第34話〜生命の樹〜
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俺が買って帰った薬が効いたのか、もしくは興奮のあまり病気が吹き飛んだのか、それとも仮病?いやそれはないか・・・
ともかくネクが全快した様子になったので、俺達はまずリシナ達と合流するため王都にある図書館を目指すことにした。
今から合流する奴等は皆女だぞ、とフェンに説明すると、
「トウヤの連れは女ばっかりだな・・・」
とフェンが自分のことを棚に上げて呆れたように言った。
「フェンもそうでしょ」
ネクが俺と同じ感想をフェンに突っ込んだ。
ちなみに先ほどフェンの泊まっている宿に行きフェンを連れていく旨を2人の女のお供の人に話したが、快く承諾された。
しかもその際にその2人は何か生温い目でフェンを見ていた。まあ、あの2人はフェンよりも大分歳上みたいな感じだったからな。
日頃から年下の腕白坊主の行動を微笑ましく思っているのだろう。
そう言えば不束者ですがよろしく、とか何とか言われたが・・・まあ風の大陸特有の冗談か何かだろう。
「言われてみれば今はそうだな。水の大陸に来る船旅はそうでもなかったけどな・・・」
アズトやミシル、ガルディアとその仲間と、むしろ野郎だらけだったような。
「まあそれもミシルを見つけたら多少違うだろ」
「そいつは強いのか?」
「ああ、強い。でも早く見つけなきゃな」
レヴィアタンの話だとミシルはおそらく魔物の巣窟・・・闇の大陸に行ったとのことなのでいくらミシルが強いといってもあまり長い間ほったらかしにするわけにもいかない。
それに、あいつが魔物に会って戦ったとか魔力を放出したとかいう話も気になる・・・
「とにかく、先ずはリシナ達と合流するか・・・」
俺は誰にともなく呟いた。
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ニルナ・カナワは大丈夫かしら・・・
シエル・スサノオは今さらながら帰路の船上でそんなことを思った。
結局あの後お互いの妥協案として、互いの国で中核となる人物を交換して次回来訪まで見物がてら置いてみてはどうか、という意見が出た。
その意見はそれなりに理に叶ったものだったので特に反対する者もなくまとまった。
だが、その場での人選は中々難航した。
鬼族の中核人物はあの場に居た4人(4柱というらしいが)だったので、誰か1人がカグツチに来る、というのは当たり前の意見だと思い此方から提案したが、フェニス・カハラが難色を示した。曰く、島の代表である4柱が島を離れるわけにはいかない、とかなんとか。
それは何故かと聞いたら、最たる理由としては4柱とは戦闘の実力順で決まっており侵入者が入島するなど有事の際にはその排除のために戦力が必要だ、とかだった。
それならばと此方からも4柱に匹敵する戦闘力を持つ者を出せばその問題は解決するのでは?と提案すると、いやそれでは力不足となり治安がどうのこうのと言い出した。
交渉を長引かせないためにあたしはガロウとニルナ・カナワに模擬戦をさせてみることにした。
結果・・・鬼族は全員怯えていた。それだけ強さに差があるらしい。
あの2人の戦い、お互いに殺気だらけだったが、その圧倒的な強さを目の当たりにしそれまでとは手のひらを返したように交渉が順調に進んだ。
具体的には、
「貴方は鬼ヶ島から初めて外に出るの、ジン・ガトウ?」
ニルナ・カナワとジン・ガトウの交換、ということで話がついた。
なんでもジン・ガトウは戦闘面では鬼ヶ島で一番強くまた頭も切れ性格は沈着冷静とのことなので交換するには適任、という話になった。
此方側の人選は強さだけで言えばガロウ、もしくはニルナ・カナワだったが、ガロウは警備部の総隊長という立場からカグツチを空けるのはこれまた不適なので自然とニルナ・カナワに、ということになったが。
「私は特に異存は無いが、あの者を代わりに置いてよかったのか?」
ジン・ガトウが言うように強さだけで見れば一見此方と彼方の釣り合いが取れていないように見える。
しかし、ニルナ・カナワは政府の役職に何ら就いてはいないし、何か本人も鬼ヶ島に残りたそうな素振りを見せていたので最終的にあたしの独断でニルナ・カナワを代わりに残すことに決めた。
順調に事が進めば一月もかからないで再度鬼ヶ島に行けるだろうし、その間の生活や安全は保障するとお互いに約定を結んだので大丈夫だろう。
それに。
いざとなればニルナ・カナワのあの強さで何とかなるだろうし・・・
「ええ。それは大丈夫。貴方が心配することじゃないわ」
あたしがジン・ガトウに安心するように言うと、
「そうか・・・闘神の子孫がそう言うならばそれは正しいのだろうが。それにしても魔物の活性化とはな。私は、いや私達は何故今になって貴様らが本格的に神獣を求めたのか疑問に思っていたがそういうことだったのか・・・」
鬼ヶ島に再度赴いた理由、そして此方に敵対の意志がないことを示すため、現在火の大陸が置かれている状況を話した。
鬼族は思いの外驚いていた様子だったが、それはそうだろう。どういう理由かは分からないが鬼ヶ島に魔物自体が存在しないのだから。つまり彼等の敵は私達、つまり人間だけだということだ・・・
「ええ。活性化した理由は見当もつかないけど、襲ってくる魔物に対しての対抗策は多いほうが安全でしょう?神獣の力を借りたかった、というわけ」
「成る程な・・・しかし現在の火の大陸の人間の強さなら多少活性化しようが火の大陸に居る魔物ぐらいは全て駆逐できるのではないか?」
「・・・貴方は余程強さを感じたのね。あの2人に」
実際見てはないが、報告に因ればこのジン・ガトウという鬼族は強力な魔法を使い強さに自信があるらしい。鬼ヶ島最強の鬼族らしいし。そのジン・ガトウがそこまであの2人の実力を認めているということは、プラーナとやらの力は魔法にもひけをとらないぐらい強力なものなのだろう。
・・・頼もしいわね。
「ああ。いや、あの2人も確かに恐ろしく強かったが、私はもう1人貴様らの仲間で強力な者を知っているのでな・・・」
と、以前来たアズト・ミタラ率いる探索隊の人物について言った。
なんでもこのジン・ガトウは鬼族の中でも珍しい能力、他者の魔力量やオーラやプラーナ量を量ることができるという話だ。
その両方は単純に比べられるものではないとのことだが。
その能力に因れば正確な数値的には不明だが、以前感じたある者から感じたプレッシャーのほうがガロウやニルナ・カナワから感じたそれよりも大きかったとか。
「多分その人物は今火の大陸には居ないと思うわ」
人間の少年のような見た目、ということなのでおそらくはトウヤ・ヒノカのことを言っているのだろう。ガロウを急激に強くさせ、ニルナ・カナワを鍛え上げた、オーラの達人タチオ・ヒノカの息子、そしておそらくは三大英雄の血を引く者。
「それに、我等の始祖に牙を剥いたあの、」
騎士、とガトウは言うが・・・?
話を聞くと突如現れた自分達の始祖、つまり私達が魔神と呼ぶ存在だろうが、その存在に強い怨みを抱いていた金色の髪をした人間が居たらしい。
その人間は、強さはともかく鬼族、特にその始祖に仇なす人物ではないか、とガトウは言うが・・・
「それは報告の不備ね・・・」
アズト・ミタラが意図的にその人物の名を報告書に載せてなかったのだろう。
鬼族と交戦した、としか書かれてなかったが。
日頃なら気にも留めないが現在の状況のように人間と鬼族が歩み寄ろうとしている中でそんな人物が居るのはあまり良いとは言えない。まずはアズト・ミタラを捕まえて人物を特定し釘を刺しておかなければ、今後条約を結ぶ際に響いてくる。
「まあ、そのあたりは此方で対処するから。
それと火の大陸に帰ってから、もしかしたら貴方に手伝ってもらうことが出てくるかもしれないからそれは頭に留めておいてね」
「心得ている。そういう約束で私達は交換という条件を呑んだのだ」
と、ジン・ガトウは言う。帰ってからクニツナを使ってあることをしようと思っているのでおそらくそれを手伝ってもらう状況になるだろうから先手を打っておかなければ。
鬼族・・・やはり基本的には人間とそう変わらない、か・・・
あたしはフェニックスとの会話の内容はまだ誰にも言っていないが、その内容を思い出して1人納得していた。
〜〜〜
「・・・破壊力や攻撃範囲は凄まじいが・・・」
・・・私は黒竜の黒焔をかわし、
「・・・速度は然程でもないな、黒竜・・・!」
・・・目の前の巨木を駆けあがった。
上空に浮いている黒竜に刃を届かせるために・・・!
「・・・羅神剣、烈空・・・!」
ドシュッ!
・・・巨木を蹴り黒竜の目の高さにまで跳ぶと私は戦いの中で生み出した剣技を繰り出した・・・!
水平に跳ぶ斬撃・・・
その巨体では避けきれまい・・・!
『魔力以外を持つ魔物・・・汝は』
しかし黒竜は防御する素振りすら見せない・・・?
『カアッ!』
・・・黒竜が吼えたかと思えば奴に向かって跳んでいた私の斬撃が霧散した・・・!
「・・・見えぬ咆哮だと?」
・・・奴が口から何かを吐いたようには見えなかった。
『成る程。元は人間か・・・』
「・・・昔の話だがな」
私は生命の樹の枝に片手で掴まりながらそう言った・・・
『・・・ならば汝は何故力を求める?』
「・・・どういう意味だ?」
『魔力を扱える元は人間の魔物・・・それだけで強さを極めている、からだ・・・』
「・・・極めているだと・・・?」
『そうだ・・・人間がその域に達するということはつまりそういうことだ・・・』
「・・・私は強さを極めてなどいない・・・!」
・・・私が言うと黒竜が僅かに驚いたような表情をした。
『ほう・・・魔力を使えないこの場所で曲がりなりにも我に攻撃してきた汝がか・・・』
「・・・そうだ。人を捨て友を斬り闇の大陸を侵略しているという外道を歩む私だが、未だに他者の強さに恐怖を感じる・・・!」
・・・私では獅子を倒すことは可能かもしれないが、もう1つの力の持ち主には及ばぬだろう・・・
『中々面白い人間ではあるな。この場所を守護して幾星霜・・・我が興味を引かれた者は汝が初めてだ・・・』
「・・・だから私は貴様を倒し、新たなチカラを手に入れる・・・!」
『・・・・・・』
そう私が決意を口にすると黒竜は急に押し黙った・・・?
「・・・行くぞ」
『・・・これも業か・・・いいだろう』
・・・私は体内の持てるオーラを限界まで引き上げ、そして・・・
「・・・剣よ、私にチカラを・・・・・・・・・・!」
剣に行き渡るように切っ先にもオーラを集中させた。
『・・・!もしやそれは邪龍の・・・』
・・・?
奴が驚いたように言った・・・?
「・・・何に驚いてるかは知らんが・・・!」
私は言いながら巨木を蹴りその反動で黒竜の眼前に迫りながら、
「・・・羅神剣、螺流旋・・・!」
全身を縦に回転させながら斬りつけた・・・!
バシィッ!
「・・・が・・・!」
速度破壊力共に最大の私の技が・・・
『汝は我を愚鈍な巨獣と同列だと思ったか・・・』
・・・私をその巨大な両の前足で挟み込みながら黒竜はそう言った・・・!
「・・・ぐ・・・凄ま・・じい・速・・さ・・」
みしみしと自分の大鎧が軋む音を聞きながら私は身体の左右から圧迫される感覚を味わった・・・
『中々珍しい力を見たが、所詮は其処が人間の限界。我には克てぬ・・・』
・・・意・・識が・遠、退・・く
・・・私は・・此んな処で・・死ぬ、の・・・か
〜〜〜
薄れゆく意識の中でシンド・ラギが己の命を半ば諦めた。
その時、
ゴォォォォォッ
『・・・!青い炎だと・・・?』
黒竜の鼻面へ向かって一筋の青白い炎が襲いかかった・・・!
『・・・魔力で造り出している・・・?』
青白い炎が黒竜に触れ、黒竜が驚いている・・・
そして、今まで前足で掴んでいた者を放した。
黒竜に触れた青白い炎は消えずに未だ黒竜の顔面あたりに留まっている・・・
「・・・何が、起きた・・・?ムンッ・・・」
黒竜の前足から解放されたシンド・ラギは落下しながら意識を取り戻し、それ以上落ちまいと剣を眼前の巨木に突き刺し落下を止めた。
上空を見ると黒竜の顔は青白い炎に未だ包まれている・・・
「・・・あれは?」
と、その姿を見ながらふと気づいた・・・
魔力を感じる・・・?
黒竜からも己の身体からも突然魔力を感じ始め少し戸惑った・・・
そしてもう1つ・・・
「何者だ・・・!」
シンド・ラギは己と黒竜以外の魔力をもう1つこの場に感じ、それを感じた方向へ向かって叫んだ。
『カアアッ!!』
それと同時に黒竜が先程のように見えない咆哮を吐き、青白い炎が消えた。
『魔力だと・・・?我の魔導結界をうち破ったというのか・・・』
黒竜が驚いたようにそう言った。
「・・・我の、だと?黒竜よ・・・貴様が・・・!」
シンド・ラギがそう言うも黒竜はそれには取り合わず、
『汝はいったい何者だ・・・?並の魔物には我が結界を破ることは不可能な筈・・・!』
と青白い炎を黒竜に向けて放った者へと吠えた。
「さすがに伝説に謳われる樹の守護者ね。あれをかき消すなんて・・・」
デュカ・リーナは感心したようにそう呟いた・・・
〜〜〜
あの魔力・・・?
私は黒竜から離れた場所に居る者の姿を認めて心の何処かが僅かに動いた・・・姿こそ人間の少女のようだが、その身体から迸る魔力の量に違和感を感じた・・・いや、魔力の量もそうだがその魔力の波動の種類に・・・
『我が結界をうち破ってこの場に侵入し、あまつさえ地獄の火炎、とはな・・・それにその膨大な魔力・・・汝は炎王を従えし者なのか・・・?』
「炎王?何のことかは知らないけど。それよりもセフィロトの守護者、黒竜の不敗神話が崩れることを心配したほうがいいのじゃないかしら?」
その少女は黒竜に向かって挑発的に言った。
『ほう・・・汝も我を滅しに訪れたというわけか・・・千客万来だな・・・』
何故かは知らないが魔力が使えるようになった・・・これならば・・・!
「黒竜よ・・・貴様は私が殺す・・・!そこの少女、邪魔をしないでもらおうか・・・!」
魔力を全身に纏いながら、黒竜と少女にそう叫んだ・・・
「・・・貴方は何故黒竜を倒そうとしているの?」
少女が私にそんな疑問をぶつけてきた。
「・・・チカラを手に入れるためだ・・・!より強くなるために・・・」
私は理由を答えてやった。
「?黒竜を倒したら何か力が手に入るの?」
・・・?
「・・・私も詳しく知っているわけではないがそう聞いた・・・」
すると此方に近づいてきた少女は嘆息して、
「それは話がねじ曲がって伝わっているのじゃないかしら?」
「・・・少女よ。貴様は何を知っている・・・?」
「少なくとも貴方よりは多く知っているわ・・・・・・いい?この樹は生命の樹セフィロト。この世界の大地や生物の生命力を吸ってどこまでも成長し続ける生命力の象徴とも言うべき存在。その樹になる実を食べた者は智恵や生命力を授かる、と言われているの。あの黒竜はその樹を護る守護者。龍神界から遣わされたという・・・」
と、目の前の巨木と上空の黒竜を指しながら、私に親が子に諭すような口調でそう言った・・・?
「・・・では」
「そう。力を手に入れるとしても黒竜を倒す必要はないわ・・・もっとも、樹の実を奪おうとする者は黒竜に邪魔されるでしょうから、完全に間違った話というわけでもないでしょうけど」
そしてこの樹はこの世界の生命力を吸収している、ということは・・・
「・・・そういうことか。魔力が使えなかったのはこの樹のせいではなく黒竜の・・・」
結界のせいだ、と気づいた・・・先程から魔力が特に減少していないからだ。
「・・・だが、」
それでも別の疑問は残る・・・
「・・・黒竜は何故私へ嘘を?」
先程の黒竜との会話を思いだし、そう言った。
樹が魔力を吸収する、という・・・
いや、だが。と気づいた。守護者ならば自らの守護するものから外敵を遠ざけようとそのような詭弁を使うこともある、と。
それは納得できる。
しかし・・・
「・・・少女よ、何故私にそのようなことを教える・・・?貴様に何の得がある・・・それに何故先程私を助けた・・・?」
すると少女は被っていたフードを脱ぎ、
「貴方を護るためよ」
額に生える大きな角を私に見せながらそう言った。
「・・・貴様は鬼族なのか?」
私がそう言うと、
「ええ。私は鬼族の始祖、デュカ・リーナ・・・」
デュカ・リーナだと・・・?
「・・・同じ名の老婆には会ったことはある。貴様と同じ鬼族のな・・・」
「ええ。それが、」
ゴォォォォォッ
・・・一瞬上空に魔力の高まりを感じたかと思えば、眼前に黒い焔が迫っていた・・・
「・・・ハッ・・・!」
ズバンッ
だが魔力を扱える今の私はそれを無造作に斬り裂いた・・・
「・・・無駄だ、黒竜・・・魔力を取り戻した私に通じはしない・・・!」
『やはり邪龍の剣・・・』
すると上空の黒竜がそんなことを言った・・・
「・・・邪龍の剣・・・?」
私は愛剣を見て呟いた・・・
『邪悪なる存在に選ばれし魔物、否人間よ・・・汝は闘争から・・・』
と、言いながらその巨体を翻している・・・?
「・・・黒竜よ。何が言いたい・・・?」
『我から贈ろう・・・セフィロトの果実を・・・』
という声が聞こえたかと思うと上空から小さな何かが降ってきた・・・
それを手に取ってみてみると林檎のような見た目をしていた・・・
受け取ったはいいがこれを食したところで新たな力を得られる、というわけではないのか・・・智恵が多少ついたところで・・・
『・・・逃れられぬ運命の汝に安らぎあれ・・・』
そして、黒竜はそう言いながら凄まじい速さで飛び去った・・・どういうことだ・・・?
「どうやら力量差を覚ったようね・・・」
と、私が疑問に思っているとデュカ・リーナがそんなことを言った。
魔力量にそこまで差はなかった筈だが、奴の言っていた邪龍の剣とやらに何かを感じたのか・・・?
「・・・拍子抜けだが・・・」
「まあ本当のところは分からないけれど・・・」
腑に落ちない気はするが、これも我が愛剣の導き、か・・・
と危険を回避した今の状況を無理矢理納得させた・・・
「・・・それはそうと。貴様は私が100年程前に討ったあの鬼族の老婆と何か関係があるのか・・・?」
私は先程途中で途切れた会話を再開した・・・
「ええ、あるわ。そうね・・・何処から話そうかしら・・・」
「・・・それに黒竜の結界に何故割って入れた・・・?いや、何故私達が戦っていることに気づいた・・・?」
「・・・そうね。それも含めて全て話すわ」
と、デュカ・リーナは何故か寂しそうな顔をした・・・?
「実はね・・・貴方は、」
デュカ・リーナが言いにくそうに口にしたその時、
・・・!!
この場所へ近づいて来ている2つの強大な魔力を感じた・・・!
「・・・来たわね。あの騎士達が」
デュカ・リーナも同じく魔力を感じたのかそんなことを呟いた。
「・・・知っているのか?」
私は何故この少女がその2つの魔力、獅子ともう1方の者を知っているのか疑問に思った・・・
「ええ。それよりもここは手を組まない?」
「・・・貴様と私が、か?」
「そう。正直に言うと私だけであの騎士に勝つのは厳しいの・・・ランザー・レオパルドだけなら何とかなるかも知れないけれど・・・」
やはり獅子のことも知っている・・・
先程は結果的にこの少女に命を救われた事実も考え・・・
「・・・いいだろう」
・・・私がそう言うと、
「本当っ?ありがとう神人っ!」
・・・何故かデュカ・リーナは満面の笑みで私に答えた。
それに私の名を・・・?
しばらくして、
「よおっ!闇騎士!」
「・・・デュカ・リーナ・・・今こそ貴様を討つ・・・!」
闇の武を極めた獅子と大きな剣を携えた人間の騎士が現れた・・・




