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大きいベッドで、仲良く寝る(スキルの1つが消失する主人公。その時彼は何を思うのか――?!)

 完全にタイトル詐欺です本当に有難う御座いました。


 ・・・凄い開いたなあ。

 場所は変わって、自室。


 《錬金》について、少し試すために、店で買っておいた鉄と、魔石をテーブルに置く。


「?何するんです?」


この部屋は俺の部屋なので、イースと俺しかいない。イースは、俺と同じ部屋でなければだめらしい。何が。


 《魔源陣》により、魔方陣が描かれる。


 鉄と魔石が合わさり、錬金される。


「ミスリルだな。」


「何でそんなものが作れちゃうんですか。」


「鉄と魔石が相当な量無いと、剣一本も作れないんだよなあ。」


イースの半分諦め気味な声に、そう返す。

 ミスリルは、知っての通り、魔力を通す魔法剣の素材として最高峰のものである。魔力量では、魔石の方が勝るらしいが、如何せん壊れやすい。ミスリルは、程よく、魔力を通し、程よく耐久性があるのだ。

 ミスリルだけで打った剣が一番良いのだが、扱い辛い上に、ミスリル自体高価なので、純ミスリル製の剣は滅多にお目にかかれないとか。

 鉄と魔石を《錬金》で合成して、容易く入手できたのは、《錬金》のレベルを一時的に300まで上げたお陰であるから、ミスリル自体貴重なものなのだ。

 ミスリルは、自然界に存在しないのだから。


「良い金儲けにはなりそうだが、足が付くと面倒だよなあ。」


「マスターなら、自身の魔力で魔石ぐらい作れそうですよね・・・。」


「・・・その発想は無かったな。」


魔石というのは、魔術師や魔道具で作っても、天然モノ、つまり魔物の体内にあるものより劣ってしまう事がほとんどであり、天然モノよりも上質なものを作るためには、かなりの時間が掛かると言われている。・・・俺ならどうにか出来ちゃうかも?まあ、後で考えよう。慢心良くない。

 ちなみに、魔石ための素材は自前の魔力のみである。それを練る(・・)ことで作れる。スキルが無いと不可能に近い所業だ。


「無かったんですか・・・。」


「でも、魔石なら魔物から取れるのでも問題無いしな・・・。後は鉄か。」


「泥からも《錬金》出来るって聞いたことありますけど・・・?」


「・・・え?マジ・・・?」


こくこくと頷くイース。直ぐに外に出て、地面に《錬金》を使う。


 まるで、凍っていくかのように、魔方陣を中心に、周りが鉄になり始める。


 《錬金》Lv300では、土と鉄の変換比は、10:6だ。このままだと地盤が心配なので、直ぐに《錬金》をやめる。


「明日は、外に行って土を集める作業かな。」


「うわー、地味ですね。」


「どうせ暇だしな。」


鉄の地面を眺めながら、そんな会話をした。

 あ、一応、地面は《錬金》で元の土に戻しておいたぞ?


「さあて、飯だ飯。つーか、結局お前らも食うのか。」


「そんなこと言いつつ、全員分用意してあるじゃない。」


「精霊は飯が要らないんじゃなかったのか?飯代とんぞ?」


「まあまあー。そんなこと言わずにー。」


「マスター。料理できないんじゃ?・・・マスターですもんね。」


「イース?お前は色々可笑しいことにそろそろ気付け。」


何でもマスターだからって理由だけで片付けようとするんじゃない。《料理》レベルを一時的に300まで上げただけの事。


 だけとか言ったけど、実際中毒ものだ。味見の手を止めるのが辛かった。

 お陰で、3人(むしろ3柱の方が合っている気がするが)に好評だったのだが、お代わりが足りなくなり、デザートを作る事になった。

 俺が作れるデザートのレパートリーはそう多くない。プリン、マドレーヌ、キャラメル、クッキーと言った代表的なものが精々だ。


「こんなに美味しいものがあったんですねー。」


「腹を押さえられましたね・・・。」


「美味しいじゃない・・・。」


この女性陣、料理しないんだろうな。精霊二人は言うまでも無く。神獣も、大したものは食べないらしいからな。生肉最高ーとか言われたし。今度安全そうな肉があったら、刺身にしてみるか。

 俺を含めた4人全員が満足したところで、俺は再び風呂に入った。イースも一緒だ。


 イースが無駄に話しかけてこないのは、配慮されるのか何なのか。あり難いんだが、ジッと見られてると、気になってしまう。

 俺もイースも一糸纏わぬ・・・要するに裸なんだから。

 スキル、チキンが発動し、未だにイースに手を出せていないが。


「マスター。」


「何だ?」


唐突に呼びかけられ、少し驚く。イースの方を向くと、幼女なカラダの髪の毛から指先に至るまで、全てが見える。


「私は、何年でも待ちます。ですから、どうか私を貰ってくれませんか?」


不意に立ち上がってイースが言ったのは、そんなことだった。


 正直、ムラっと来た。


「わ、ちょ・・・っ!」


二人の甘い蜜月が始まる。きっと、《回想ログ》はこうなっていたはずだ。


 『SS(シークレットスキル)《チキン》が消失しました。』ってね。


 そして、何故か(・・・)タイミング良く一回戦が終わった辺りで、2人が乱入してくるのだが・・・。まあ、完全なる余談だろう。




 ベッドには、何故か(・・・)4人がいる。俺と、イース、そして、クーとブラウニー。平均年齢が、千歳弱の4人である。俺とブラウニーは、10代だが。

 あれ?俺って10代の括りに入れて良いのか?良いよな?

 つーか、予想以上にロリBB・・・っと、何でもない。イースが起きたようだ・・・。


「また気絶させられたんですね・・・。」


またというのは、おそらく強化召喚(リイン・サモン)のときのことだろう。あのときのイースは凄かったなあ・・・。つい先日な気がしないでもないが。

 つーか、良く考えたら眠ってるんじゃなくて、気絶してたのか・・・。俺は《不眠不休》を外してたからともかく。

 神獣のクーはどうなんだろうか。寝るんだろうか?


 ちなみに、さっき口を滑らせそうになったが、クーも幼女型である。但し、イースと違うのが、巨乳というアンバランスバディーを持つ事だ。

 別に、イースは壁という程ではない。身長に合わせて程よく育っていると言える。

 一方、クーはアンバランスだ。前に倒れそうと言うと、言いすぎかもしれないが、見ているとそんな感じがする。そういうのもあってか、なんとなく母性的な雰囲気を纏っている。その一方で、こちらの保護欲も掻きたてるのだから始末に負えない。

 クーの髪の毛は良い感じの金髪で、尻尾は4本だ。だからと言って、九尾に劣る訳ではない。むしろ逆だ。

 俺がこの世界の文献で読んだモノが正しければ、九尾は千歳辺りで、九本の尻尾を持つようになる。対して、天狐は千歳を超えて生きている狐を指す。しかも、天狐が神格化されているのに対し、九尾は災いと呼ばれる。神級と、災害級って言ったら、何となく、神級の方が強い気がするだろ?

 あ、それから、イースの神精霊とか、クーの神獣とかいう種族は、精霊にとっての(・・・・・)神とか、獣にとっての(・・・・・)神とか言う意味合いじゃなく、精霊である神、獣である神ということである。飽くまで、イースが司るのは「水・魂・命」である。神獣であるクーが、「獣・狐」を司るのは、必然的でもあるが、偶発的ともいえる。おそらく、イースの場合、高位精霊から神に至ったからそうなったんだろうと思われる。


「朝じゃない・・・。久しぶりに寝てたのね・・・。」


お、ブラウニーの方が先に起きたか。

 ブラウニーは、闇の精霊王であると共に、この屋敷に宿った精霊だと言う。レベルが1なのは、ここから一度も出ていないのが原因らしい。それでも恐ろしく強いがな。俺達は別格だ。比べちゃならん。

 そんなブラウニーは、光をも吸収しそうな漆黒の体だ。およそ、ヒトとは呼べない。透き通っていて、その先まで見えるイースと違い、ブラウニーは肌って感じがする分、人間味はあるかも知れないが。

 身長は俺と同じくらいで、結構高く、胸は並。並だ。美少女というよりは、美女と言う言葉が似合う。


 それにしても、クーが乱入するならともかく、ブラウニーまで乱入してくるとは思わなかったんだが、何か打算的なものでもあるんだろうか。


「新しい朝ですねー。」


「古い朝は存在しても、体験は出来ないと思うぞ。」


「確かにそうですねー。」


「じゃあ、俺は朝飯を作ってくるから。」


背筋に何やら悪寒が走り、俺の勘が「早くこの場から離れろ」と告げていた。

 しかし、時既に遅し。


「まーまー。まだ朝早いんですからー。」


「そうですよ。ちょっとぐらいヤったって(バチ)は当りません。」


何でこんなに好かれてるのか理解に苦しむが、流されるしか無いようだ。流石にこんなところで無駄に体力を使う気は起きない。


 これから体力を浪費するんですけどね!






 クーとブラウニーに、少し問い質してみたが、先の行為に意味は無いと言われた。

 イースにも、そんなに気にする必要は無いと言われたが・・・。まあ、言い。ちょっと凝った仕掛けもこの屋敷には施してあるし、それが気付かれるようなへまもしていない。


 その件は一度置いておこう。今すぐどうこうという訳でもないし、実力も知っている相手だ。


 予想はできているかも知れないが、ここは王都コルネヴァとは別の都市だ。まあ、元貴族の屋敷もあるしな?

 そういう訳もあって、少し街の外の様子も違う。オールファーニィと言う名の湖があり、観光名所になっていたりする。魔物が居るけど。


「綺麗ですねー。」


「水質のことを言ってるんだったら、イースの方が綺麗だぞ?」


「それをもし口説き文句として言っているなら、センスの無さにビックリですよ、マスター。」


「確かにセクハラっぽかったな。」


湖は放っておいて、その先にある草原は、魔物が少ない時期はピクニックに行く家族が居たりするらしい。

 今は、結構魔物が居る訳だが。


「ふむ。剣でも使ってみるか。」


「マスター、使う予定無いとか言ってませんでした?」


「予定は変更されるものだ。」


「・・・。」


白い目を向けてくるイースを無視して、ツリーモアに攻撃を開始する。



ツリーモアLv40

総合評価D+

ツリーフィールドLv40

麻痺耐性Lv40

火傷耐性Lv40

ツリーアックスLv40

狂気の一撃Lv40



見ての通り、アイスモアの親戚さんである。

 わざわざ近接戦闘がちょっと厄介な相手を選んでやったんだ。喜べ。


 《ツリーフィールド》が発動し、周りに木や草が連なる。本当に生えているわけではなく、ツリーモアの足から生やしているらしく、そのせいでツリーモアは《ツリーフィールド》を使うと動けないらしい。

 唯一厄介なのが、《ツリーアックス》な訳だが、近距離向けの攻撃である。

 つまり、遠距離職だったら、魔法使いでも倒せる雑魚なのだが、近接職が倒そうとすると、死ぬほど苦労するらしい。


「秘剣――『見える剣』っ!!」


「斬新?!」


イースが何か言っているが、聞こえなかった事にする。

 《ツリーフィールド》の範囲内に入り、木や(つた)が絡み付こうとしてくるのを、《体術》で避け、《剣術》で切る。


 右下、左上、左下、右後ろ・・・。


堅実に攻撃を凌ぎ、後少しでツリーモアに辿り着く。しかし、奴も馬鹿ではない。自分の周りを完全に木で覆い隠している。つまり、壁を崩すところから始めねばならないのだ。


「奥義――『見えない剣』っ!!」


「・・・」


イースの視線が痛い。見なくても分かる。イースは今俺のことを見直してくれている。悪い意味で。


「最初からそれやれば良かったじゃないですか。」


散々適当に《剣術》任せで剣を振り回した後に奥義を使ったら、そう言われたのでこう返す。


「奥義は最後まで取っとかないと。」


「・・・そうですか。」


再び白い目を向けてくるイース。心底呆れたという顔である。《剣術》の実践登用は考えて居ないが、扱えて損は無いと思うのだが。魔法が強過ぎるからなあ・・・。

 そんなこんなしていると、変な奴等に絡まれた。


「兄ちゃん、金出しナ。命まではとらねぇでおいてやるからヨ。」


「おいおい、女まで居るじゃねぇかよ!」


「こりゃあ、今日は腹一杯酒が飲めるぜ。」


「「「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」」」


下卑たというか、もう頭狂ってんじゃないかって言う笑いに、流石の俺も顔が引き攣る。街から遠ざかり過ぎたんだろうが、俺もイースも、街の近くでは他の冒険者の遭遇率が高いため、本気が出せないのだ。いや、どっちも本気は出してないけど。

 盗賊が近付いてくる。

 イースさんが本気で怒ってるっぽいんですが、お前ら気付いてる?


「マスター、やっちゃって良いですか?」


「・・・許可する。」


ボソリと呟いた声にイースが反応する。盗賊と思われる輩は、抵抗をする暇も無く、散っていくのであった。


「可哀想になってきた・・・。」


「・・・まあ、神と我が主(マスター)への不敬罪ということで、一つ。」


「お前の中で、俺の存在がどうなっているのか問い質してやりたい。」


「神が崇拝する神?」


「敢えて、声を大にして言わせてもらおう。純人族だっ!」


「嘘ですね。・・・ああ、純神族?」


「もういいや。」


確かに、高位精霊如き(・・)だったイースを、精霊王も飛ばして、神精霊なんかにしちゃったからなあ。失敗だったんだか、これで良かったんだか。


 調子に乗ったのか、普通に激怒してるのか、イースがアジトもぶち壊すとか笑顔で言いながら、辛うじて生きている一人に拷問していた。女っていうか、イースが怖い。


 そこからイース無双が始まる。アジトに悠々と行き、またもや下品な言葉を浴びせる盗賊を、無駄な動きをせずに手を翳しただけで倒す。厨ニ臭い。


 アジトと思われる洞窟を、我が家の様に歩いて行く。全ての罠を破壊しながら。

 途中で出会う盗賊達は、一言も発することなく死んでいく。

 捕まった人たちが居るのに、イースは歯牙にもかけない。お陰で俺が助ける羽目になるし。

 全身覆って、《天機掩蔽》するのって結構手間なんだよなあ。しかも怯えられるし。


 イースにも一応、《擬態》で姿を変更させておいた。後々色々面倒な事が無いように。


 イースは盗賊の頭と思われる奴が居る部屋に入った瞬間に、その部屋にいる全員を殺し、更にはこう言った。


「貴方達を殺すのに、本当ならアジトに入る必要性すらなかったのですが・・・。」


怖過ぎる。ちなみに、アジトまで入った理由を聞いたところ、「だって、マスターに盗賊の持っているものを献上しないとじゃないですか」らしい。なんか、忠誠度が高過ぎて怖い。

 そうして、イースから受け取ったものを全て《アイテムボックス》に仕舞うのに、そう時間は掛からなかった。

 イースが献身的過ぎて怖い。いつか裏切られるんじゃなかろうか。あ、裏切るのは契約でダメなんだっけ?


 その後、連れてってという捕まっていた連中の言葉を、イースが完全に無視して帰ってしまう。信仰され無さそうな神精霊だなあ。

 まあ、俺も見捨てたんだけどね。距離があると言っても、3時間も掛からないし。《回復魔法》は掛けておいたから、大丈夫だろう。


 そんな無責任な助けと、イースの憂さ晴らしを終え、屋敷に帰ると、2人が出迎えてくれた。

 こっちはこっちで怖いんですが、お前らなんでそんなに懐いてるの?訳分からん。

 ちょろいぜとか言えることすらしてないんですがそれは。

 一応、今日一日二人の動きを監視したのに、なんの怪しい所もないし。むしろ俺が変態みたいじゃん。まあ、とりあえずもう少し監視は続けるとして・・・。

 え?どうやって監視したかって?《結界魔術》と《魔力感知》と《霊素感知》と《探知》とを組み合わせたんだよ。その情報を魔石に保存するのも簡単だった。

 イースに呆れられても文句は言えないな、これは。

 あ、因みに土から鉄を作る計画は、盗賊に襲われたのでまた今度になりました。残念。










『メモ帳』・・・

《結界魔術》に組み込めるスキルは、全て。ただし、レベルによって制限が掛かる。魔石に記録するのは、《結界魔術》の応用。



 《霊源陣》と《魔源陣》強過ぎない・・・?


 ・・・次回更新未定。


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