第十三話(最終回):狂愛の頂上決戦。安寧の地はいずこ
1. 牽制:義父と娘婿の火花
帝国の離宮。護衛すら遠ざけた密室で、二人の支配者が対峙していました。
最初は、ギルバートが「私の娘を泣かせていないだろうな」という、父親としての威圧を放ちます。しかし、アルリックの疲れ切った、けれど幸福感に満ちた瞳を見た瞬間、ギルバートは直感します。
「……貴様、相当やられているな?」
2. 激突:不毛な「うちの嫁」マウント合戦
そこからは、どちらがより「妻に人生を狂わされているか」を競う、不毛な戦いの始まりです。
ギルバートのターン:
「アメリアは凄まじいぞ。私が少しでも他の女に目を向ければ(向けないが)、その場で心中を申し出てくる。あの狂おしいほどの情熱……。あれこそが真の愛だ。私なしでは一分も生きていけないと泣きつく姿を見せられたら、もう、国などどうでもよくなる」
アルリックの逆襲:
「……甘いですね、義父上。リリアナはもっと……巧妙です。彼女は私を物理的に縛るのではなく、その『指先』と『香』で、私の精神そのものを檻に閉じ込めました。今や私は、彼女の許可なくしては安眠することすら叶わない。……あの清楚な微笑みで、私の理性をじわじわと、かつ徹底的に蹂躙していく。これ以上の支配があるでしょうか?」
3. 共鳴:そして、戦友へ
互いの「被害自慢(惚気)」が一周した頃、二人の間には奇妙な友情が芽生え始めます。
「……義父上。正直に申し上げます。リリアナが授かったという『香油』……あれは、反則です」
「……ふん。あれは元々、アメリアが私専用に開発したものだからな。……あれに抗える男など、この大陸にはおらん。……そうか、君も、あの『底なしの沼』に落ちたか」
「ええ。……もう、戻れるとは思っておりません。……というより、戻りたくもありませんが」
4. 結末:結論はいつも同じ
最終的に、二人は力強く握手を交わし、同時に溜息をつくのです。
「「……結局、聖女には勝てん(最高だ)」」
◇◇◇
5. 聖女たちの「密談」と男たちの「火花」
晩餐会の席。アメリア様とリリアナ様は、隣同士に座り、楽しげに耳打ちし合っています。
「ねえ、リリアナ。あちらの香油、効き目はどうかしら?」
「ええ、お母様。あんなに冷徹だった陛下が、今では私の姿が見えないだけで部屋中を探し回るほどですわ」
そんな二人を微笑ましく見守る……なんて余裕は、男たちにはありません。
◇◇◇
6. ギルバートの「義理の息子への嫉妬」
アメリアが、義理の息子であるアルリックに、義母としての慈愛に満ちた微笑みを向け、
「アルリック陛下、お口に合いますか?」
と尋ねた瞬間、ギルバート様の眉間がピクンと跳ねます。
「……アメリア。なぜアルリックをそんなに優しく見つめるのだ。……もしや、私のような武骨な男より、そんな知性派の若造の方が好みなったのか!?」
「まあ、陛下。……あの子は私たちの『息子(婿)』ですわよ?」
「息子だろうが何だろうが男だ! 貴様、アルリック! 私のアメリアをそんな潤んだ瞳で見るな! 斬るぞ!」
7. アルリックの「義父への嫉妬」
一方、アルリック様も負けてはいません。
リリアナが、久しぶりに会った実の父であるギルバートに、「お父様、元気そうでよかった」と腕に手を添えた瞬間、皇帝の理性がパリンと割れます。
「……リリアナ。……義父上の腕に触れる必要があるのか? ……私以外の男にそんなに親しげに笑いかけるのは、私の愛が足りないという抗議か?」
「陛下……? 実の父ですわよ?」
「関係ない! 義父上……いや、ギルバート王。たとえ貴殿が実父であっても、リリアナの『純愛』を奪おうとするなら容赦はしません。……リリアナ、今すぐ私の膝の上に来なさい」
8. 結末:微笑み合う「元凶」たち
「……あらあら、二人とも本当に可愛いわね」
「本当ですわね、お母様。愛されすぎて、少しだけ困ってしまいますわ♡」
男たちが「どっちの妻の方がより俺を狂わせているか」と「目の前の男からいかに妻をガードするか」で大騒ぎしている中、アメリアとリリアナは優雅にワインを傾け、余裕の笑みを浮かべています。
結局、その夜は「嫉妬に狂った夫たちが、それぞれ妻を自室に連れ去り、一晩中『俺だけを見ていろ』と分からせる」という、いつも通りの熱い夜で幕を閉じるのでした。
本作を最後まで見届けてくださり、本当にありがとうございました!
おかげさまで完結ブーストにより、1,000PVを超えるたくさんの方に読んでいただけて作者冥利に尽きます。
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言葉よりも先に「すりすり」と体温で愛を伝えてくる彼に、ぜひ捕まりに来てください♡




