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諸所諸々のエッセイ  作者: 粘土
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命とは何ぞや?

僕が産まれて来たのは戦争で敗れて、シベリアに抑留されても尚生きて帰ろうと思った人の御蔭です。

 命とは何ぞや? 其れが僕の生きて来た理由である。其れは今でも変わっていない。若年の頃には当然祖父も、祖母も三人居た。一人は血の繋がりの有る従妹の母である。だからして、大学では哲学と、社会学を大いに学んだ。哲学の方はよく覚えて居ないが、社会学はきちんと覚えている。簡潔に云うと、“チッソ”である。詰まり、水俣病の大元おおもとである。其の先生は其の悲惨さを充分に教えて呉れた。例えば、水俣病の患者に近所に住む連中が石を投げ付けたり、散々な差別が有ったのだという。其の他にも、海に垂れ流した“毒”で狂ってしまった猫が躍る様にして海へ飛び込んだ映像も持っていた。其の先生は僕のレポートを観て「君の文章は哲学的だ」と褒めて呉れた。僕は其れだけ重大な事と思っていたので、素直に喜んだ。又、友人とは云えない程度の知り合いは“ナチスドイツ”の信望者であったので、彼の先生との酷い喧嘩を一度目にした事がある。流石に僕も呆れた。“ファシズム”に傾倒する人間が人を幸せに出来る筈が無いからである。人種差別の典型的な例とも云える彼は、果たして単位を取れたのだろうか。僕は、否と否定したい。確かに明治の頃には“彼等”と仲良しだったらしいが、現代の社会に其れが台頭しては困る。いや、真っ先に潰されるだろう。そんな国を二、三知っているが、此処では振れない事としよう。

 ともあれ、命とは何ぞや? 其の疑問に答えて呉れる人は数少ない。寺のお坊さんでさえも簡単には答えられない質問である。と、云って、キリスト教や、ユダヤ教、更に、密教や、イスラム教、ヒンディー教、アラブ教、他にも様々有るが、真実を説いている宗教は判然はっきり云って無い。基本的に自身の身の安全を保障する程度である。ならば、家畜の命とは何ぞや? 人は必ず家畜を飼う。農業や商売に遣ったり、只喰う為に飼う。其の何処に正義が有る? 有るとすれば、喰う物が無い土地に暮らし、仕方無く殺すのである。で、あるなら、其の命に敬服を以って臨むきだ。少なくとも、僕はそう信じている。なので、ヘルパーの資格も取った。介護を必要とする人達が毎日を楽しく過ごせる様に。而して、其の職にも就いたのだが、やれ、天晴あっぱれ。之までに命を懸けてまで遣ろうとした人は一人しか居なかった。ほとんど凡ての介護士が「こんな仕事遣りたくねー」と回答した。施設の管理職に在る人物も近場に在るラーメン屋さん、素直に云うと『寿がきや』であるが、其れすらも知らなかった。前職が営業であるにも拘らず、マーケティングと其の最終目的を知らなかったのである。其れ処か、「オレは之まで沢山の人達の介護認定を引き上げて来たんだ」と、馬鹿げた事を云う。貴様の遣った行いで介護認定を受けられずにしまった人達が幾ら居るのか解っているのか。馬鹿たれが。詰まり、介護とは他人ひとに差別されず、人としての尊厳を持ち、其れを支えるのが家族であったりヘルパーなのだ。宗教? ノンノン。倫理、ノンノン。道徳、ノンノン。命と云う掛替えの無い物を軽視するな。人の命とは生き得るだけ生きて人生と呼ぶ。例え其れが一秒であっても。産まれて来た事に変わりは無い。生きて居る事にも変わりは無い。只、死する時まで一生懸命に生きるだけだ。そんな事も解らない人には軽蔑を。生活保護を受けて居る人だって、ホームレスだって生きて居るのだ。悪い意味での差別は不可いけない。差別と云うのは本来、出来、不出来ではなく、其々(それぞれ)の持つ個性の比較なのだ。其れが解らなければきちんと学ぶきだ。兎も角、『命とは斯く有りて生き、終焉と成る死を迎えるものなり』其れが答えだ。生きて居る間が人生であり、終わりを迎えたならば、人生の終幕なのだ。其れは哀しい事ではない。寧ろ笑顔で送るきだ。命有る限り、其の瞳に宿る凡ての物は美しい。そう信じて、終わりを迎えるのだろう。だからこそ、訊きたい。君達にとっての“命とは何ぞや?”


PTSDって御存知ですよね。僕の祖父が戦争で負った精神の病です。

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