推測している。
温室に着いた私がまず向かった場所はやはり、お父さまがお母さまに愛の告白をし、2人が結ばれるテーブルの付近だった。
その後、テーブルを使って.........って何思い出してんのよ!と、
煩悩を紛らわせる為机に頭を打ち付ける。何度も心頭滅却すれば火もまた涼し!心の中で叫びながら。
無だ。無になるのだ!
すると、誰も居ないはずの温室からアハハハハと笑い声が聞こえてきた。
その言葉で我にかえった私は、声の方向を思わず見てしまう。
すると、そこには思いもかけない人物が居た。
青みがかった銀髪に色素の薄い肌。そして、目は金色に近い琥珀色をしていた。歳の頃は私より少し上くらいだろう。
これって、王家の人間の人間の特徴じゃない!と、小説に出てきた設定を速効で思い出し、ど、どうしよう。そう思っていると、
「あれ?もう頭ぶつけなくて大丈夫?」
とちょっとバカにしたような声が聞こえてきた。子供ながらに自信に満ちている声にやはり王家の人間だな思わせる。と同時に恥ずかしさでいっぱいだ。
なんでここに王族が居るの?という疑問よりさきにエロい考えから正気に戻る為に頭をぶつけていただけに、いたたままれず、私は腰をおり深々と頭を下げ、よし逃げるぞ。と、小走りに逃げていった。
シェリアと王子の出会い。
この出会い、王子目線でも書く予定なのでよろしくお願いします。
後編も読んで頂けると嬉しいです。




