第七話 学園生活
王都ノルマ魔法学院。そこは大陸全土から才気溢れる若者が集う、最高峰の教育機関だ。試験当日の朝、校門の前には七百人を超える受験者とその関係者がひしめき合い、独特の熱気と緊張感に包まれていた。
試験は大きく分けて三段階。「魔力量測定」「魔導筆記」「実技演習」だ。
まず行われた魔力量測定では、特殊な水晶に手をかざす。常人の平均値を1000とすれば、並の魔法使いで2000から3000。だが、ヘンリーが手をかざした瞬間、水晶はかつてないほどの輝きを放ち、測定限界を突破しそうになった。
「……15000!? 常人の15倍だと!?」
試験官の驚愕の声が響く。幼少期からの夜な夜なの魔力拡張修行、そしてアーナルト大陸での死線、王級魔法使いニキシーとの修行。それら全てが、ヘンリーの体内に規格外の魔力溜まりを形成していた。
続く筆記と実技も、ヘンリーにとっては「復習」でしかなかった。ニキシーから叩き込まれた世界の真理に比べれば、アカデミーの入試問題はあまりに単純だったのだ。結果、ヘンリーは学院創設以来、初となる**「オール満点」**という伝説を打ち立て、入学早々にして「学園最強」の名を欲しいままにした。
王都での新たな絆
入学後、ヘンリーの周りには自然と異色な面々が集まっていった。
ヒン・メノリア:異国の第三王子。中性的な美貌を持ち、ヘンリーの魔法理論に心酔する良き友人。
サンドラ・モスカ:国内屈指の伯爵家令嬢。勝気だが面倒見が良く、ヘンリーの実力をいち早く認めた。
星川 奈々:日本からこの世界へ「転移」してきた少女。現代的な知識を持ち、同じく「向こう側」を知るヘンリーとは深い共鳴を見せる。
アリス・フォン・エリシオン:この王国の第二王女。輝く金髪と豊かな肢体、そして「現代の世界三大美女」の一人と称される美貌を持つ。
メドリオ・グレイ=ベン:アリスの護衛であり、現在はグレイ=ゲイツ領を引き継いでいるベン侯爵家の長男。親戚筋としてヘンリーを注視している。
ヘンリーの圧倒的な実力と、48歳の精神が醸し出す余裕ある大人の包容力は、学園内の女子生徒たちを瞬く間に虜にした。かつてデブだと虐げられ、引きこもっていた男はもういない。
狂乱の学園生活
ヘンリーは自身の欲望に極めて忠実だった。前世での不遇を取り戻すかのように、彼は夜な夜な女子生徒たちと交流を深めた。寮の自室には入れ替わり立ち替わり女子が訪れ、王級魔法使いとしての強靭な体力で、彼女たちの熱い期待に応え続けた。
中でも、特別な関係になったのは星川奈々とアリス王女だった。
奈々とは、異世界の孤独を分かち合うように幾度となく肌を重ねた。入学からわずか半年でその回数は50回を超え、彼女はヘンリーの前でだけは転移者としての仮面を脱ぎ、一人の少女として彼に縋った。
そして、第二王女アリス。彼女との情事は、もはや学園内の公然の秘密(あるいは神話)に近かった。王女という身分でありながら、アリスはヘンリーの野性味溢れる魔力と愛撫に完全に溺れた。
週に何度も密会を繰り返し、半年の間に重ねた夜は70回に及ぶ。
「アンアンアンアンアン...///ソコソコ...//イグイグイグイグイグイグ.....////気持ちィ//次は私が癒すね!パ・イ・ズ・リ・デ❤」
「ヘンリー、あなたがいなければ、私はもう息もできないわ……」
アリスの執着は凄まじく、二人の間には秘密裏に命が宿った。王室の混乱を避けるため、そしてヘンリーの立場を守るため、その事実は極秘事項とされたが、アリスは学園の奥まった離宮で、ヘンリーにそっくりな面差しを持つ幼子を人知れず出産することとなる。王女に子供を産ませるという、前代未聞の不敬。だが、それを「愛」と「実力」でねじ伏せてしまうのが、今のヘンリー・グレイという男だった。
暗雲と、次なる展開
学園最強の座に君臨し、最高級の美女たちを侍らせる。まさに引きこもり時代の妄想を現実に変えたような生活。しかし、ヘンリーの心の一角には、常にあの旅立ったマリアの姿があった。
「……そろそろ、この平穏も終わりかな」
学園のバルコニーから王都を見下ろしながら、ヘンリーは呟く。アリスとの間に子供が生まれたことで、王室との関係、そしてグレイ本家であるベン侯爵家との軋轢は避けられないものとなっていく。
さらに、不穏な影が王都に忍び寄っていた。魔力災害の真実、そしてマリアが追う両親の死の謎。
ヘンリー・グレイの物語は、甘い情事の季節を抜け、再び血と魔法が支配する激動の渦へと飲み込まれようとしていた。




