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第55話〜技術者〜


(大きな箱)



その「テツジンノマ」の先にはそんなものがあった、というのはタウラ・ミノスの言葉だ。

あいつは俺が武器を持つことに対して途中からついに諦めたのか、開き直ったように自分が知りうるテツジンノマに関することを話し出した。

(どちらかと言えば隣に居たミスミが睨んでいたことのほうが関係あるような気もするが)

その話で得た情報はその場所には番人のような奴が居てそれより奥に侵入できないように見張っている、ということだった。何でもそのテツジンノマと奥の部屋は続いており扉も仕切りも何もないため奥の部屋が覗き見えたらしい。

俺は洞窟を出てミスミに教えられた道筋をすすんでいたが、歩いていたら大体一時間ぐらいで大きな鉄の建物があるらしいので見ればすぐ分かる、とのことだった。

まあ俺がこうして行くのはミスミ達のためだけでもなく自分のためでもあるからな。というのは、俺は素の大陸の龍巣を使って水の大陸に帰ろうと考えていたのだが話を聞くと、それはどうも此の鉄島には無いらしい。ミスミが言うには素の大陸の本島にあるのではないかというのだが、どちらにせよこの鉄島から出る必要がある。まあ此の島でずっと暮らすという選択肢もあるのかもしれないが俺は色々な場所を旅したいのでそんな考えは却下だ。

それにしても、



「此処は暗いな」



と、俺はひとりごちた。

此の島を覆う壁のせいか外に出ても日があまり差さない。


「いつの間にって言ってたけど、あんなでかいもんがあったら普通は気づくだろ・・・」


俺は島の周囲にある鉄の壁を見ながらいつの間にかあの壁があった、というミスミの言葉を思いだし、1人で突っ込んだ。あれが存在するまでに本当は結構長い時間を要したんじゃないか、と思ったがミスミが主張するには洞窟内に引きこもり島の外周を見なかった日は今までに最大でも3日ぐらいしかということなのでそれもないらしい。

目的はともかくとして、あれを造った手段の1つとして俺は魔法の存在を思い浮かべたがそれにしても規模が大きすぎる。

まあ、見た感じで言えばあの大きさなら確かに出入りは不可能なのだろう。物理的に。召喚の魔法や転送の魔法だと何故か壁を無視して出入りが可能だが、それはおそらく、


「魔法だとあの壁の上を通るような感じになるってことなんだろうか・・・?」


俺は島を取り囲む壁の天辺あたりを見ながら呟いた。ここからでは切れ目は見えないが。


「ん?じゃあ、それなら鳥とかなら出入りが可能じゃないのか?」


ちなみに俺がこうして考えたこと、思いついたことを独り言を呟くのは歩くときの暇潰しだ。

まあそれはいいとして、前方に何やら見えてきた。


「あの建物か?」


ようやくそれらしい巨大な建物が見えてきたため俺は安堵して再度呟いた。





〜〜〜





祈祷師(きとうし)に?」


ガルディア・ソーイが驚いたように言った。

水龍の祠からこの王都に移動した私達はこのレヴィアス国の王へと会いに行っていたアズト達と合流した。


「そうだ。事は急を要する。いくら奴の腕が立つとは言ってもまだ年若い。いきなり見知らぬ土地へと飛ばされれば平常心ではいられないだろうからな。どのような出来事に巻き込まれるとも限らん」



私はガルディアと行動を共にしていたアズトの顔を見ながら言った。

当のアズトは、


「私達と別行動している間にそんなことがあったのですね・・・」


私の顔を見ながら呆然としている。


「ああ。奴が、トウヤが消えてから既に3日は経つ。私の言えた義理ではないかも知れんが別の大陸に行ったということは行方に全く心当たりが無いに等しい。だから以前ガルディアが指針としていたように、」


祈祷師の力を借りたい、と私は言った。


「だが、ミシル氏?我等はレヴィアタン探索団の名を冠するように専門は神獣を探すことだぞ。我が王の許可が下りない可能性が高いのだが・・・」


ガルディアが私に向かって申し訳なさそうに言うが、


「あたしが頼んでみましょうか?」


私の傍らに居た少女がガルディアにそう提案した。


「君は?」


怪訝そうにガルディアが言うがそれはもっともなことだろう。何せ言い出したのは見た目は年端もいかない少女だ。


「あたしはシエル・スサノオーーーーーー」



少女が名乗り交渉中し始めた。

その間に私はサラマンドラへと話しかけた。



「貴様の仇敵・・・デュカストテレスとやらは結局何処へ行ったのだ?」


『・・・さあの。奴は突然現れて何処かへと消える。そういう存在じゃ・・・』


少年の姿をした神獣は吐き捨てるようにそう言う。


「神出鬼没、というやつか。まるで、何処かの女のようだな・・・」


私は今までに幾度となくさんざん翻弄された存在の顔を思いだし僅かに眉間に皺を寄せた。


「・・・しかし、あの方を貴様が追い詰めるほど腕を上げるとはな?私は人間の精神力とやらを見くびっていたようだ・・・」


「ほう・・・貴様はあの話を信じたというわけか?」


そう言えば、私が闇の大陸にてデュカ・リーナを一度は倒したという話をフェン・クレアスがジン・ガトウへと話しているようだったが。自分の種族の強さを何より誇りに思っているようなこの鬼族の強者が話だけで納得できるものか?と疑問に思い私はそう言った。


「そうだな・・・確かにあのフェンという若者の話だけではすんなりと納得はしなかったとは思うが。今の貴様が持つ雰囲気を考慮すれば納得できる・・・」


「私が持つ魔力のことか?だが私の魔力は精々貴様とそうは変わらない程度に感じるのだが?」


「ふん。確かに魔力だけならば互角、いやむしろ私のほうが上だ。だが貴様にはあの人間特有の力があるだろう?悔しいがそれらを全て併せると貴様があの方を上回る、というのもまんざらおかしくはないと感じただけだ」


「成程・・・つまり貴様は魔力だけでなく他者のオーラやプラーナまでも感知することができる、ということか・・・」


「そういうことだ」


自分や他者の力量を冷静に分析する奴だ。この者が鬼族で最も強い、というのも肯けないではないな・・・それにオーラを感じることができるとは鬼族とはいったい?と私が密かに感心していると、


「さあ、行きましょう!レヴィアス王のところへ!」


「スサノオ?話がまとまったのか?」


交渉がやけに早かったと思いシエル・スサノオへと尋ねてみると、


「ええ、ガルディアさんが話の分かる人だったから!ねっ?」


シエル・スサノオはガルディア・ソーイに微笑んで言った。


「はい、勿論です!では行きましょう、カグツチの姫様!」


そんなガルディアの声を契機に私達はレヴィアス王の居る城を目指すべく移動を開始した。





〜〜〜






「ーーー式?、ですか?」


ノルエルが何故か驚いて私に聞き返してきた。よく聞こえなかったのかしら?

最初の一体を起動させた要領で他の二体の精気兵も同じように起動させようとした私だったが、


「で、ですがこれが今のところこれが唯一動いているものですから、そこまで早急に名前をつける必要はないのではありませんか?」


何を慌てたように言っているのかは分からないが、確かにノルエルの言うとおり他の精気兵は今のところは起動させていない。

というのは、


「ふざけたことを。実際に精気兵を起動させた功績は認めてやらんでもないが、そのような名前で今後あれを使うわけにはいかんぞ!」


「フェニス・カハラ?私の命名の何が不満なのかしら?・・・・・・やはりというか貴方はノルエルと違って頭が堅そうだから新しいものへの抵抗もあるのかしらねえ・・・?」


他に寝かされていた精気兵へと精気を注ぎ込む前にノルエルがこの島で一番のお偉いさん、つまりフェニス・カハラに一体が動き出した結果報告と併せて他のものへ手を加えること、つまりプラーナを注ぐことのお伺いを立てにいったところ、どうしてか他の精気兵に関しての許可は取れなかったらしい。

推測ではあるが私が懸念したのと同じことをおそらくこのおっさんも思ったのではないかと思う。私が、精気兵を三体動かすことによる弊害。鬼族にとってはだが。それを先回りして考えたのでは?



「ぬ、ぐ・・・違う!私が今言ったのは二体目以降を稼働させることとは別に関係はない。そもそも私は二体目以降の稼働を完全に禁じたわけではなく、次の稼働を行う前にもう暫く起動させた一体目の経過を見ろと言っただけだ!」


私が睨み付けるとフェニス・カハラは後退りしそうな態勢で言い訳がましく言う。



「へえ、そう。それで?違う、というのは何が違うのかしら?」


「だから、貴様が名付けたその名前そのものに不満があると言っているのだ!」


?このおっさんは耳が遠いのだろうか、よく聞こえなかったのか?もしくは聞き間違えをしたのだろうか?私の名付けたあの素晴らしい名前を。


「フェニス・カハラ?よく聞こえなかったのかしら?私がさっき言ったのはこの子の名前。2番目の精気兵で銀牙ニ(ぎんがにしき)。その色合い、強さや闘争心、技の多彩さから銀色の牙、それに今まで稼働していたものと区別するため、二番目に動いたということでニ式、何より私の技を使えて私のプラーナから動力を取っているのだからニルナのニという字を入れてニ式。その素晴らしい名前の何がご不満なのかしら?」


私は丸太のような形をした銀色の身体を撫でながらフェニス・カハラへ言った。今度は名前だけではなくきっちりと名前の意味を教えてやりながら。



「・・・・・・」


「・・・・・・」



何だろう?ノルエルとフェニス・カハラが何やら顔を見合わせているが?



「あ、あのですねニルナ?本気、で仰って、いるの、ですよね?」


「もちろんよノルエル♪」


何故か躊躇いがちに私に尋ねてきたノルエルに私は笑顔で答えてやった。



「そう、ですか・・・」


「・・・・・・もういい、わかった。貴様の好きに呼べ・・・」



フェニス・カハラが何やら肩を落としてそう言った。何か嫌なことでもあったのだろうか。


そんなどうでもいいことはともかく、私は動きだした銀色の物体に格好いい名前を付けることができて満足していた。




「(奴は本気であの名前を押し通すつもりか?)」

「(え、ええ。冗談を言うような方ではありませんし、あの表情を見れば・・・)」

「(そうか・・・人間の名付け方というのは変わっているな・・・いや、奴だけなのか・・・?)」

「(どうでしょう・・・しかし、ああまで自身満々に言われてはこちらとしては・・・)」




?あの2人は何をこそこそと話しているのだろう?

その話の内容はよく聞こえなかった。





〜〜〜






何処だ?


俺は建物の中に入ってそれらしい場所を探していたが、


「テツジンノマって場所が分からん」


何しろこの建物の中には、


「どの扉だ?」



入口らしきところから入って中を見てみると3つほど扉がある。

それに、その建物の中で俺は今までに見たことがないようなものを見た。


「何でこんなに明るいんだ?建物の中のほうが外よりも明るいってどういうことだよ?」


俺が家で暮らしていた時や宿に泊まった時は、夜になれ暗くなれば灯籠に火を灯して明かりを取っていたのだが、この建物には灯籠らしきものがない。なのに明るい・・・どういうことだ?


「光源らしきものはあるが、あんな形や脆そうな材質で燃料の燃焼が保てるものなのか?」


基本的に灯りを使う時に燃焼する燃料は油ではあるが、それを考えるとあの細長い棒に油が入っているのか?それにしては細長いし何かの結晶みたいな容れ物だし、何より、


「何であんな高いところに固定してあるんだろう?」


俺は天井を見上げて呟いた。普通に手を伸ばしても届かないぐらいの高い天井になっているこの建物は目測で約七〜八mぐらいはありそうなんだが?その天井に10個以上はその光源らしきものが固定されている。とは言えその全てが光を発しているわけでもないが・・・あれでは燃料を補充するのにも一苦労だろう。

まあ、人の家についてあれこれ思ってもしょうがない。と、気を取り直し此処に来た目的を果たすことにした。


「面倒だけど順番に開けてみるか・・・」


俺は取りあえず3つある扉のうち真ん中にある一番大きな扉の取手に手をかけた。

そして扉を開けると、


「・・・当たりか?」


その部屋の中には巨大な何かが居た。さっきまで居た入口から入ってすぐの玄関?らしき広いところとは違い真っ暗で良く見えないが気配を感じたので俺はミスミに貰った武器を手に持って身構えた。

魔物か?いや獣か?


『・・・・・・シャ、カンチ」


!?

喋った?魔力らしきものは感じないので魔物ではないだろうが・・・

俺はこの巨大な奴は喋るので実は人間なのでは?と思った。


ガシャ、ガシャ、ガシャ


「何だっ?」


暗い部屋の中から何か音が聞こえたので俺はさらに警戒した。金属が擦れるような音、ということは何か得物を持っているのだろう。射程の長いこれで突いてみるか。


『・・・シンニュウシャ、カンチ・・・・・・ハイジョ、カイシ・・・』


「またしゃべっ!うわっ!」


ガンッ!


その部屋の入口に立っていたおれは何か硬い質量のあるものにぶつかられた感触を覚え数mほど後方に押し飛ばされ先程まで居た明るい部屋まで出た。凄い速さで。


「何だ今のは?」


先程からオーラを展開させて身体を強化しているので特に痛みはないが、不意の攻撃が見えずに驚いた。

そして、


「人間じゃ、ないよな?」


俺に続いてその部屋から出てきた巨大な奴はどう見ても人間ではなかった。そして獣の類でもない。

何しろそいつは、


「鉄の塊・・・なのか?」


身長は3mを超すだろうその巨体の皮膚はどう見ても硬質な金属のそれだった。


『シンニュウシャ、ハイジョ』


ドッ、という音がしたと思ったらその巨大な奴が此方へ突進してきた。さっきの衝撃もこの体当たりだったのか?だが、


「そうそう喰らうか!」


俺は姿を視認できるようになったそいつの突進を難なく右に動いて躱した。


キキーッ、ドッ


だが、勢い余って俺の後方にまで突進したそいつは急停止し再度俺に向かって突進してきた。


「でかいわりに立て直しが速いなっ!」


しかしその動きを見切った俺は再度その突進を躱しつつそいつが俺の横を通り過ぎようとするタイミングで突いた。手に持つ槍で。


ズガンッ!

バチバチ!


手ごたえはあった、けどちょっとまてミスミ。何だ今のは?穂先から火花が飛び散ったように見えたぞ?

と、俺は心の中でこの槍を俺に渡した持ち主に突っ込んだ。


ボンッ

プシューッ


見ると今まで動いていたその鉄の塊の奴から白煙が出ている。えっ?俺の今の一撃でああなったのか?


「・・・確かに只の槍じゃないが下手すりゃ俺が危ないだろ・・・・・・」


俺は急に動かなくなった鉄の塊と手に持っている槍を交互に見ながら嘆息した。




▽▽▽




「とりあえずこの鉄剣でいいや」


俺は何でも好きな得物を持って行けというミスミの言葉によって何か使えそうな武器を探していたんだが、


「はぁっ!?どういうことだトウヤ!?」


何かミスミが俺に怒鳴ってきた。


「いやな、ミスミ?お前には悪いが俺が欲しいものはこの中にないんだ。今まで炎斬をずっと使ってたからあれ以上馴染むもの、っていうか武器が持つ雰囲気というか・・・だから、」


俺はミスミの機嫌を必要以上に損ねないよう慎重に言葉を選んで話した。


「・・・・・・つまり私の造ったものじゃあ物足りない、と。お前はそう言うんだなトウヤ!?」


だが、やはりミスミは俺の言葉を聞いて声を荒げた。


「い、いやそうは言ってないだろ?どれもちゃんと鍛えられてるものだから俺はこれだけがあれば充分だ、ってことをだな、」


慌てて俺は手に取った何の変哲もない鉄の剣を掲げて見せた。


「・・・ほんとか?」


「あ、ああ」


俺の言い訳?に納得したのかミスミは大人しく尋ねてきた。


「・・・しかし我はそれだけでは心許ないと思うのだが?」


!?何で宥めたものをわざわざ挑発するんだこの牛は?


「・・・・・・ほう。それは何故だタウラ?」

「うっ・・・べ、別に貴様の武器が云々というわけではないぞミスミ?だが以前我があの場所を訪れたときには、自身の身に何が起こったのかすら不明だったため、そのような得体の知れないところへ行く前には、それなりの備えが必要だと考えただけだ・・・」



何やら怯えたようにタウラは言うが、



「お前にしては周到だな。まあ、そのとおりかもしれないな。で、トウヤ?お前は此処にある武器はどれも大差がないと思って適当にそれを選んだってことか?」



「平たく言えばそうなるな。でも素手よりはかなりやりやすくなると思うぞ?」

「・・・・・・」


俺がそう答えるとミスミは何やら黙って考えるような素振りをし始めた。



「ミスミ?」


「どうしたミスミ?」



俺とタウラが尋ねると、



「少し待ってろ!」



ミスミはそう言いながらおもむろに立ち上がり何処かへ行ってしまった。

いや、まあ何処かというか洞窟の奥に行っただけだが。


「?」

「?」



その場に残された俺とタウラはわけが解らず顔を見合わせた。



暫くしてミスミが戻ってきた。が、



「ミスミ?それは?」



ミスミが手に持っていた槍?らしきものを指して俺は尋ねた。



「これはな、私がこの島に来る前に・・・」




△△△





「あーっ!」



!?

俺が手に持っている槍を見ながらミスミとのやり取りを思いだしていると、そんな声が聞こえた。



「やっぱりそうね!回路がおかしくなってると思ったら・・・」


そいつは、俺の一撃で地面に倒れている鉄の塊を見ながら驚いていた。その白い服を来た眼鏡の女は。

・・・今こいつが言ったカイロって何だろう?

俺がふとした疑問を覚えていると、



「・・・君がやったの?」

「まあ・・・そうなるな」

女が眼鏡の奥の目を光らせて俺に聞いてきたのでそれに答えてやった。

やった、というのは俺が鉄の塊を動かなくしたことだろうと思い俺は頷いたが、言動からするとこいつはおそらく鉄の塊の仲間なのだろう。

だからもしかすると、


「そう・・・・・・もしかして君は、ドワーフ・・・?」



俺に攻撃してくるかと思ったがそんな素振りもない。だが、俺をまじまじと見ていたこの女、二十歳代半ばから後半ぐらい?の女は何故そんなことを聞くのだろうか。ミスミの話によればドワーフという種族の見た目は、確かに俺やミスミと同じ黒髪らしいがその背丈は高い奴でも精々150㎝程度らしい(ちなみに俺は170㎝に僅かに足りないぐらいだ)のでドワーフ族という名前を知っているぐらいならその特徴も知っていそうなものだが。



「いや、違うぞ。俺は人間だ。お前は何でそう思ったんだ?それにお前はいったい誰なんだ?何で此処に居る?」


理由と一緒に俺がその女が何者かを尋ねると、



「人間ね・・・どうやら、君には特殊なチカラがあるようね。いいわ教えてあげるーーーーーー」



・・・?

自分がどういう奴かをこいつが喋ったが俺はいまいち意味がよく解らなかった。こいつはこの島で何かを研究しておりカガクだのマガクだの、そういったものを調べたりすることを生業にしているらしい。

元々はこの島ではなく素の大陸に居たが調査の為にこの島に来たところ突然現れたあの壁で帰ることができなくなったとか。

それでこの島にある素材と自分の知識を活用して造ったのが、



「この鉄の塊か」


「そう。まだ試作品だけどね」



女はそう言いながら鉄の塊の傍にしゃがみこんで何やら点検らしきことを始めた。



「それで?何で俺をドワーフだと勘違いした?」


「何で、って?それを・・・ブリューナクっていうのはドワーフにしか扱えないものなのでしょう?」


女は鉄の塊から視線を俺のほうに向けて呆れたように言った。

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