此の星の凡てに
純粋な恋は美しいです
何時か観た幸せに満ちた世界は、実は、嘘だった。オレは情報系の大学を出ているので、所謂フツーの人達には視えない真実が視えてしまう。幸せな事も嬉しい事も、楽しい事も、素敵な事も。同時に、不幸せな事も、辛い事も、哀しい事も、淋しい事も。凡てが視える訳では無いが、解ってしまう。覚えず、泪が流れる。オレはそな弱い男ではなかった筈だのに。次々と“人生の端っこ”に追い遣られて行く嘗ての友人達。もう、何んな事にも後悔しか無い。……
人は必ずしくじりを侵す。其の度に「次こそは」と挑み続ける。然し、やはり失敗する。其れでも遣って行けるのは、連れ合いや友人が居るからだ。恋や、愛が有るからだ。此の世界が情報と云うものに犯されても、守る可き人達が居るからだ。生きて行けるのは。然し、“人”と云う生き物はそろそろ“遣り過ぎた”事を自覚しなければならない。此の星が、自転と云う呼吸を止めてしまうのはもう直ぐだ。人と云う生き物は文明と云う大罪を得た瞬間に、他の生き物や、自身が此の星に生かされている事を忘れてしまった。或いは、知らぬ振りをする様に成ってしまった。情報と云う物を手にした時、オレは気付いてしまった。凡ての営みの虚しさに。途中で気が付く可きだったのだ。化学や科学が何れ程罪深いものであるのかを。本当は只単に生きて居る事を幸いとし、そんな生にこそ、恋や愛を当て嵌め、其れこそが幸せであると思う可きだったのだ。欲求、欲望、其れこそが“原罪”であると自覚しなければならなかったのだ。詰まり、之以上の幸せ、いや、まだるっこしい未来を望んでは不可なかったのだ。生きる事以外を望んではならなかったのだ。……
人は生きる。其の為に生き物を殺す。生きる為にはそうするより他無いからだ。只、オレは其れが完全に正しいとは思わない。何故なら、此の星は“人の物”ではないからだ。何時から人はそんな簡単な事にも気が付かなくなったのか? 恐らく、其れが人と云う生き物の性なのだろう。人と云う生き物は何時から其れ程偉くなったのか? ……成ってなどいない。死を恐れるクセに殺すではないか。殺される方だって嫌に違いない。何うしたら気付くのか。もう、無理か。ならば、仕方ない。オレは色々と考え過ぎるのかも知れないが、判然云って何時死んでも好い。もう、充分に生きた。只、其れでも、生きて居る間は一生懸命で在りたい。そして、救える者は救いたい。必要な覚悟を以って明日を迎えたい。出来る事など殆ど無いが、オレは今確かに生きて居る。せめて、其れだけは忘れない様にしたい。そして、恋をしたい。此の星に息づく凡てに。だから、オレは今日も生きる。皆に少しでも理解して貰えたら嬉しい。
此の星を愛する事は美徳です




