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第一次緊急作戦会議〜どんどんどんぱぁふぱぁふ(肉音)
はい、今回の会議の司会を仕ります葛木と申します。
議題は死亡フラグの破壊。
より詳しく言えば魔法が使えない事で生じる問題の解決です。
姫様だから魔法使う機会無いんじゃね?と思う方も多いと思いますが、半年後に入学する軍事学校では魔法は必須科目でして、はい。
幾ら司令科とは言え必須科目でしてある以上魔法を使える様に成らなければ成らないわけですよはい。
あ、因みに。
幼女みたいに複数の魔法を操れる人間ってのは其れなりに存在する。らしい。
ただ、其れは殆どが一点特化のスペシャリスト。
他の属性は魔術門からの変換が上手く行かずに作業中消滅以前の問題。
つまり、ヴィオラさんの幻、邪属性のカンストは異常でしかない。
せめて、他1つだけでも別の物だったら、他は無かった事にして貰えたんだけどね。
畜生め。
まあ、愚痴はさて置き。
「姫様。何かご質問は有りますか?」
頭の弱い議員が劇の主人公である訳ですから、劇の内容を1番に把握しなければ成らない訳で。
彼女に理解が追い付く様に説明してる訳ですよはい。
議会と言う名の誘導だね。
完全に人形と化してますよ姫様。
我が道を突き進まれるのも困るけど、ちったぁ自分で考えれる様になって欲しいかな。
「そもそもなんでこんなことするの?」
そこからか!!
「……御確認します。姫様が幻や邪属性の素質を有している事は御理解していますが、御家族が火属性の使い手で有ります。」
「うん。お兄様たちは学校でゆうしゅうって聞いたから。」
あー、そんな事侍女が言ってたな。
畜生。ヴィオラも火のエキスパートだったらどれだけ楽だった事か。
まあ、僻んだ所で得られないモノは放って置いてだな。
「では、魔術門の属性と素質、魔力の貯蔵量は如何やって決まるのでしょう?」
「えっと…両親のを遺伝して。で良かったか…な?」
うん正解。
極々稀に突然変異で全く関係のない子が生まれるらしいが、確率的には100年に1人とかだった気がする。
何で砂漠に落ちてた呪いの石を拾わなきゃならねぇんだよこん畜生。
いや、だが待てよ?
正式には正妻である母親は火属性となっているが、実は2つの負属性で、ヴィオラ出産後直ぐに幽閉…
幾ら時代が時代だからって、出産した後に直ぐに病死とかシリアス先輩の十八番展開も頷ける。
あ、其れだとヴィオラを放置はおかしいな。
だが、可能性は無きにしも非ず。
ヤベェな、とんでもない世界に足突っ込んだかも。
き、気を取り直して。
「では皇帝陛下、帝妃様共に火属性で姫様の様な属性は…」
「生まれない…よね?どどど、どうしよう!」
「更に付け加えれば、姫様の属性は入学の段階で調べられると共に授業は勿論、卒業後の祝辞でも必須となります。」
今の、未来の必須科目でっせ。
俺が当事者なら諦めてる。
うん、自信ある。
しかーし。
「大丈夫です、姫様。私に策が御座います。」
「え?本当?!」
客観的に、冷静になって考えれば良い方法が有るんだよ。
ふふふ、崇めたまへ祀りたまへ!!
「では、明日の魔法の授業は私の指示通りに。」
ふふふ。
上手く行けば、ヴィオラは最強になれるね。
『では姫様、本日も宜しくお願い致します。』
『はい、宜しくお願いします。』
ニコリと笑う叔母ちゃんを横目に、本日も退出をして行く侍女の皆様。
はいはい何か有りましたらベルで呼びますってあっち行け今直ぐ出てけ。
バタン
『で、ででで、では。如何致しましょう?』
演技ウメェなこの叔母ちゃん!?
さっきまでの余裕ある笑みと違い過ぎてビックリだよ!!
まあ、叔母ちゃん呼ばれたは良いけど教える事無いもんね。
だって専門外だもん。
だからって授業をせずにのほほんとお茶飲んでる訳にもいかず。
『まずは…先生の魔法をぜひとも見てみたいです。』
『分かりました。では簡単にですが。』
徐に立ち上がる叔母ちゃん。
目を閉じ、深く深呼吸をして精神面を安定させている。
そして顔を上げると同時に刮目。
すると、
『おぉ!』
叔母ちゃんの背中には、炎でできた真紅の翼が燃え盛っている。
ほーん、此れが俗に言う魔術門解放状態か。
俺の厨二病が疼くな。
ってのは今はどうでも良くてだな。
黒電話黒電話と、
「真似できそうですか?」
『やってみる。』
気合は十分なご様子。
まあ、できなかったら死だから頑張って貰わなきゃね。
『ん〜〜〜…』
目を瞑っている為視界は真っ暗、と思ったら。
「え?何何何?!」
空想世界の空。
機械仕掛けの太陽と月が音を立てて回転。
ぐるぐると回りながら中心に大きな穴を開いて行く。
その向こうからは光の魚がうようよと漂っている。
へ、へぇ…まさか、あれが魔術門だとは思わなかったな。
そして、多分あの光の魚が魔力だと思う。
この世界すげぇな。
と、思ったらモニターの視界が元に戻った様だ。
目の前には驚愕する叔母ちゃんの顔。
俺も見たい見たい。
「姫様、鏡を。」
『うん。どうだ!』
全身鏡の前に移動した幼女。
其処にはドヤ顔で佇む見慣れた顔の上。まるで魔王の如く闇の王冠が浮かんでおり、後ろからは黒い光線が走る漆黒の翼。足元では自己主張の激しい不気味な光線が扇風機に付いた紙紐の様にウヨウヨと踊っている。
因みに、此れ等は訳されて「冠」「翼」「靴」って呼ばれてます。
真似できてねぇじゃん。
「姫様。」
『なぁに?』
あ〜いや、俺の説明が悪かったのもあるけどさ。
最初から議題はしてなかったけどさ。
全く理解してないとは思わなかった。
「今見える冠、翼、靴の上から、幻術で先生と同じ様な色で囲ってください。」
そう、俺がやらせたいのは幻術で火属性を使える様に見せる事。
当然、使う炎魔法も幻術で騙した別の魔法。
ぬふふ、上手く行けば最強と言ったのはこう言う事なのだよ。
幻術と言う騙す事に特化した魔法だが、勿論見破られたり魔力の保有量が覆い相手に対しては無意味。
その点ヴィオラは皇族と言う絶対的権力を有する地位を持っており、余計な詮索はされ辛く、かつ火属性のエキスパートと言う思い込みも起こしやすい。
流石に幻痛迄は無理だけど、五感の一つでもある痛覚の偽装などで工夫すれば、2つの負属性のディスアドも返しやすい。
まあ、勿論欠点だらけなんだけどね。
『これで?』
「ドヤ?」と言いたげな表情で鏡の前で仁王立ち。
正面はオッケ。じゃあ裏は?
「振り向いて下さい。」
『はーい。』
うん、まあ良いでしょう。
これでパッと見で処刑は無いだろう。
然し、案外上手く行くもんだね。
『あっ。』
ふしゅん
ん?
考え事を辞めてモニターを見る。
すると、鏡の向こうには間抜けな顔で立ち尽くしてる幼女の姿が。
『べ、別に自分で止めたわけじゃなくて…その…』
まだ聞いてねぇよ。
然し、魔法には時間制限が…あ。
ふと見上げれば大空。
其処には魚が1匹も遊泳しておらず、雲とその向こうの魔術門が有るのみ。
これはあれか。
燃費悪っ!?
まあ、常時幻術使ってるもんなのか。
と納得するしかない俺でしたとさ。




