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第67話〜召喚〜


あれがこの大陸の首都だろうか?

しばらく歩いていた俺は今居る場所から少し先に街を認めた。



「見えたよトウヤ、あれが光の大陸の首都ラズマだ」

「龍巣からあまり遠くはなかったな」


イヅナは来たことがあるのだろう。歩きだして二時間程で迷わず此処まで来れた。



「ほう・・・ウォルスよりは技術が高そうだな」


「そうなのかミシル?」


「ああ。レヴィアスに匹敵するかもしれんな」


「羨ましい話ではあるな。火の大陸の首都もこのぐらいの街の規模があれば魔物に対応できるだろうが」


「俺はカグツチに行ったことはないけど城は頑丈なんじゃないのか?」


街を見て感嘆の声を上げたガロウに確認の意味で尋ねた。


「確かに城の防備については問題はないよ。初代スサノオ王の時代に建造されて歴代の王もその堅牢な点については誇られていたそうだ」


「へえ、さすがガロウは警備部だけのことはあるな、そういう話も知ってるなんて。ん?他は何かまずいのか?」


「ああ、いや・・・実はシバ殿、この方は宰相なのだがその方の言によれば建物ではなく人為的な・・・つまり最近の警備部が以前に比べれば弛んでいるとのことで・・・」


と、ガロウは現在の警備部の有り様について話しだした。

それを聞きながらミシルもかつて自分が所属していた国の騎士団について話し始めた。

そんなふうにして如何にして護るべきものを護るか、訓練の内容とか組織の編成とか、ああしたほうがいいい、その場合はこうしていたなど、そんな議論をしながら街へと辿り着いた。よく考えたら2人とも同じような立場だったな。もっとも今のミシルは国が無いが・・・


そんなことを考えながら街に入ってみると・・・街中には歩いている奴が居ない。

丁度誰も出歩かない時間なのか?と不思議に思ったが俺達はとりあえず城を目指すべく歩き続けた。


未だに続いている議論を聞きながら俺が街中にある建物の頑丈そうな造りを見ていると突然、


「これは!?」


魔力らしきものを感じた。その場所は、


「また誰かが鎧に近づいたのか?」


感じる場所は先程俺が居たあの金ぴかの鎧がある場所あたりだった。

と、いうことは俺が感じているこの魔力は、


「エンキドゥだな・・・でもこれは戦って、るのか?それにオーラ?」


エンキドゥの魔力らしきものと同時にオーラも感じるということは人間なのだろう。

あそこは龍巣が近いので何処かの大陸の奴がやって来て、物珍しいあの鎧を触ったということも考えられないではないけど、普通に考えると、


「光の大陸にもオーラの闘法の使い手が?」


「やっぱりそう考えるのが自然だよな」


「む?何が言いたいトウヤ君」


「俺は光の大陸に知り合いは居ないんだけどな。でも・・・なんと言うかこのオーラは、」


以前感じたことがあるような気がする、と言うとガロウは不思議そうな顔をした。

でも本当にこのオーラは何処かで感じたような・・・




〜〜〜




「いいわ。協力してあげましょう」


現在の世界に迫りくる状況をジズから聞き私はそう判断した。魔界から災厄の王が来るのなら悠長に構えてはいられないと思ったからだ・・・もっとも、この目の前の女性に言われたから躊躇うこともなく承したという部分もある・・・何故だろうか?


「ありがとうございます!イル・・・デュカ・リーナ殿」


先程まで我を見失って騒いでいた態度などおくびにも出さずジズは淡々と礼を言う。・・・ただ、私の呼び方を間違えそうになっていたが・・・


「それはそうと解放してもらえないかしら、貴女達が捕えたという貂を・・・あれは私の仲間の家族なの・・・」


話を聞けば私の持つ嘆きの杖を新たに精製するためにルーの妹を捕まえて閉じ込めていたらしい。詳しくは分からないがそのようなことができるとは初耳だ・・・私はそもそもルーと召喚契約を結ぶために私は光の大陸にやって来たのだからそれをしないことには本末転倒だ。いや、今ジズに協力するのはそんな打算も無かったのだが・・・


「ええ。嘆きの杖さえあればあのような非道な手段を取る必要もありません・・・ですのですぐにでも解放して差し上げます。と、言いたいところですが・・・」


あの貂は人間が連れ去ったのだ、とジズは言う。

しかも此の光の大陸の何処かに。


「・・・?何処の大陸かが分かっているならば、そして人間ならば行く先は1つじゃないかしら?」


「えっ?それはどういう」


理由を尋ねられたので私は龍巣について説明した。

その説明をしながら、そういえば火の大陸の竜は限られた者しかその存在を知らない、と言っていたことを思い出した。


「それは何処にあるのでしょう・・・?」


だが、ジズはその場所を知らなかった。


「・・・あれがそういう仕組みだったとは」


「剣聖殿?何かご存じなのですか?」


不意に口を挟んだ壮年の男性のほうは、だが何かに気付いたように呟いた。

・・・しかしこの人間の見た目はまるで・・・


「うむ。かつて拙者が呼ばれてこの地へやって来た際に、」


「・・・貴方は何処からやって来たのかしら?」


壮年の男性の言葉を遮り私は尋ねた。というのもその男性は、


「風の大陸だ」


黒い瞳に黒い髪をしていたからだ。




~~~




俺達はさっきまで歩いて来た道を引き返した。今度は走って。


「あれ、リシナは?」


「後方に居る」


「・・・貴様の足の速さには付いてはこれないらしいのでな。自分なりの速度で走ってくるそうだ」



オーラで身体能力を強化したガロウとミシルは俺に苦もなく付いてきていた。余裕綽々で話ができるほどだ。

オーラ全開で飛ばしてもいいのだが、今向かっている場所は得体が知れない奴が居るので戦闘になる可能性を考慮して僅かに抑えている。リシナはオーラの量がそこまで多くないので無理をせずそうしたのだろう。


「速い速い!」


「ん、速いかイヅナ?もう少しゆっくり行くか?」


イヅナも置いていくわけにはいかないので俺はこいつを抱き抱えている。俺に掴まりながらイヅナがそんなことを言うので尋ねたのだが、


「いやだ、このままがいい!楽しいなぁ♪」


「あぁ、別に文句じゃなかったのか・・・」


速いと言うもんだから勘違いしていた。ていうかこいつは楽しんでるな。

・・・それにしても歩いて二時間ぐらいの距離だからこの速さで走っていくと、もう5分ってところか?

俺は来た道を走って戻りながらざっと計算した。


「だがトウヤ?先程の場所でエンキドゥと戦っていると思われるオーラの使い手・・・それを貴様が知っているというのなら、それが何者なのか分かるのではないのか?」


ミシルの言うこともわかる。が、


「いやあ、それがよく分からないんだ。どこかで感じたことがあるような気がするんだけどな・・・?」


「そうか。兎に角その者の顔を見てみないことには始まらんな・・・」


「そうだな」


「・・・私にも感じることができるのだが、このオーラの主はかなりの使い手らしいな」


「そうなんだよな。大体ミシルやガロウと同じぐらいか?」


「・・・その言い方だと貴様は違うように聞こえるな」


「ああ。多分だけど俺が一番多いぞ」


「その自信・・・・・・いやなんでもない」


ミシルから何か嫌な雰囲気を感じたが今は気にせず急ぐことにした。




そして、俺達は先程の場所に戻ってきた。


「!?・・・エンキドゥが?」


「倒した、のか・・・?」


あの毛の長い獣は横たわっていた。その傍らには、


「ぬっ?・・・大司教よ、きゃつらは光の大陸の者達か?」


1人のおっさんが居た。

そしてそいつから少し離れた場所、金ぴかの鎧の近くにもう1人居る。


「いえ・・・?あのような方達は見たことがありません。金髪の方はともかく他の方は貴方のお知り合いではないのですか剣聖殿?」


「エンキドゥーーー!」


其処に居た奴らが何やら話している、と思っていたらイヅナが俺の手をすり抜けてエンキドゥへと駆け寄った。



「この少女・・・!?よく見れば、またイルの姿を・・・?」


イヅナの顔を見て、其処に居た女が何か驚いている?イル?

それよりも、今こいつは、


「おい!お前らかイヅナを拐って閉じ込めてたのは?」


「イヅナ・・・?もしやそれはあの獣のことか?」


「そうだ、おっさんは今その女を大司教と言っていたな?イヅナを閉じ込めたのはお前らなのか?」


「むう。確かに我等があの貂を閉じ込めたのは間違いない。が、」


それを聞いた俺はおっさんを殴り飛ばした。


「おっさん。なんでそんなことをしたんだ!何の得がある?あいつは家族と引き剥がされて寂しそうにしてたんだぞ!」


「・・・それについては謝る。だが仕方なかったのだ」


「仕方ないって・・・俺はその理由を聞いているんだが?」


「まあ落ち着けトウヤ君・・・・・・済まないそこの御仁。だが理由を聞かせてはくれまいか?それにその獣だけでなくエンキドゥまでも倒した訳を」


俺の剣幕に拙いと思ったのかガロウが俺とおっさんの間に割って入った。


「気絶してるだけみたいだ。よかったエンキドゥ・・・」


「イヅナ、そいつは大丈夫なのか」


俺は一安心しているイヅナを横目に見ながらおっさんに向き直った。

・・・?冷静になって考えると、おそらくこのおっさんがさっき感じたオーラの持ち主だろう。しかし俺はこのおっさんを見たことはない。だったら何でオーラを感じたことがあるように勘違いしたんだろうか?


「理由、か・・・おい!大司教、お主から説明してやってくれ!」


「はっ!・・・はい」


大司教と呼ばれた女はイヅナに見とれていたが、おっさんに声をかけられて此方に近づいてきた。


「お前が大司教って奴か?」


「そうです。貴方達はいったい?」


「俺達はーーーーーー」


俺は此の大陸に来た経緯を説明した。そして大司教、ジズ・フェアリアルと名乗った女は何故イヅナを拐ったのかを説明した。



「そうですか・・・あの少女はあの貂なのですか・・・」


「お前らが鉄島に閉じ込めた奴だ」


俺は何と言うか、呆れていた。


「というかな、それならそれで他にやりようもあったんじゃないのか?説明もせずにあいつを閉じ込めるなんて。・・・エンキドゥは鎧に近づくだけで攻撃してくるからしょうがなかったのかもしれないが」


「返す言葉も御座いません・・・」


「まあいいや。で、今はその杖ってのが偶然手に入ったわけか・・・・・・?何か見覚えがあるような?」


俺は説明の中に出てきたそもそもの目的である嘆きの杖とやらを見つめた。


「・・・私は見覚えがあるどころではないな。今まで幾度となくその杖に煮え湯を飲まされてきた」


「えっ?知ってるのかミシル?」


「・・・その杖の威力、という意味でなら誰よりも知っている。この身体がな・・・!おい、ジズとか言ったな?その杖の持ち主は何処へ行った?デュカ・リーナは?」


俺はミシルの言葉を聞いて杖を何処で見たのか思い出した。良く見れば確かにあいつの得物だったな。


「あの鬼族の方と知り合いなのですか?・・・やはり違うということかしら・・・」


「違う?違うって何が?」


「いえ、いいのです。所詮は垣間見た夢・・・・・・あの鬼族の方には闇の大陸に行ってもらいました」


何か落ち込んだように呟いている。


「闇の大陸に?」


「ええ。ある物を取ってもらいに」


「ふうん」



「・・・それよりもお主の拳は効いたなぁ・・・お主も闘気を操れるのか?」


「まあな」


俺に殴り倒されたおっさんが俺に向けて感心したように呟いた。でも、興奮していたとはいえそこまでオーラは込めていなかったんだけどな。よく分かるもんだ。


「でもおっさんもオーラ、闘気を使えるんだろ?さっきのは凄かったもんな」


俺は此処に来るまでに感じたオーラの高まりを思い出した。実際あのエンキドゥですら気絶させていることを考えればこのおっさんは相当腕が立つのだろう。


「そうだな。拙者の出身大陸ではそもそも男が少ない。それで自然と強くあるべきという風潮になるのでな、闘気を会得するのは必須となる。勿論 女子おなごもな・・・だが、その負けん気、弱きを助ける心・・・お主のような男児が息子に欲しかった」


「ふうん。っていうことはもしかしておっさんは風の大陸の人間なのか?」


男が少ないということ、そして俺のように黒い瞳と髪をしているので俺は尋ねた。


「そうだ。拙者は風の大陸、風厳の里から呼ばれてやって来たハンス・・・ハンス・クレアスという。この大陸に来てからは剣聖と呼ばれるようになったがな」


言いながらハンスは苦笑していた。




~~~




僕は面白くなかった。



「リーナちゃあん・・・?」


「な、何かしらロラン?」


僅かに焦るリーナちゃんへ向け僕はじと目で話しかけた。


「何かしらって・・・・・・はぁ・・・別にいいんだけどね。僕が君に付いていくって自分で決めたんだから」


「そう・・・なら」


「でも!折角闇の大陸を出られたと思ってわくわくしてたのに!こんなにすぐ此処に戻ってくるとは思わなかったよ!」


「うっ・・・・・・」


そう、リーナちゃんと僕は再び闇の大陸に来ていた。

それは何故か。


「だ、だって仕方がないでしょう?あの人間が言っていたように現在世界がーーーーーー」


何か慌てたように言い訳・・・ではなく説明するリーナちゃんを見ながら僕は考えていた。

光の大陸で見たあの人間、あのリーナちゃんと似た匂いがする人間はリーナちゃんを妹だと言った。妹というのは家族のことだろう。でもリーナちゃんは前に家族は自分の子供1人しか居ないと言っていた。そう考えればあの人間が言ったことはおかしい。おかしいけど、


「だからねロラン?これはしょうがなく来たのよ・・・大丈夫あれさえ持って帰ればすぐに帰るから」


何故かリーナちゃんはあの人間の言う通りに此処に来た。


「別に、リーナちゃんが決めたことだから僕はそれに付いていくよ」


「そう・・・?有り難うロラン」


そう言うとリーナちゃんはほっとしたような顔をした。


「それでこのあたりなんでしょ?その、」


「ええ・・・たしかこのあたりだったと記憶しているのだけれど」


「黒い生き物か・・・僕はあいつしか知らないから分からないけど、どんな奴なの?」


「そうね・・・永年闇の大陸を護ってきた、とされているのだけれど」



僕達はこの闇の大陸の(黒い竜)に会いに来た。あの・・・僕の村を襲った奴じゃない別の・・・

それは何故かというと、竜に護られている樹に生る実を採りにきたからだ。

リーナちゃんはその黒い竜、ニーズへッグっていう奴に此処で会ったことがあるらしい。なので此の場所を知っていた。


「・・・!?生命の樹が?」


「リーナちゃん、これがあの人間が言っていた樹なの?」


「そう・・・だけれど」


リーナちゃんは目の前をみつめたまま呟いた。


「これに果実が生ってるの?」


「・・・」



リーナちゃんは答えない。何処か呆然としている。


「何故・・・?これからは生命の力を」


感じない、とリーナちゃんは言う。


「樹が腐ってるの?」


「そうね・・・でも、普通の木ならともかくセフィロトが腐るなんて・・・」


と、言いながらリーナちゃんが目の前にある巨大な生気のない樹を見つめた。


「それに黒い竜って奴は何処に居るの?」


「そうね・・・あの守護者も姿がない。何かがあったのかしら・・・?」


「守護、者・・・?」


「そう・・・セフィロトの守護者、黒竜(ニーズヘッグ)・・・黒い焔を操る・・・」


「守護者・・・黒い焔・・・黒竜(ニーズヘッグ)・・・」


「ロラン?どうかしたの?」


「いや、なんでもないよリーナちゃ、」



とリーナちゃんへと答えようとしたら思い出した。かつて長老・・・父さんが僕にしてくれた大陸の守護者の話を。




▽▽▽




「ねえ長老、どうしてこの村に魔物は入って来ないの?」


「魔物じゃと?ロラン、それは誰から聞いた?」


「うーんとね・・・ウルホ!」


「そうか・・・あやつに我等以外の生き物のことを聞いたのか?」


「うん!村の門のところに大きな二本足の奴が来たんだ。ウルホが追い払ったけど」


「それでか・・・おそらくは付近の魔熊あたりか・・・よいかロラン?お前はいずれ村の外に出たいと思うときが来るかもしれん。色々な物見たさにな。じゃが、外には出るな・・・」


「ええ!?なんで長老?ウルホは出てたよ・・・少しだったけど」


「後でウルホには言っておく。それにあやつも魔物を追い払ったらすぐに村に戻ったじゃろう?本来は誰もこの村の結界から出るべきではないのじゃ・・・約束じゃからの」


「約束?」


「そう、友との・・・守護者との約束じゃ」


「守護者?」


「ああ。牙を呉れた黒い焔を吐く、」




△△△




竜、だと長老は言っていた。多分それが、この樹を護っていた・・・


「ロラン?」


「ううん何でもない。少し思い出しただけだよ・・・」


長老・・・父さんとの思い出を・・・


僕は潤んだ瞳を見られまいとリーナちゃんから離れて樹に近づいた。


「これかぁ」


友、と父さんは言っていた黒い竜。その竜が護っていたという樹に触りながら僕は思った。

どうしてその黒い竜は此処に居ないのだろうか、と。会ってみたかったのに・・・


『・・・・・・よ』


?今誰かが、


「リーナちゃん、今何か言った?」


「いいえ・・・?」


おかしいな?僕を呼ぶ声が、


『・・・・・・友よ』


!?

やっぱり声が聞こえる


「誰!?」


『此の大陸で共に生きる友よ・・・我の声が聞こえるか・・・』


「共に生きる?僕のこと?ねえ、誰なの!」


「ロラン・・・?」


リーナちゃんは一人で話す僕を見て訝っている。この声は僕にしか聞こえないのだろうか?


『我が名は汝ら狗族の友・・・・・・ニーズへッグ・・・』


「ニーズへッグ?・・・!僕達は君に会いに来たんだよ、果実を貰いに」


そして僕はあの光の大陸の人間が言っていたことを伝えた。そのために果実が必要なのだと。


「ーーーというわけなんだ。でも君は何処に居るの?声はしても姿が見えないよ?」


『人間もあの存在を察したか・・・・・・友よ、我はその存在に滅せられた・・・』


「滅せ?どういうこと!?君は殺されたの!?」


『そうだ・・・我が肉体は既に無い・・・だが、我が想いの結晶・・・それがあれば・・・』


「想い?結晶?何を言っているのか分からないよ!」


『容易いことだ・・・・・・呼べ我が名を・・・護黒刃ごこくじんと共に・・・』


「呼ぶ?護黒・・・?だから何のことなのっ?」


しかしそれ以降はその声が聞こえなくなった・・・




「・・・ロラン?先程から何をわめいているの?」


「ああ、リーナちゃん・・・実はね」


僕は今のやりとりをリーナちゃんへ伝えた。


「そう・・・不思議な現象ね、黒竜が・・・護黒刃とは・・・・・・!!もしかしてこれのことかしら?」


と、リーナちゃんは何かに気付いたように懐から刃物を取り出した。


「呼べ・・・その声はそう言ったのねロラン?」


「そうだけど・・・何か分かったの?」


僕がそう尋ねると、


「ええ・・・ものは試しね・・・・・・召喚(サモン)黒竜(ニーズヘッグ)!」


リーナちゃんが取り出した刃物を持ったままおもむろに叫んだ。


「光が?」


すると付近に光のようなものが現れて、


「そういうことなのね・・・」


リーナちゃんは何かを納得していた。

そして、光の中から、


『・・・友よ、そして召喚師(サモナー)よ・・・仮初めではあるが・・・我が存在を蘇らせてくれたことに感謝する・・・』



黒く巨大な生き物が現れた。

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