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143.いつもの放課後

ホームルームを終えて、生徒たちは下校を始める頃。今日は、生徒会の仕事も特にないためアリサとマオも一緒に下校しようとしていた。


「球技大会も終わったし、次あるのは委員会の活動報告会と、その次は……部活動の応援会か」


靴箱に向かいながら、自然と生徒会の活動の話をするマオ。


「活動報告会の方はそんなに準備することないけど、応援会の方は、先に色々手配してた方がいいね」

「だよね、あれは去年も盛り上がってたし。先輩たちも超気合い入ってたから」

「あっ、でも生徒会の人数増やすためにも私たちも活動報告会は頑張らないと」

「うん、青山くんたちに任せてるけど大丈夫かな」


生徒会長と副会長の二人は、学校のことに全力を注ぐ。その姿勢は、学校開校以来と言われているほど熱意に溢れている。


「ふふっ、結構張り切ってるみたいだから大丈夫じゃない?」

「張り切ってるから不安なんだけど……」


マオが苦笑いしながら頬を掻く。アリサは小さく微笑んでそれに答えた。


「マオが挨拶するだけでも、結構集まりそうな気がするけどね」

「いやいや、何言ってるの。私が出たってあたふたしちゃうだけで、頼りない生徒会長って思われて入る人減っちゃうよ」


マオは大袈裟に大きく手を振って、否定する。その拍子に、制服の胸ポケットに入れていたメモ帳を地面に落としてしまった。


「てゆーか、アリサが出た方が、生徒会ってかっこいい!ってなって、集まると思うよ」


アリサはしゃがんで拾いながら、アリサに真っ直ぐにぶつける。


「そんなことはないと思うけど。まぁ、青山くん達のプランによってはしっかりと……あっ……」


アリサは何かを見つけて、言葉を言い切らずに止まった。マオがアリサの視線の先を見ると、並んで下校している、ナギとサツキの姿があった。


「ナギちゃん達がどうかしたの?」

「ううん、別に……」


アリサは言葉を濁した。この間、路地の裏から現れた二人のことが少しだけ気になっていた。

転勤の名のもとに急に現れた二人に、何か変なことへと巻き込まれていないか。もちろん、プライベートなことにまで言及するのは生徒会の役目からは逸脱しているので深く追及はしないが、心配をしていた。


「何かあるんだったら、今度四人でお昼とか食べる? あの二人なら、誘えると思う」

「……うん、いいね」

「わかった、今度昼休み前に行ってみよう」


マオは楽しそうに笑ってみせる。マオは純粋に二人とお昼を食べるのはにぎやかで楽しそうだと考えていた。



「おーい。雪村、五十嵐」


振り返ると、息を切らせながら青山が二人の元に駆け寄ってきた。


「どうしたの、青山くん? そんなに慌てて」

「いやぁ、ちょっとトラブル。委員会の報告会の日、体育館の空調工事入るから使えないかもだって」

「えっ、じゃあどうするの?」


マオが驚き目を丸くする。


「翌週に移動するか、リモートにするか、放送だけにするかとか……とにかく、まだ決まってない」

「それは、早めに決めておかないと困るよね」


アリサが顎に手を当てながら、冷静に分析し呟く。


「とりあえず、いるメンバーで話して方向性を決めてから先生達に相談に行こう」

「了解。俺は先生徒会室に戻ってんな」

「うん。……あっ、マオは今日は大丈夫?」


アリサがハッとしてマオに聞く。つい自分一人で色々と答えを出して効率良い答えを出してしまっていた。


「もちろん。トラブル解決は、生徒会の役目だから」


得意げに胸を張るが、口元に長い髪があたり、なんだか締まらない感じになってしまった。


「ふふっ、じゃあ行こっか」

「うん。青山くんが考えてる生徒会の報告会の内容も聞いといた方がいいかもね」

「確かに。変な寸劇とかだったら嫌だもんね」

「それはそれでちょっと面白そうだけど」


二人は笑いながら、少し駆け足で生徒会へと向かうのだった。

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