03
おや?
ちょっと目を離してたら、絵日記に俯せになって寝てやがる。
いや、まあ良いんだけど。
むしろ有難い?泥棒働くわけじゃ無い。けどもしかすると記憶を覗かれるのが不快だったら不味いからね。
はい、葛木こと私ヴィオラ姫お世話係の侍女がちょっと記憶の本棚を荒らしますよ。と。
何を行うかと言いますと、単純にこの世界の事を知りたい。
あわよくば脱出方法を知りたい。
高望みはしてない、飽く迄も希望。
この世界にある物を簡単にお浚いすると、記憶を投げてる本棚。多分、これベッドから遠い程如何でも良い情報だと思う。
遠い奴から捨ててたし。
んで、リビング?にある大画面モニターとステレオ。これはヴィオラが見てる視覚と聴覚だね。
でも、この2だけってのも怪しいかな。
味覚、嗅覚、痛覚も探せば有り得そうだけど、これは優先度低いからなぁ。味覚は需要ないし。
机とソファーと筆記用具にノート。脳は休憩がいるって言うし、その為だと思うんだけど。これも如何でも良いか。
黒電話。これは完全な謎だなぁ。テレパシー能力とかあるの?受信した試しはないけども。電波ちゃん?
最後はベッドかな。これで現実とこっちの世界を行き来してる。
………ふと思ったんだけど、このベッド、俺も使えねぇかな?
…………いやいやいや、流石にリスクが高い。高過ぎる。
俺はヴィオラじゃないから、誰かに見られた時にどう対処するのかがわからない…って訳でもないな。
だが、もし向こうに行けるのならば。行くならもう少し情報を集めないと。
タイミング、大事。ゼッタイ。
と、言う事で幼女の黒歴史拝見。
見た目は俺も幼女だけどね。
そんな事は如何でも良い。早く情報を集めるのじゃ。
欲しい情報と言えば、ヴィオラの住んでる城に関する事。
地図とか有ればなお良し。
後は他人の個人情報とかね。プライバシーのクソもないな。
せめて、大雑把にでも帝都の事を知りたいよね。
………
…………
………………………
…………………………………ない。
そもそも本の埋蔵量も幼女らしく少ない。
と言うか、幼女の絵本に期待した俺が馬鹿だった。
まず家族に関する事すら見当たらないってど言う事?
まさかのドロドロ説濃厚?
いやだわぁ奥さん聞いてくださいよねぇ。
そのお父様の奥さんの情報すら有りませんがねぇ…
因みに、本の内容はリビング?に近い方から殆どダンスや歌、音楽器の事。遠くに行くに連れて勉強の内容、社交を予想してか有力貴族の名前とかでした。
はい、知ってます。子供は好きな事ばっか考えてれば良いんだよこん畜生。
そう言えば、怪しい本なら1番最初に見たな。
あの鍵付きの本。
あれ以外鍵必要な物って無かったんだよね。
まあそもそも、あの本の場所忘れたんだけど。
そんなこんなでもう朝?いやこっちの世界は夜が近付いて参りました。
そろそろヴィオラ起こした方が良いよね?
「姫様、おはようございます。」
「ん、んん〜………」
やべぇ可愛いわ俺が男なら襲われても仕方ねぇぞこの天使が。
ほんと、ブツがない事が悔やまれるぜ。
ん?手を出す気なんてないよ。ホントダヨ。
冗談はさて置き。
「姫様、直ぐに朝が参ります。」
「ん…お母様…?」
…寝ぼけてやがるぜ。
誰がママンじゃ。俺は今、女だな。
え?俺結構な幼女体型だけど、君のママ何歳で君産んだ訳?確かに12歳くらいから産めはするらしいけど。
「申し訳有りません。私はヴィオラ様の母君では有りません。葛木で御座います。」
「ん〜…あ、おはよう。カツラギ。」
はいはい如何も、葛木ですよ。
決して貴女様のママンじゃありませんので、ご了承下さいまし。
どちらかと言うと紳士と呼ばれる事を望む。
紳士じゃないよ。ホントダヨ。
「おはよう御座います、姫様。」
まあ、そんな巫山戯た事言える筈無いんだけどね。
姫様ワールド故に、一存で消されるって可能性もある訳だし。
然し、こうも情報がなかったら如何しようもないんだよね。
ストレートに聞いても良いかな?
いや、でも侍女が踏み入れて良い領域ではないし。
うーむ。
「ごめんね。ついお母様ににてたので…」
あ、本人から話振ったし聞いてもいいや。
「その…姫様の母君は……?」
「私が生まれて直ぐに死んじゃったんだって。」
ストレートだなぁ!おい!!
こんな幼女に母親死んだって事実突き付けたんじゃねぇよ。
見ろよあの完全な作り笑い。
空元気で取り繕ってんのが丸分かりだよ。
然し、そりゃ情報もねぇな。
こりゃヴィオラは妾の子で、城で嫌われてるパティーンかな。
「でも、みんながいるから平気だよ?私がゆいいつのせいさいの子だからってみんなやさしくしてくれるし。」
そっち?!これあれじゃね?毒味とか念入りにやってたし暗殺の危険あんじゃね?
これで兄弟とかいたら…
「けど、お兄様たちは私のこときらいみたいなんだ。どうすればなかよくなれるかな?」
何で俺ヴィオラの中にいるんだろ。
どう考えてもハードモードじゃん!
ヴィオラって言う足手纏いの舵を上手く取りながら、お兄様方の追撃を回避しなきゃならんのでしょう?
しかも、飽く迄も俺はゲームのコントローラーは握らず、横からポンコツに指示を出すだけの一回ポッキリ\(^p^)/式。
俺、どうせなら普通に生まれて普通に生活したかった…
いや!「諦めたら其処でゲーム終了だよ。」ってばっちゃんが言ってた気がしなくもない!
あれ、じっちゃんだった気がしなくもない?
いや、言ってない!
最悪皇位は継げずとも絶対に生き残ってやろうじゃねぇか!




