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ハリボテの姫  作者: 高飛車
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05

会話が有るのでスクロールの長さ程量はないです

こっちの世界も暇なもんだね。

やる事って言ったら著.ヴィオラの本を読むか、ソファでのんびりしながら幼女の私生活観察しかない。




…側から見たら変態だな。俺。


まあ、今の俺見た目は幼女だし。

セーフな筈。セーフだよね?


はい、そんな変態である私葛木で御座います。

以後お見知り置きを。





ヴィオラをトランプで釣ってからと言うもの、前以上に懐いてくれた気がするのが、俺の思い違い出ない事を祈っているこの頃。

あれかな、遊び相手いないってのが大きいのかな。

最初からある程度信用されてたけど、俺って一体何なんだろう。

この世界が幼女の仮想世界で、幼女が望む物が存在する世界で有れば、俺と言う存在は不要な筈。

仮に、俗に言う異世界転生。ヴィオラの意思の中に紛れ込んだとするのならば、彼女が生まれた時から俺が意思を取り戻していないのは謎。

何か切っ掛けがあっての事なのだろうか。

其れに、寝惚けていたとはいえ、母親に間違われる容姿。

うーむ…………




まあ、考えた所で答えは出ないんだから深く考えない様にしよう。

今は姫様の侍女。

仕事のできるメイドらしく姫様に不快な思いをさせない様に立ち回る、





って言う建て前の、自分が死なない様に頑張りましょう。

飽く迄も自分の為。

一心同体なんだから姫様助けるのは飽く迄ついで。

仕方ないね。







さて、そろそろ次の手を打ちたいのですが、そろそろ日々の観察、情報収集にて十分な内容が集まって参りましたので、身体乗っ取り計画を始動したい。


と、言いましてもいきなり乗っ取るつもりはない。

姫様のお怒りは買いたくないからね。


だから、姫様がこっちの世界で休息の睡眠時間の僅かな時間に、簡単に身体を動かすとかしたい訳です。はい。

やっぱり慣らしって必要だと思うのよ。

前世とは体の筋力がかなり違うと思うし。




まあ、ぴょんぴょん跳ねたら部屋の外に居る護衛の騎士様が「何事か!」と押し入って来るので其処迄はするつもりはないです。

飽く迄立って歩いたりをする程度。



けど、無いとは思うけど暗殺者とかとばったり会っちゃったらどうしよう?

フラグは立ててない考えただけ。








『では姫様、お休みなさいませ。』


『うん、お休みなさい。』


視界の暗転と共に、ベッドからもそもそと這い出る幼女。

同時に、天の機械は安定と信頼の間抜けな「チーン」と音を立て朝を告げる。

ヴィオラリモコンでサウンド設定できるかな。


「お帰りなさいませ、姫様。」


「うん、ただいま。カツラギ。」



決行は今日。

チャンスは先程言った通り。

上手くいく様なら手も回したいと思ってるが高望みはしない。


「さっそくだけど、トランプしましょ!ね、ね?」


俺の腕を引っ張って、ぴょんぴょん跳ねる姿は可愛らしいんだけど、今日は幼女には早めに用事を終わらせて寝て欲しいんだよな。

いや、此処は興奮させて疲れさせると言うのもアリか?


「……1回だけですよ?直ぐに今日覚えた事を書き出さないといけません。其れを終わらせてからです。」




うん、姫様に駄目とは言えないんだよなぁ。

だって怒らせたら怖いし。最悪俺死ぬし。

あと、絶対に1回にならないのは知ってる。


因みに、姫様がトランプをお気に召した初日、トランプばかりをして書き出し、睡眠を取らなかった事がある。

その結果、面白い事に昨日勉強した事は何も覚えていない、勉強中に舟を漕ぐなど、真面目で素直なヴィオラには普段あり得ないの様な事が見られた。

推測だが、あの書き物はヴィオラの記憶で、睡眠は脳の休息で間違いない様だ。





うーん、トランプ教えない方が良かったかな?


実は、じゃあないが。姫様は今年で12歳。こっちは8進数だから地球で言ったら10歳か。になるそうな。

年齢がどうしたかと言いますと、まず面倒でドロドロした他人の腹を探り合う社交が始まる。憂鬱だね。

更には更に来年には、帝国が運営してる学校に子供は全員強制入学させられる訳で。姫様も例外では無いそうです。




あ、言っておくけど、日本みたいな高度な教育をする訳じゃないよ?

帝国らしく、軍事学校ですので。


俺もあんまり詳しく知らないんだけど、学科は3つ。

騎士科、魔導科、司令科。

どうやら、この世界は剣と魔法のファンタジーらしい。


言葉通り、騎士科は武器を有用した近接戦闘。

魔導科はなんか魔法を使うらしい。

司令科は戦術とかを勉強するんだとか。

当然姫様は司令科。まあ、姫様を前衛に出す訳にはいけないからね。


しかし、魔法かぁ。

使ってみたいなぁ。

いや、使えなくとも見てみたいなぁ。






大変長らくお待たせ致しました。遂にやって来ました作戦決行のお時間です。

タイムリミットを考えれば…あと1時間くらい。

それもこれもヴィオラが俺を解放してくれなかった所為。

まあ、強く言えない俺も悪いっちゃ悪いけどさ。


さて、時間も勿体無いですので早速向こうの世界に行きたいのですが。








……………どうやって行くの?


寝転ぶだけで行けるものだと思ってたけど、お目々パッチリ天井ガン見が現在進行形。

これまさか俺は行けないパティーン?

え、マジ?俺ただの傍観者?


やばい辛い。



然し、このベットフカフカだなぁ。

そういや暫く寝てなかった。

夢の中だから睡眠必要ないと思ってたけど、無性に眠い。もうどうでもいいや。


寝よ。

おやすみ…………







おはようございます。いや、窓の外は夜だな。

はい、知らない天井です。

予想以上に寝心地が悪いっていうね。姫様のベッドの癖に。

やっぱり、日本と比べれば物の品質が悪いね。

あ〜手を加えたい。

俺が異世界チートで色々と革命起こしたい〜。


やりませんけども。

目立つ訳にはいけませんので。





取り敢えず立ち上がってみる。

ふむ、違和感があるもんだと思ってたけど、視線と言い感覚と言い、全くないのはどういう事なのか。

まさか向こうでの俺の体と、幼女の体が全く一緒って事はないよね?

まさかね。

髪色違うし。


うん、まあ良い。

取り敢えず歩く。

ふーむ。

此処まで順調に体が動くのは想定外。

1時間も要らないじゃんこれ。



然し、まさか寝転んだら勝手に眠くなるとは。

全世界の不眠症の方々が血眼になって求めそうなベットですな。

いや、そんな事は今考えるべき事じゃない。



と言う事で、次のステップ。

部屋の外で護衛している騎士様とのコミュニケーション。


え?いきなりハードル高い?

そんな事ないです。姫様の身体を使ってればいずれは行う事です。

姫様の癖は把握しておりますので多少違和感があっても暗いし何とか誤魔化せる、筈。





あ、因みに。

今日がチャンスと言った訳は人選ね。

夜中に姫様の部屋の外で暇してる彼等のセットは1ヶ月に一回あるかないか。

そんな彼等を紹介しましょう。


アルバー(ファミリーネーム知らない)

年齢は20代中盤。

黒髪茶瞳、身長180くらいと元日本人の俺からしたら凄く懐かしく感じる彼。

顔はヨーロッパ風で平凡な顔。イケメンではない。

嫁さんとヴィオラと同い年くらいの娘が帝都にいるらしい。

顔が良い訳でもないのに、姫様の護衛騎士やってるぐらいだからさぞかし実力者なんだろうと俺は勝手に思ってる。


グランド(ファミリーネーム同じく知らない)

年齢は20代前半かな。

濃い紫の髪に淡い青の目。身長は175とこの世界では少し低めながらもイケメン。

こう言う、遺伝子に真っ向から喧嘩売る髪や目の色を見ると、異世界なんだなぁと実感。

イケメン、死ねば良いと思う。

更に人当たりが良く、かなりモテると姫様御付きの侍女が愚痴を零してた。

姫に零すなと言いたいが、イケメン死ねば良いと思う。

見た目が良いのに浮いた噂は一切無い。何でも好きな人が居るらしい。

ヘタレだから告白するつもりはないと言ってたけど。

爽やかな笑顔で挨拶されて、俺はヴィオラの脳内で舌打ちを何度もした記憶がある。

イケメン死ねば良いと思う。



はい、この2人です。

片方に対しては凄い悪意を持ってるけど、今回ばかりはその人当たりの良さがありがたい。

この2人以外はみんな硬いんだよね。

なんか話しかけ辛い。


と、言う訳で凸り(突撃し)ます。












リーン


「ん?」


「何か音がしましたね。」


リーン


「アルバーさん後ろみたいですよ。」


「そうだな。姫様、申し訳ありません。直ぐに開けます。」



重厚な木製の扉がギギーッと音を立てて開かれる。

開かないのではない。

姫様が自ら開いちゃいけないのよ。

まあ、実際重過ぎで開けないだけだけども。

因みに呼び鈴で呼びました。


目の前にいるのは予想通り2人の騎士。

ただ、一般的に想像されるような全身鎧(フルアーマー)ではなく、見た目を重視している軽鎧(ライトアーマー)。

並メンのアルバーすら格好良さが2割り増しになると云う制服効果。

ん〜イケメンは様になるな爆せろ。



「御機嫌よう、アルバー。グランド。お勤めご苦労様です。」


「今晩は、どうかされましたか?姫様。」


「うんん、何でも無いんだけど眠れなくて。」


「其れは、怖い夢でも見たのですか。」


「違うの、寂しくなってお父様に会いたくなったの。」









「グランド。」


「アルバーさん。言わんとする事は分かります。俺もこんな娘が欲しいです。」


「なら、後を任せて良いか?」


「其れは流石に我慢して下さい。」



うん、予想以上の反応。

愛妻愛娘家と恋する乙女(男)だもんな。

まあ、此れが俺が彼等を選んだ訳でも有るのだが。


だが、話が進まないのは面倒なり。





「あの…?」


「あ…失礼しました。俺で良ければ姫様の話し相手にさせて下さい。」


「グランド。」


「分かってますよ。姫様、俺達も勤務上長時間お話する事は出来ませんが。」


「構わないです。」


「ありがとうございます。」


グランドはその場で騎士の礼、左の腰。剣のある場所を拳でポンと叩く。

ガシャリと鎧が擦れる音が静かな夜の通路に響いた。



「では、お聞きしたい事が。」


「何なりと。」


「日々お仕事でお忙しいお父様に会えない事は私も分かっております。なので、私がお役に立てる様な事があるか、何でも良いのでアドバイスが欲しいのです。」


「……俺達ではお役に立てるか………」


「いえ、アルバーは一児の父ですし、グランドも恋する者。お相手や子からして欲しい事など、相手からは想像できない様な事も有ると思いますので、是非。」


「「………」」


騎士2人は互いに顔を驚愕に染めて見詰め合う。

直様沈黙は破るのだが。



「………飽く迄親としての意見ですが、子の笑顔は励みになります。共に過ごす時間も少ないですが、その分幸せにする為に仕事を頑張る事ができます。」


「成る程。グランドは如何でしょう?」


「俺は付き合ってすらないから何とも言えませんけど、やっぱり何もしないでも好きな人と一緒に居れるのは嬉しいですね。」


乙女な騎士達は片方が顎を摩り、もう片方は頭をボリボリと掻く。

だが、2人の意見は参考にし難い。

何と言っても相手は皇帝陛下。娘と言えど用も無しに気軽に近付けるモノではないのだ。

まあ、其れは彼等も分かっているのか、一緒になって首を捻る。


「ん〜では贈られて困らない物を贈るのは如何ですかね。食べ物は…相手が相手なので無しにして、例えば筆記用具とかです。俺は皇帝陛下の近衛兵なんてなれる程優秀じゃないので詳しくは知らないですけど、基本社交と事務ばかり、ですよね?」


「私に聞かないでくれ。ですが、最終決定権を持つのは皇帝陛下で間違いないです。同じ作業の繰り返しは気が滅入ると思いますので、気分を変える為に違うペンを使おうとは思わなくは無い、かと。」


騎士2人、意外にもセンスが宜しかった件。

姫様の相談とは言えこうも真面目な返答をされたらボケる事も出来なくなってしまう。

まあ、採用するけど。

侍女に探させて贈ろうかな。

この世界はガラスは有るし、女の子らしくガラスペン辺りを用意して貰おうか。

一応ヴィオラの株も上げとかなきゃね。


然し、分かっていたが彼等は人が良さそうだ。此れから贔屓目で見ても良いかもしれない。

彼等も点数稼ぎになるし、俺も手駒が増える。

Win-Winの関係ですね分かります。

先ずは飴を少々。


「では婆に適当な物を見繕って貰います。今回はとても助かりました。少し口添えしておきましょう。」


「「ありがとうございます。」」



うむ、現金な奴は嫌いではないぞ。

上手く使える様になるにはもうちょっと餌を撒く必要が有るが、姫が旨いと思わせればよっぽどの事がない限り鞍替えの心配はない。

アルバーには娘さんが喜びそうなの、グランドはセッティングでも手伝おうかな。




「では、御機嫌よう。」


「「御休みなさいませ。姫様。」」








さて、下準備は此れから地道にするとして。

そろそろ魔法学の予習が始まる。

皇族だから全くダメって訳じゃないだろうし、寧ろ前世知識でやり過ぎとなったら根回しも無駄になる。


適度に頑張っていきますかね。

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