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魔法の本  作者: 尾岡れき
6/10

#7


 大使館に戻った矢島は、盗聴防止専用の電話を使用し、依頼主に報告を上げた。もっともこんな屈辱的な報告はなかなかない

『矢島、言い訳にしては陳腐だな』


「は、申し訳ないです。少々、番狂わせで困惑しましたが、監視は続けております」


『ふむ。しかしそうやって撹乱にライブラリーの司書を活用するとは、なかなかの策士かもしれないな。キャリア組だからこ そ、頭脳明晰である事は頭に入れておくべきか』


「左様ですね。彼女は吟味していました。比べるとライブラリーの司書は木偶に等しい」


『実際、木偶だ。彼ら司書は能力を得た代わりに、何らかの代償を受ける。言ってみれば有事には足手まといという事だ。それを活用すればよかろう』


「了解しました」


 電話を切る。

 もうすでに、それは試みた。狙撃を行ったのは矢島だ。テストとしての意味合いもあった。ただやるからには一撃で仕留める つもりだった。


 だが、君島夜見の反応はあまりに早かった。並の訓練で体得できた反応ではない。君島警視総監の娘。そして君島元警視総 監・元警察庁長官・元法務大臣の孫。サラブレッドの血筋はサラブレッド、それを感じる。出世街道を放棄した思い切りの良さ は祖父のウエイトが高いか。その方が思い切りの良さにより、束縛もなく行動でき、成功した時の評価は遥かに高い。

 

 だが弱さも持ちあわせている。


 彼女のライブラリーの司書に対しての依存の高さ。

 突破口となってくれたら有難いが。


  羨ましくもある。 孤高で誇り高い。そして情に暖かい、そんな警察官が残っているとは。そして、彼女に日本の警察官の恥を晒すとは。 老人たちは結局、若者に未来を示せない。それが日本か。

嘆かわしい。 矢島は煙草に火をつけて、偲ぶ。自分がプライドをかけて捜査した時代は、もう戻ってこない。 現在の矢島は、官僚のただの[犬]だ。


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