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虚飾の歴史に、夢は解けて【原案準拠】  作者: はる


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第十五.五話 果てない夢の螺旋

『私も、貴方も…本当…嘘つき、なんですから』

『助けてくれるって…言ったのに…嘘つき』

『嘘つき…あなたのせいで…』


 


 私たちは剣を突き立てられて、あなたを何度悲しませたのだろう。


 あなたを何度傷付けたのだろう。

 あなたを何度蔑んだのだろう。

 あなたを何度恨んだのだろう。


 あなたから何を貰っただろう。

 あなたから何を奪っただろう。

 

 あなたに何を残したのだろう。


 誰の記憶かは分からない。けれど、全て私たちなのは分かる。

 



 痛い。

 寒い。

 熱い。

 苦しい。


 傍らには両親たちの無惨な姿と、弟たちの炭があった。


 どうして、私たちがこんな苦しみを味わうの。

 どうして、私は違うの?

 

 あなたはいつも悲しい顔をする。

 私たちはその表情が大好きだった。

 私たちは諦めに似たその表情が、大嫌いだった。


 最初の約束が、あなたを私たちに繋ぎ止めているから、私たちはあなたが大好きで大嫌い。


 だから、悲しまないで。

 だから、苦しまないで。

 だから、悲しんで。

 だから、苦しんで。


 いつまでも。

 いつまでも。

 いつまでも。




 違う。

 私は違う。

 私は私だよ。


 確かに、痛かったよね。苦しかったよね。

 でも、死ねば終わるんだよ。

 だから、繋ぎ止めないで。

 もう、壊れちゃうよ。


 最初は分からなかった。

 最初は怖かった。

 最初は不気味だった。


 でも、最初から私を見ていた。


 それは、私の中の誰かを愛していたから?

 違うよね。

 それは約束だから。

 ただそれだけ。


 本当に、嘘が下手なうそつきだよね。

 あなたが大切にしているのは私たちや私じゃない。

 ただの約束。

 ひとりにしないと言う約束。


 

 ねえ、ファル。

 私は、あなたのその約束に、一言だけ付け足せる日はくるかな。

 そうしたら、私は私のまま、果てない夢の先に行ける気がするよ。


 ファル…あなたは嘘つきなんじゃない。

 たった一つの約束を守る。本当に誠実で、自分にうそつきな――




 そうして、私は激しい錯覚に襲われながら目が覚めた。

 そこには、いつものファルが居たんだ。

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