百三十二話
「松子ちゃん、最上階にいるんだ!今行くから松子ちゃん!!」
目がキラキラして、今にも駆け出しそうな雲雀。
「ちょ、ちょっと待って!私がハイそうですか?って許すと思う?」
「?許してくれるんじゃないの?許さないんなら殺すだけだけど…」
さっきとは一変、ギロリと候補オルタナティブを睨む雲雀。
「ちょ、マジで怖いんですけど。でも、侵入者を排除しろと百合子ママに言われたし…」
「何ブツブツ言ってるの?先手必勝!こっちから行くよ!」
雲雀はそう叫ぶと、腕を大きく開いて、戦闘態勢に入った。
いつもなら、翼を広げて空を滑空して、銀色に輝く羽根を撃ち出すところだが、肝心羽根がもうなかった。
「ぷっ、何それ!?怪しい踊りでも踊ってるの?マジで受けるんですけどぉ!!」
「ぐぬぬ…!」
手を広げ、ゆらゆら動かしていた雲雀の動きを見て、晃穂オルタナティブは腹を抱えて笑った。
「もう!笑わないで!いつもなら銀色に輝く羽根が生えてる翼で空を飛べるんだから!!」
「あんだけ大口叩いて、攻撃手段がないって笑うしかないっしょ!マジでザマァ!」
ずっと腹を抱えて、笑う晃穂オルタナティブ。
「何もできないところ悪いけど、侵入者さんを排除させてもらうよ!」
そう言うと晃穂オルタナティブは素早く雲雀に迫った。
「晃穂オルタナティブパーンチ!」
雲雀のみぞおちにパンチを入れる晃穂オルタナティブ。
見事みぞおちにクリーンヒットしてしまう。腹部を押さえダウンしてしまう雲雀。
「あのー?大丈夫ですか?パンチ一発でダウンとかありえないんですけど?弱すぎなんですけど?さっきまでの強気発言はどこにいったんでしょうかねぇ?」
倒れ込んでいる雲雀に、上から覗き込むように言う晃穂オルタナティブ。
「誰が誰を殺すって?弱い分際でのたまってるんじゃねぇよ!!」
倒れ込んでいる雲雀を、足で踏みつける晃穂オルタナティブ。
「ぐはっ!やめて!許して!!助けて!」
さっきまでとは打って変わって、助けを懇願する雲雀。
「超ウケるんですけど!地面に這いつくばって命乞いしてるし!」
晃穂オルタナティブの哄笑が、木霊した。




