いざ伯爵家へ 前編
シェリアが初めて公爵家の敷地内から出ることに。
いつものように前後編になります。
よろしくお願いします。
そして、その日は意外とすぐにやってきた。
お父さまの気が変わらないかハラハラしていたのだが、そんな事は無く、私は今、お父さまに抱き抱えられて公爵家の紋章が付いていない馬車に乗っている。
何故そんな事をしているかなど、外に出られた嬉しさと、おば様こと、アシュリー様にも会える喜びからすぐに頭から消える。
しかも、お母さまの実家といえば、聖地が沢山存在しており、そこを巡るのも楽しみだ。
アシュリー様はお母さまの婚約話が再び出た時、お母さまを取られたくない、また解消されて傷ついて欲しくない。そんな一心でお父さまとの仲を引き裂こうと画策するが、残念な頭の持ち主だった為、ことごとくお父さまにかわされ、癇癪を起こしてはお母さまにたしなめられていたのだ。
お母さま至上主義と言っても過言では無いくらいお母さまへの愛が凄まじく、そして、その表現方法が面白く、1周回って様付けするほど好きになっていた。
お父さまとの言い合いでは、必ず負けるのだが、負けようが引き下がること無く「私はお姉様と血が繋がっているの。貴方はしょせん他人でしょ?」と、分かりきった事を言い出し、「その事が私達の婚約に何か問題でも?」とお父さまに冷たく言い放たれても、負けじと謎理論を繰り広げる様は流石、アシュリー様(笑)となったものだ。
その度にお父さまからは頭がおかしい女と冷たい目で見られるが、気にしない鋼のメンタルの持ち主でもある。
そんなアシュリー様に心底惚れぬき、求婚し、断られ続けていたのが今彼女の夫であるクルーゼル小侯爵だった。
お父さまの中の小侯爵の評価は、あんな頭のおかしな女が趣味とは、変わった男だ。人となりはきちんとしているだけに、女の趣味の悪さは残念だな。だった。
他人の女の趣味をとやかく言うのは野暮だし、本当に好きなら自分の力で手に入れるべきだと考えていた為、面識はあったが、特段何も協力しなかった。
今のお父さまなら確実にそうなるよう、手を回したはずだ。
出会った頃のお母さまにお父さまは愛情など持っていなかったのだ。
早く求婚を受け入れ、婚約して結婚して俺達と関わらないで貰いたい。という思いはあったが、下手に関わって煩わしい思いをするのもごめんだし、恨み言を言われ続けるのも面倒だ。
だから、関わらない。
この考え方からもお母さまへの愛情は感じられず、自分の事が優先という性格を表していた。
まあ、貴族同士の結婚なんて初めはそんなものでしょ?と私も思ったものだ。
その後、お母さまの結婚の日取りが決まると、「お姉さまとの合同結婚式なら婚約も受けるわ」とまたとち狂ったことを言い出し、周りを呆れさたのだ。流石です!
合同結婚式とはならなかったが、同じ月に結婚するという条件でアシュリー達の婚約が決まった。
伯爵家へとかいいながらおば様事、アシュリーの紹介回となっております。
アシュリーも登場予定です。
その活躍を楽しみにしてもらえると嬉しいです。
後半も読んで頂けると嬉しいです。




