お城で待ってるタイプのテンプレを外していくスタイル
魔物の持つ属性である邪に対し、特効とも言うべき効果を発揮する聖属性。それを使えるが故の聖女であり、伝説の勇者と聖女というのもどうやら光属性と聖属性のカップルだったらしい。魔王を倒せる程の実力と相性、故に伝説に残される。
であれば、英雄とは何を示す称号なのか。只人では倒せず、その巨体故に大きな被害をもたらす大型の魔物を討伐すればそう呼ばれるかと言われれば、答えは否。その実態は、魔物の中でもその姿が人型に近く、高い能力を持った上位の魔物、魔人の討伐を成した証。
ではなぜそれが偉業と称えられるのか。その答えは、単に魔物と魔人の戦闘力の差、その属性を有意に用いるか否かの差ともいえるだろう。
魔物は、大型であれ小型であれ、その驚異的な身体能力こそ恐ろしく、身に纏う属性は単純な物理現象を無効化するものの適切な規模の集団で袋にすればそれ程恐ろしくはない。特異な個体であれば腕を振るう延長線上を薙ぐ事もあるらしいが、結局はその程度。
故に、魔人の脅威は単純なそれら特徴の強化のみにあらず、魔法を使う点にこそある。知能こそ獣の延長程度だが、その能力は一定以下の実力者をどれだけ集めたところで一方的な蹂躙が発生する程に恐ろしいものだ。
だからこそ、目の前の光景には心底肝を冷やす。直接の対面こそしたことは無いものの、その姿は確かに目にしたことがあるもので。ぶっちゃけて言えば、北の国王が魔人と対峙していた。傍らには今生の父上含む複数名こそいるものの、結局はその程度。
有象無象は足手纏いであることは理屈であって、決して国のトップが出張る事を正当化する理由では無かった気がするんだけれども、確かにその戦闘力は十二分に高い事もまた事実で。この世界は偉いから偉いのではなく、強ければ偉いとかいう修羅の国。
かくして、王城での謁見の予定をすっ飛ばし、戦場で見える事となったのであった。恐らくは学生気分でいる主人公一行に精鋭の戦闘力を見せつける的なイベントだったのだと思うが、正直な話兄上一人でも何とでもできそうというのが感想で。
父上の生み出した炎が、闇ともまた違う空間の歪みに押し曲げられ、返しに放たれた雷撃を複数人がかりで押しとどめる。近接こそ得手としていた父上がその手の槍を振るわないのは、その脇で今にも大剣と共に飛び出しそうな国王を牽制しているからだろう。
加勢した兄上の光砲が、しかし逸らされるのを見て認識を一つ改める。視認せずともあれを防げるだけの障壁と、更には同等の速度で返される返礼は兄上の闇の盾すら半壊させる威力。恐らくは無尽蔵といかない筈の体力を削る消耗戦こそ取るべき方策だろう。
ただまぁ、それがどの程度時間がかかるか分からなかったし、下手をすれば死人すら出かねない事実。もしかすれば覚醒イベントなども想定できるが、多分大丈夫だろうと一歩空を駆ける。振るう剣先が感じる力は防ぐというよりは外側に引き寄せられるかのようで、関係なく2分割。
手足を飛ばし、首を刎ね、万一パーツごとに動けたとしても脅威では無いレベルまで刻んでおく。主人公に脅威と思わせるには役者が不足していたのではないだろうか。




