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今、何でもするっていったよな?~ドキ☆男だらけの乙女ゲームサバイバル~(なろう版)  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


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4/6

何か隠し事があるみたい

 そこにいたのはレオ王子だった。

 そういえばルイの邪魔をすると言っていたので、邪魔しにここに来たのかもしれない。

 そこでレオ王子が笑った。


「こんな所にマーガレット嬢一人で何をしているのかな?」

「……どういう意味かしら。そこに……なるほど」


 マーガレットが何かに気付いて嗤う。

 そういえば僕はまだ透明人間のままだ。

 なのでレオ王子は気づかないのだろう。


 そうなってくると、僕に気付いているように見えたり、見えない僕の胸を触ったりしたのは気のせいなのかもしれない。

 そう思っているとマーガレットが僕の首を腕できゅっとして、


「今すぐこの魔法を解きなさい?」

「で、でも……」

「監視映像魔法機は私と一緒にいる時は偽映像で貴方がいないことになっているから大丈夫よ?」

「……え?」

「でなければこの前のカフェで私と会っているのがとっくにあちら側に知れ渡っているわよ」


 さすがです、マーガレット様、僕はもうそんな言葉しか思いつきませんでした。

 なので僕は魔法をとくと、レオ王子が目を瞬かせてそれから、


「君は……ルイではないね? 僕が愛してやまない彼ではないけれど、そっくりな君は一体誰かな?」

「えっと……実は、カクカクシカジカで」

「つまり君は、異世界の“ルイ”であることになるのか」

「はい」


 すぐに事情を理解してくれたレオ王子。

 そして僕の立場からも僕のことは知らないということにしてくれるらしい。と、


「でも、はやめにこの“可愛い悪戯”はなくしておいた方がいいんじゃない?」


 マーガレットは穴を指さす。 

 そこでレオ王子が指を鳴らすと、地面がせり上がって穴っぽいものが全て埋められてしまった。


「まさかマーガレット譲ともあろう者がこんな魔法を使えないとは」

「あら、好きな相手一人捕まえられない貴方に言われたくありませんわ」

「ははは、今は泳がしているだけだ」

「世の中思い通りにはなりませんのね」

「そうだね、彼のことに関してはほぼ全てそうだ」


 小さく悲しげに笑うレオ王子にマーガレットはそれ以上挑戦的な言葉をやめて、


「私の部屋にご招待するわ。こんな所で立ち話もなんだし」

「おや、いいのかな? 本命以外の男を部屋に呼んで」

「だったら貴方だけ窓の外でもよくてよ?」


 そんな軽口を叩くマーガレットに案内され僕達は部屋に戻ったのだった。









「え、チートですか?」

「そう、君にもこの世界に来たことで何らかのチートを手に入れているはずなのだけれどね」

「……わかりません」

「ではおいおい分かるだろう」


 そう優しげに僕に言うレオ王子。

 どことなく僕を通してルイを見ているようだった。

 そこでレオ王子は白い玉に気づく。


「これは盗聴器か」

「そうよ、貴方関連で私の部屋に付けられたの。いい迷惑だわ」

「ふむ、それは済まないことをした」

「それでどうする?」


 そこでレオ王子は小さく笑う。


「僕に君たちが協力してくれるということかな?」

「敵の敵は味方。目的が一緒なら手を組むことが出来るわ」

「そうだね。そして、これから何が起こるのかをある程度知っている彼がいる」


 そこでちらりと僕の方を見る。

 マーガレットも僕を見て頷く。

 何だか責任重大だなと思いっているとそこで、


「それで、新たな情報をいただけるかしら、瑠伊るい


 そう、マーガレットは悠然と微笑んだのだった。









 そんなこんなで僕は事前に、レオ王子とマーガレットに明日、入れ替わる旨を伝えた。

 それを聞いたレオ王子が、


「……まだ何かを仕込む気か? ベリオールへの罠は穴以外に何かあるのか?」

「さあ、僕はそこまで聞いていませんでしたから。……あ!」


 そこで僕は思い出した。

 確か類はもう一人の人物の接触していたはずだ。


「リセントという上級生と接触していましたね。そういえば」

「別に少し話しただけだろう? 顔見知りになった程度。……だから僕は手を打たなかった。ただルイと少し話していたから」

「ええっと、事前に接触があったのですか。彼はマーガレットに“珍獣”のような興味を持っていて、それがやがて愛に……となる前に、ルイは邪魔者を排除しようとしているようですね」

「……そうなのか。だが、僕は不安だ。今すぐそれを止めたい」


 変なことを言い出したレオ王子に、僕は首を傾げる。

 

「マーガレットとリセントが仲良くなるのが嫌ということでしょうか」


 僕がよく分からずに問いかけると、そこで僕はマーガレットに頭を叩かれた。

 地味に痛かった僕は涙目で、


「何をするのですか。僕が一体何をしたと……」

「そういう風に言うと、そこのレオ王子が私を好きみたいじゃない」

「あれ?」

「あれ? じゃなくて、見なさい。レオ王子だって物凄く、嫌そ~な顔をしているじゃない」


 見るとレオ王子も、ものすご~く渋面を作って僕を見ている。

 何でだろうと僕が思っていると、レオ王子が苦笑した。


「そういった所はルイと同じだな」

「? はあ」

「無防備過ぎて、そこもまた可愛く見えてしまうのだから、僕も狂っているな。ルイ以外であれば面倒だから関わらないか利用してやるのだが、残念だな」


 冷たく笑うレオ王子に、あれ、この人こんな人だったんだと僕が思っているとそこでマーガレットは鼻で笑い、


「あら、この前そんな無防備な子の手助けを、ルイに似ているからと言ってしていた方が言う台詞とは思えませんわね」


 苦虫を噛み潰したような顔で、レオ王子はマーガレットを見る。

 マーガレットはマーガレットで舌をぺろりと出している。

 この二人本当に仲が悪いな、と僕は思って、


「なんでそんなに仲が悪いんですか?」

「「性格の悪さがわかるからだ(よ)」」


 声がハモる。

 そしてお互いい嫌そうな顔をする。

 同族嫌悪? というものなのだろうかと僕は思いながら、そこでレオ王子が、


「これ以上気持ちが悪い事を言われたくないから、はっきり言っておく。あのリセントとは僕は面識がある。だから知っているんだ。彼の好みが……ルイそのものだという事に」

「……はあ、そうは言いましても、ルイはレオ王子が好きで好きでたまらなくて僕を召喚してしまうくらいでしたからね。杞憂じゃないんですか?」

「いや、危険因子は早めに潰しておくべきだ。そもそもルイは、あいつは……昔から年上の優しい人間には気を許しすぎるからな」

「何をする気なんですか!? 止めてください、一応、全キャラ揃ってラストに一悶着あったのに大丈夫だったんですから」


 うっかりゲームの終盤のイベントを言ってしまう僕。

 その時には既に遅くて、レオ王子が、


「……そんな危険なことが?」

「……はい」

「何があったのか説明してもらおうか」

「ええっと、この学園の南にある校舎には、もともと封印の扉が有りまして、それがじつは開きかけていて……」

「では明日人を手配して片付けておく。これでリセントは必要ないな?」

「止めてください! そ、そういう事をするとルイに嫌われますよ?」

「……別に嫌われたなら連れ去らえばいい」

「別に、授業を休んでレオ王子が直接邪魔しに行けばいいのでは?」

「それだ!」


 いや、それだ、ではなく……と僕が思っているとそこで、マーガレットが、


「段々茶番じみてきたわね。まあいいわ、私はベリオールの好感度? が完全に貯まればいいのでしょう?」

「はい、そちらに出来る限り誘導しますので」

「操られている気がするけれど、都合がいいなら踊ってあげるわ」


 笑うマーガレットに、そろそろこういうヒロインに慣れてきたな~、と僕は思ったのだった。







 そして全員が自分たちの部屋に戻り就寝した頃。

 レオ王子の自室にて。


「君のいう瑠伊るいは善良な人間だね」

「当然ですよ、俺が好きになる相手ですから」

「それで明日、頼めるか?」

「ええ、構いません。大抵の内容は覚えましたから」

「助かるよ、伶音れお


 それにレオ王子の前にいる彼にそっくりな人物は微笑んだのだった。









 そんなこんなで次の日。

 初めての魔法学校での授業である。

 どんなふうに授業を受ければいいのかを教わり、


「もしも他の席の人に声をかけられたらどう答えればいい?」

「え? やだなー、もう。僕に声をかける相手なんていないよ」


 うっかりこちらの世界の僕の実態を知ってしまい、何だか悲しくなる。

 ちなみに一時間目と二時間目の間だけなのだ。

 だから大丈夫と思って僕が向かって行くと、偶然教室の入口でマーガレットとベリオールと遭遇してしまう。


 ど、どうしようと僕が凍りついているとそこで更に僕の後ろから、


「ルイ、どうしてそんな所で立ち止まっている? 早く入ってもらえないか?」

「え、いえ、では先に失礼します」


 事前にマーガレットとレオ王子と話を通していたとはいえ、こうやって遭遇すると動けなくなる。

 でもレオ王子が上手く僕を誘導してくれて助かった……そう思って席についた所でレオ王子を僕は見るけれど……違う。

 彼は、違う。


 確かにあのレオ王子と同じ姿で張り付いたような微笑みを浮かべているけれど、僕を見つめたその一瞬の眼差しがぜんぜん違う。

 それはあのレオ王子がルイを見つめるのと同じで、そして……僕を見つめる伶音れおに似ている。


「このキスの意味を、考えて欲しい」


 ここに連れてこられる前にあった出来事。

 その意味が何なのかを考えて欲しいと、“答え”を望まれた。

 知らず知らずのうちに僕は顔がほてってしまい、慌てて俯いて机を見る。

 

 何となく視線を感じるけれど、気のせい気のせい気のせい……。

 そう思っている内に教師がやってきたのだった。







 何を言っているのかさっぱりわからない、というわけではなかったのは良かったように思う。

 但し数学の授業はだ。

 特に先生に当てられることもなく、どうにかそれを突破する。


 ただ問題は、その次の時間は歴史の時間だった。

 この国の歴史と言って、空を飛ぶ魔法使いの戦略により、砦が落とされただの、どこぞのファンタジー小説か何かのようである。

 そんな歴史僕は知らないよ、としか言えない状況で、しかも一人ずつ当てていくのである。


 そこで、その教師と僕の目が合った。

 しまったと思った思った時教師の瞳がキラリと光り輝く。


「ルイ、この“ツインテールの一揆”があった年を答えよ!」


 【エイゾウリンクカイシ】

 僕は速攻で、ルイと映像を同期する。けれど、ルイは息も絶え絶えな声で、


「る、るい、から声が……えっとその問題は、546年だよ」

「546年です」

「正解だ」


 そこで僕はそっとルイにありがとうと告げて、映像同期を切る。

 後はどうにか入れ替わり授業を受けるのだけれど、次の時間は魔法実習だったのだけれど……。

 【エイゾウリンクカイシ】

 そんな声が突然聞こえて、


「どうしたのルイ?」

「ごめん……ちょっと今、ショックで動けなくて……ごめん、魔法実習も頼めるかな?」

「え、ええ? ちょ」

「よろしく……ぷつ」


 そう一方的に告げてルイとの通信は途絶えた。

 それよりも僕が悩ましかったのは、


「え? この後どうするの?」


 確か魔法実習だけれど……そう僕は不安を覚えたのだった。









 魔法実習。

 魔法を放ち、怪物を倒す実習である。

 ただ僕としては、自分の姿を消す魔法しか知らないのだ。


「ど、どうしよう……とりあえず、他の人達に付いて行って着替えを……違った、これは体育じゃない」


 制服のまま練習場に向かうのみである。

 なので、そのまま僕はそちらに向かう。

 でも魔法はどうしようと僕が思っていると、授業が始まり、


「では、二人組を作ってください!」


 女の先生が僕達にそう告げた。

 たしかこのイベントで、好感度のそこそこ高いクラスメートとマーガレットは組み、更に好感度をアップさせるイベントだったはずだ。

 上手くいっているのかなと思ってみていると、


「マーガレット様、ぜひ僕と」

「マーガレット様、ぜひ私と」

「マーガレット様、せひ俺と」


 といったように人だかりができていた。

 山のようにもこもことしたそれを見ながら、少し離れた所でベリオールがマーガレットを見ている。

 いや、ここはこの人混みをかき分けて、マーガレットを奪うところでしょう……と僕が見ているとべリオールと目が合った。


 ニコッと彼は微笑み、


「ルイ、俺と組まないか?」

「!?」


 僕は、何で僕にしたし、と思った。

 そして僕を見るマーガレットの視線が怖い。

 まるで好きな相手を寝取ろうとする恋敵を見つめるような目だ。


 怖すぎて僕は首を横に振り拒絶の意思を示す。

 そんな僕だけれどそこで後ろから右肩を叩かれた。


「生憎だけれど、僕が先約をとっているから駄目だ。行くぞ、ルイ」

「へ?」


 振り返るとそこにレオ王子……かもしれない人物がいて僕の手首を握り、


「二人組にならないといけないなら、俺と一緒のほうがいいだろう?」


 確かに事情を知っている彼の方が一緒にいるならいいだろうと思う。

 そもそも僕は魔法も使えないし、それに、マーガレットとベリオールがくっつくにはここの好感度イベントは確実に取りたいところだ。

 そう思っているとその黒いもこもこした人だかりが何かが数メートル上空に飛び上がった。


 その人物は宙返りをくるくると数回転してから少し離れた場所に着地し、立ち上がる。

 そこにいたのは無表情のマーガレットだ。

 この身体能力には、何かを突っ込まざる負えないが、そこでマーガレットはつかつかとベリオールに近づき、


「それで、ベリオール、私以外の一体誰と組むつもりだったのかしら」

「え?」

「……むかっときたからあっちの二人の邪魔をしてやる。ルイ! 私と組みましょう!」

「ちょ、マーガレット」


 ベリオールと僕が焦る。けれどそれにレオ王子が嘆息して、


「これは僕が先にもらった。だから渡さない」

「……ふーん、まあいいわ。こっちのほうが好感は持てるし、見逃してやるわ。ほら、ベリオール、行くわよ」


 マーガレットがそう告げてベリオールを引っ張っていく。

 ただマーガレットは今妙なことを言っていなかっただろうか。

 そう僕が考え始めた所で、


「よし、魔法演習を始めるぞ」


 そう先生が告げたのだった。







 魔法演習の授業では魔法で作った怪物を魔法で攻撃して倒すのだけれど、


「ここでそう、魔力を集めて……いまだ」

「“ファイヤーボール”」


 炎の球が僕の手から放たれて怪物に当たる。

 それにレオ王子がすかさず魔法を打ち込み倒していく。

 さすがですレオ王子と褒め称える声を聞きながら、良かったと僕は思う。

 

 レオ王子に聞きながらなんとか僕は魔法を使って切り抜けたのだ。

 優しく教えてくれて、多分、それは僕がルイに似ているからだと思う。

 何にせよ、ルイが理由は不明だけれど出られないこの状態だから丁度いい。


 それに安堵しながらもマーガレットやベリオールの様子を見ると良好そうだ。と、


「ステータス画面を見ておいたほうがいいんじゃないか?」

「そ、そうだった……」


 そう思った僕だけれどそこで僕は、何でレオ王子は知っているんだろうと思って、でも図書館のあれを知っているようだから見えるのかもと僕は思った。

 そしてベリオールの好感度を見ると、82→92になっている。

 上手く行けば後1つか2つで好感度が100になる。

 

 そうすればこちらのものだと僕が思っているとそこでレオ王子に、


「後もう少しみたいだな」

「うん、100になれば後は好感度は維持されていく……のかな?」


 ふと不安を持った僕だけれど、とりあえずは100にする目標を立てておいて、と思ってそこで僕はレオ王子に振り返り、微笑み、


「今日はありがとうございました。とても助かりました」

「いや、こちらの方の不手際もあるから」

「? そうなのですか?」


 それにレオ王子は笑うだけでそれ以上何も言わず、こうして僕達は別れ、昼休みになった僕は自分の部屋に戻ったのだった。

 








 部屋に戻ってきた僕は、部屋の隅で両膝を抱えるルイに気づいてビクッとなった。

 そのあまりの暗い雰囲気に、僕は恐る恐る近づいて、


「ど、どうしたの? ルイ」

「……瑠伊るい、どうしよう」

「え?」

「僕、レオ王子につい言い返して……ああ、きっと嫌われた。でもこれでいいんだ……」


 それに僕はそれ以上言えずに沈黙している。

 そんな微妙な雰囲気の中、ルイは震える唇を開いた。


瑠伊るい、話を聞いてくれるかな?」

「え、えっと……うん」


 僕が頷くと、ルイはぽつりぽつりと話し始めたのだった。








「実は私は、前から君のことが気になっていたんだ」


 微笑むリセントにルイは怯えていた。

 移動時間の時に、たまたま教室の外に出そうなマーガレットと接触しそうだったので、ルイは足止めをしていたのだけれど……。

 柔和な上級生の仮面を脱ぎ捨てた彼は、射抜くようにルイを見つめている。


 そして彼は、マーガレットと接触させないようにルイがしているのを知っていた。

 別に誰かに話すつもりもないし協力すると言った彼だけれど、そんなリセントにルイは壁に押し付けられていた。

 そして囁かれる、君のことがずっと気になっていたと。


「もしも君が私の“恋人”になってくれるのなら、出来る限り手を貸してあげてもいい」

「で、でも……」

「君は本当に自分が、レオ王子の恋人になれると思っているのかな?」

「! それは……」

「私にしておきなよ。そうすれば皆幸せだよ? 私も君も含めてね」


 優しく微笑む彼に、ルイはその誘惑に、心ひかれてしまう。けれど、


「リセント先輩、そこまでにしていただきましょうか」


 ここにいるはずのない、レオ王子が立っていたのだった。






 そこまで聞いた僕はあることに気づく。

 確か授業の間、レオ王子は僕のクラスにいたはずなのだ。

 なのでルイと一緒にいたという。では、あのレオ王子は……。

 けれど僕は、今はルイの話を聞くのを先決にしようと思ったのだった。






 怒ったレオ王子にルイは部屋に連れ込まれた。


「どうしてあんな男と会っている」

「……レオ王子には関係ありません」

「……そもそも、ルイはどうしてあんな養子縁組を受けた。罠に決まっているだろうに」


 それを聞いたルイはむっとして、


「レオ王子の隣に立ちたかったんです。貴方の隣で、貴方と一緒に生きていけるように僕は、力を蓄えていたのです。僕は自分が平凡だってわかっているから」


 レオ王子が沈黙して、それから……。


「どうやらまだルイは、自分を過小評価し過ぎのようだ。……良いだろう、僕にとってルイがどんな存在か思い知らせてやる」

 

 そう僕は王子に襲い掛かられてしまったのだった。







 そ、それでどうなったのと僕は聞くと、


「ちょっといいあいになっちゃって。どうにかキスだけは免れたからよかったんだけれどね。……だから生きているわけだし」

「え?」

「何でもないよ」


 そう僕ははぐらかされてしまったのでした。



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