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第26話〜世界を繋ぐ・・・〜

〜〜〜




[世界は繋がっている]


私はかつて世界の7つの海を股にかけた。

その冒険の旅路にて胸躍る様々な体験をしてきた。

各大陸の人種、動物、人間以外の種族、それらに共通して必要なもの、それは太陽の光。正確に言えば太陽の光によって生み出される目に見えない物質。


〜中略〜

ある大陸に行ったとき聞いた面白い話では、行き方は分からないがこの広い世界以外の何処か遠くに人外の者ばかりが住まう場所があるらしい。私はそれを聞いたとき、持ち前の好奇心と冒険家としての矜持から是非ともその場所に行ってみたいと思ったが、私にその話をしてくれた人外の者は私の力では無理だ、と言った。そう言われるとひねくれ者の私は是が非でも行きたくなる性分のため、手を尽くし何とかその場所へ行く手立てがないかを調べた。その結果・・・・・・

いや、それはこの冒険記に書くものではない。何故ならこの冒険記は私が今までに行った場所、体験を記すものだからだ。

人外の者のみが住まう場所・・・其処に私は未だに行っていないのでそれを書くのはこの冒険記の趣旨に反するし、私は自分で見聞きしていないものはどれだけ信用がおける者から話を聞いたとしても信じないことにしている。

・・・内容が逸れたが。

私はこの世界の様々な場所を踏破した証として、この冒険記を残したいだけである。


〜中略〜

古くから伝わる話の中で私が興味を持ったのは、世界にある7つの大陸には、伝承方法や内容は違えど必ずある1つの言い伝えがあることである。

それは時には、武器であったり竜であったり魔物であったりだとか、様々な違いはあるが、共通するのは大きく別けて二つある。

その存在が神の名を冠するということとその大陸を守護するものだということだ。ちなみに光の出身の私の守護神は、剣として伝承されていた。

この共通点を発見した私は各大陸に行ったとき、まずその伝承の内容を調べた。各大陸唯一無二のものだからか同じ大陸内でも地域によっては細かい内容が違う場合も多々あった。偽の情報を1つずつ検証して潰していき、最終的に残った情報を突き詰めていくと、どの大陸にも必ず1つとある場所がある。

それは大陸によっては竜の住み処、神剣の刺さった山、魔物の巣、と言葉や表現は違うが各大陸に必ず1つその場所がある。

一度私はその場所で不思議な体験をした。

もし、これを読んでいる人が居たら一度自分で試してみてはどうだろうか。

ここで詳細は語らないが1つのヒントをあげよう。

それは、世界は繋がっている、ということだ。そうお気づきの通りこの冒険記の題名だ。

ここまでこの文を読んでくれた懸命な読者なら私が何を言わんとするかお分かりになると思う。


〜中略〜

最後になるが、

私がこの冒険記を遺すのは様々な多くの人逹にこの世界の素晴らしさをもっと知ってもらいこの世界をもっと好きになってもらいたい、ということに他ならない。

私はようやく知りえた人外の住み処「魔界」へ冒険の旅に出ようと思う。

危険な場所だということだが、なに私も一端の冒険家、様々な知識や生きる術があるのでそうそう行き倒れることもないだろう。

上手く見聞でき無事に帰ってこれたらその体験をもとに新たな冒険記を書くのでその時はまた、よろしく。以上で私の30年に亘る世界冒険記を終わる。最後まで付き合ってくれた親愛なる読者へ感謝を込めて




著者

冒険家 ドレム・オロラ



〜〜〜


アズト・ミタラから連れの元ウォルスの王宮護衛騎士ミシル・タイナという男が別行動を取り、かつてウォルスがあった土地しかもレヴィアタンにまつわる何かがある可能性の高い(水龍の祠)という場所を目指す、と聞いたとき私はレヴィアタン探索団団長としても個人的にも是非この目でその場所を確認したいと思った。

と、同時に幼い頃に見た、ある冒険家の冒険記の内容を思い出した。


ただ、私がミシル・タイナに付いて元ウォルスがあったその場所へ行くのはすぐには不可能である。というのも、レヴィアス国から支援を受けている探索団の性質上、探索団団長といえど私には目的地を決定する権限が無いからだ・・・今回火の大陸へ行ったことも、元は祈祷師が場所を探りその結果を王に伝え王から私に命令された、という方式を取ったからである。

であるので、まずは今回の探索の結果を王に報告し、その後にウォルス跡への探索が可能かどうかを王に打診しなければならない。

だから、私は探索団副団長とアズト・ミタラを連れて今、こうして王の下へ向かっている。

しかし・・・隣国(だった)のウォルスにレヴィアタンにまつわる何かがあったなどと。


燭台の周りは最も暗い、という格言をふと思い出し、探索団の行動の指針を効率的に決めるには祈祷師に頼るよりも隣国や他の大陸との国交を深め情報を密にするほうが良いのではないか?とガルディア・ソーイは口に出せないことを思った・・・




〜〜〜





町で歩く人を見るとミシルやガルディア達のように見た目が金色の髪に白い肌の人達が多く目立った。

俺達・・・俺とネクとリシナとアリナとユリナの5人も歩いていると、じろじろと見られたが、そんなに珍しいのか?そんなに頻繁じゃないにしろ火の大陸と水の大陸は交流があるから、この町の人達は火の大陸の奴なんて見慣れてる筈なんだが。(ちなみに貨幣である丸は使えないため、みんなガルディアに両替してもらった。水の大陸の共通の貨幣はデラというらしい。一デラの価値は約五丸と一緒)

ともあれ、昼過ぎにレヴィアスに着き宿に荷を置いた俺達は、今日のところはとりあえず近くを散策しようということで町をぶらっと歩いていた。アズトはガルディアに付き合ってレヴィアスの王に会いこの国での商売の許可を貰いに行くとか。

探索団の連中は王に会いに行くガルディアと副団長以外は船の整備やら仕事やらで何処かに行った。

ミシルは船が大陸に着いてすぐに馬を借りて自分が元居た国へ旅立った。リシナも今日は近くを色々と見たいという双子に付き合い、調べものは明日からするらしい。

そんな感じでレヴィアスに着いた俺達は5人連れだって港がある町を歩いていた。



「あれはもしかして?」


辺りを見渡しながら歩いていた俺は何かを売っている露店に気づいた。

焼き魚!



「十個くれ!」


俺は露店に近づきそう言った。


「また無駄遣いして・・・」


後ろでそんな声が聞こえたが。



「兄ちゃん、大したもんだな!」


焼き魚の露店のおっさんがそんなことを言ったので、

「?何が?」


「いや、何がって兄ちゃん?あんな別嬪さん4人も連れて!まだ、若いのに大したもんじゃねえか。愛人全員連れて旅行か?」

「いや、待てよおっさん!何でそうなる?」


びっくりした。このおっさんは何を言っているんだ?


「えっ?だって、兄ちゃんが4人全員を食わしてるんだろ?それに兄ちゃんの出身の大陸は一夫多妻制じゃないのか?」


「一夫多妻制?・・・・・・ああ、そういうことか」


そう言えば、どこかの大陸では一夫多妻つまり男一人に対して女が複数という、生活費用がかなりかかる制度がある、という話を聞いたことがある。

何でもその大陸ではある時期に大きな流行り病で人口、特に男が大幅に減少した時期があって、その対策としてその大陸では減少した人口を補填するという目的でそういう制度を作ったとか。その大陸は確か・・・



「おっさん。俺は風の大陸の者じゃないぞ」


「あ、そうなのか。じゃあ勘違いしたな。ということは火の大陸なのか」


「そうだ。結婚もしてないしな。それにこれは俺が全部食うために買ったんだ」

「そ、そうか・・・いやな、つい先日も兄ちゃんみたいな黒瞳黒髪の風の大陸出身の男が2人ほど女性を連れて魚を買っていったもんだから。てっきり愛人を連れてレヴィアス旅行が流行ってんのかと思って」


「へえ。風の大陸のやつがな。遠いのにな・・・」


「そうだな。その男も若かったし」


「まあ、どうでもいいや!じゃあなおっさん!」


俺は焼き魚のお代を払いその場を後にした。

4人に合流し、



「何話してたの?」


ただ、焼き魚を買うにしては時間がかかったので、ネクが聞いてきた。


「何というか・・・文化の違いについて、かな」


「ふうん。何の違い?」


「結婚について」


「!?」


「どうした、変な顏して?」


「あ、あんたでも結婚に興味とかあったのっ!?」


「そういうわけじゃなくてだな・・・」


俺は露店のおっさんとのやり取りを話した。

旨いなこれ。



「なんだ・・・」


ネクが何故か拍子抜けしていた。


「まあ、珍しいことでもないさ。以前聞いた話だと風の大陸の奴はよく他の大陸に行くらしいし。

それにしても風の大陸の奴か・・・見た目は火の大陸の奴の見た目に似てるらしいけどどんな顏か見てみたいな」


俺は此処に来たという風の大陸の奴がどんな顔かを考えた。


「きっと、あんたよりは顏がいいでしょうねっ!」


ネクが急に不機嫌そうに言った。なんでだ。




〜〜〜


他の者より一足先に首都カグツチに戻った私は今回の神剣探索の結果をシバ宰相とシエル姫にどう報告しようか、と頭を痛めていた・・・人当たりの良いスサノオ王は姫が元服し政務に携わり始めて間もなく何処かの大陸へ行かれたということらしく少なくとも2ヶ月は首都にご不在である、というのも報告のし難さに拍車をかけている・・・


そうこう悩んでいるうちに執務室に辿り着いてしまった。


「失礼しますっ!サイハですっ!」


執務室の扉を開けると中にはシバ宰相が居た。

?姫は?


「早かったの、ガロウ」


「ええ。早めに対策を練る必要があると判断し私だけ先に走って戻りました」


「走って・・・?お主いったい?いや、それよりもその口ぶりだと結果はあまり芳しくなかったようじゃの。もしや見つからなかったか?」


「ええ・・・今回の結果なのですがーーーーーー」


私は、神剣探索の結果を報告した。




「成程・・・竜、それにオーラか・・・ナシラやお主のいう通り神剣は必要が無いとはいえなんとも間の悪い話ではあるの・・・まあ、オーラに関してはお主の武の腕はこの大陸では最上位に位置するからの。容易く身につけられたのも納得はできるが。」



「・・・それで、いかが致しましょう?先ほど言ったように、イグナで聞いたところトウヤ・ヒノカはどうやら火の大陸を出たらしいのですが」


私が竜と話して皆と相談した次の日にタチオ殿を再度訪ねたら、神剣(と思われるもの)はタチオ殿の先祖が持ち帰っていた、とのことだった。それをつい先日旅に出たご子息のトウヤ・ヒノカが持っており、鬼ヶ島の報告書からトウヤ・ヒノカがアズト・ミタラと共に行動していることを思い出した私がイグナのアズト・ミタラの拠点で足取りを調べたところ、やはりまた一緒に旅に出たらしい、ということが判明した。



「そちらはとりあえず置いておこう。神剣はそれほど重要な案件ではなくなったしの。今は各町村の防衛の強化が最優先じゃ。

・・・それにしても、魔物の活性化の原因はなんじゃろうな・・・学者を交えて一から策を練り直さねばならんの」


シバ宰相が疲れた顔でそう言った。


「そうですね。警備部の者が戻りましたら部隊の細分化や各町村への出張対策について等の話し合いをしようと考えております」



「うむ。そのあたりの案や部隊分けについてははお主に一任してやってもらう。最終的な決定は此方で行うがの」


「了解です。それとオーラに関しては・・・」


「皆が使えれば確かに大幅な戦力増強になるが、時間がの」



「そうですね。自分で言うのもなんですが、適正が低い者は時間がかかります。魔物対策が先ですね・・・」


「うむ。まあそれについては追々の」



「了解しました。ところで姫様はどちらへ?」


「・・・用事があるので休むらしい。もう三日経つが・・・」


苦虫を噛み潰したような顔でシバ宰相はそう言った。


〜〜〜



レヴィアスに着いてから4日目。

俺は宿の近辺にある食堂は大体行ったと思う。

いや、別に食う以外してないとかじゃないぞ?

この辺りはレヴィアスの港町でそこまで珍しいものがあるわけじゃないとはいえ。

そろそろ此処を出てアズト達が向かった王都にでも行こうか、とは考えている。だが未だに此処に留まっている。

それは何故か?



「・・・うー」


「大丈夫か、ネク?」

ネクが一昨日からどうやら風邪をひいたらしい。

それで、1人異国に放っておくわけにもいかず俺は宿に一緒に留まっている、というわけだ。

リシナ達はネクを見捨てていくのは心苦しそうだったが、俺が1人で充分だと断りやっと旅立った。その時何故かにやにやしていた気がしたが・・・


まあ、俺は期限の2週間後までこの港町に居ても構わないと思ってきている。

料理、特に海産物がやたらと旨いからな。

いや、それなりに収穫もあったからだが・・・



「ごめんね、トウヤ・・・色んな町に行きたいでしょ・・・」


「気にすんなって。今読んでるこの書物はすごいぞ。色んな大陸の知識が増えるんだから。治ったらネクも見てみろよ。面白いぞ」



さすがにレヴィアスの玄関口と言うべきか。

料理屋を含め土産物屋、海産物屋、食料屋、そして本屋がこの港町には充実している。

旅に書物は必須だからな。


ところで、俺は子供の時に疑問に思ったことがある。規模の小さいカリュウ村とはいえそれなりに人の出入りはある。

カリュウ村の住民とは違う肌の色・・・褐色の大きなおっさんだったかな?俺は子供のときカリュウ村にやって来たそのおっさんを見てどうしようかと思った。というのは、どう話しかけたらいいのか分からなかったからだ。

だが褐色のおっさんは普通に喋ってくれた。それに見たこともない茶色の甘い食べ物、豆を原料にしたお菓子をくれた。

おっさんの名前はなんだったかな・・・憶えてないがそのときはおっさんが紙に書いた自分の名前を読んだ・・・読めた。


そう、俺が疑問に思ったこと。それは何故同じ人間ではあるが細かな種族で言えば肌の色や髪の色、生まれ育った場所が全て違う者同士なのに喋れば分かるし書いた文字も読めるのか、ということだ。

鬼族や魚民とかだってそうだ。今もこうして俺は水の大陸の書物を普通に読んでいるし。

冒険記と書かれたその書物を読んだら、そんな子供のときふと感じた疑問が解消されたような気がした。

・・・成程。

世界は繋がっている、か。


・・・その書物を途中まで読んだところで小腹が空き、何かネクでも食えそうな軽いものでも買ってくるかと、俺は宿を出た。




〜〜〜


確かこの辺りだったような・・・?

私はあたり一面焼野原となったウォルスを進んで来たが。記憶違いか?

それともあの女の魔導の術で・・・


「いや、もう少し海側だったか?」


ウォルスで騎士をしている当時は自分の職務と鍛練にしか興味がなかったので、王家に伝わるという場所、水龍の祠の正確な場所をいまいちよく憶えていない・・・



「おお・・・此処か。どうやら焼けてはいないようだ」


ミシル・タイナは微かな記憶にあった場所へと辿り着いた。




〜〜〜




不死鳥の血を飲んで魔力がどれだけかつての身体に近づいたか?

それを試すために復讐すべき相手の中で最も弱いアルカード・ブラッディをまず倒したが、失敗したかしら?と私は思った。

あのあと偵察のため闇の大陸の端あたりに行こうとしたら転送魔法が使えなくなっていたからだ。

以前は使えたのに何故?と思ったが、狼がやられたことに警戒した魔導王あたりが転送魔法に対する結界を張ったのだろうと気づいた。

さて、どうやって近づこうか?もしかして今度こそ帰って来れないかも知れない・・・あれを誰かに使ってみたい。等と色々あれこれ考えて、私は人としての生が終わった場所、人以外の生が始まった場所、つまりこの三万年の生の原点に帰ってきて思い出に浸ろうとしたわけだが。

そこで思わぬ出会いがあった。私が会ったその存在・・・火の竜は、三万年前にある者によって岩の姿に封印されていたが、その話を聞くうちにどうやら役に立ちそうな事が判った。

ただ、火の竜は永年封じ込められていたせいか魔力が大きく減少しており回復に時間がかかるのですぐには動けないらしい。

じゃあ助けた甲斐がないじゃない。それに他の竜の眷族はどう探せばいいの。と若干強い口調で尋ねると、火の竜は動けない自分の代わりにと、ある便利な場所を教えてくれた。

それが、


「これね。龍巣(りゅうそう)か・・・」


それは龍巣という各大陸に1つある竜の眷族の拠点らしい。この火の竜の拠点は火の山のさらに奥、洞窟内にあった(本人(竜)は入れないのでは、と思ったが身体を縮めたり姿を人間のように変える術があるらしい)

火の竜の話だとこれを使えばどの大陸の龍巣にも行けるらしいが・・・



「さすがに闇の大陸の龍巣にいきなり行って魔物だらけだとね・・・」



闇の大陸の魔物は理性のない化物が大半だ。しかも異常に強い。やられることはないだろうが目的の者に辿り着く前に魔力をかなり消費してしまうだろう。いや、闇の大陸は障気が濃いから回復も早いか?しかし嗅ぎ付けられそうでもある。色々考えた結果、



「とりあえず試してみましょうか・・・」



私は龍巣の洞窟最奥にあった、魔方陣に近づいた。



「へえ。こんな文字があるのね」


おそらく竜族特有の文字で書かれたのだろう。見たことのない文字が魔方陣に書かれていた。

それの上に乗ると、




「確か・・・この上で行きたい大陸を言えばよかったと言っていたわね」


私は僅かに考えて、



「ものは試しか・・・・・・水の大陸の龍巣へ!」



私が叫ぶと魔方陣が光り輝き、私は温かい何かに包まれる感覚を感じた・・・




デュカ・リーナの姿は火の大陸の龍巣から消えた・・・


〜〜〜




私は記憶にあったその祠、中に泉のあるそこの奥に入った。



「何も居ない、か」



ウォルス王家にのみ伝わるとされるこの場所を私が知った経緯は何のことはない。

何年前だったか、18歳を迎えたウォルス王子が成人になった王家の人間は必ず此処に来て中にある泉の水を一掬い持ち帰らなければならない、という決まった儀式があり1人では魔物などが出たら恐ろしいという王子の警護で王子が私を伴ったため、私はこの場所を知っていただけだ。



「あの中にもしかしたら、神獣が潜んでいるかとも思ったが・・・」



それなりに大きな祠の奥にある泉を見て私は呟いた。


「どう見ても何も居ないな」


それでも一応泉の底まで見てみるか、と思ったときだった。



「光り出した・・・?」



直径五m程度の泉が淡い光を放ちだしたのは。



「もしや、此処は本当に?」


少し興奮して私はその泉を見ていた。



ザバッ!



泉から何かが飛び出るような音がした。



!!?

その姿を見ると、



「・・・聞いてないわね・・・転送した先が水中だなんて・・・」



泉の中から出てきた何かは、私が忘れもしない、忘れようもない、憎き仇の姿をしていた・・・

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