トークウィズパピー
そうして着替え等が終わり楽な格好になったパパが、机を挟んで幸樹・直美の二人と向き合っています、ご挨拶の時間ですね。
「えーこほん、メールで話を聞いたので事情は大体わかってんだが念の為確認するな、告白待ちまで行ったってマジ?」
「マジ、後は俺がいつ腹括るかだけ」
「マジです、実質勝確で直美ちゃん幸せ状態です」
「おお、そりゃ良かった。いやマジで良かった、本当の本当に良かった、マジで」
「そんなに……?」
直美ちゃんがパパの反応にちょっと困惑しています、まさか自分が渡辺一家に幸樹と結婚することを望まれているとは夢にも思っていない様子。まあそりゃちゃんと黙ってましたからね、我々は慎みのある野次馬なので。
「そりゃおま……いや、これを言う前に一つ確認しとかねぇとな」
うん、それをネタバラシしたら圧力にもなっちゃいますからね。事前に確認しておくのはとても大事です。
「なぁ二人とも、現実的な話は全部抜きにしてだ……将来的に、結婚したいと思ってるか?」
「ンニィ!?」
「直美……そんな奇声を出すほど緊張しちゃって……」
幸樹が落ち着くよう背中をさすってあげています、手慣れた動作です。
「当然のように背中さするじゃん、距離が近いようでなにより」
「付き合い長いからねー、あと結婚はしたいと思ってるよ、そのためなら何でもするつもりだよ」
孫、肯定。
「わわっ私もしたいと思ってるよ! ドン底でもテッペンでも絶対に手離さない心持ちだとも!」
直美ちゃんも肯定しました、いいぞいいぞ。
そこでしっかり結婚したいと答えられるの良いですねーすごく良いですよ、おばあちゃんポイント高いです。あと直美ちゃんはドロっとしたものをちゃんとオブラートに包んだのも偉いですよ、あの子前「フヘヘ……ずっと一緒……死ぬまで一緒……最悪でも一緒に死ねる……フヘヘへ……」とか部屋で言ってたんですよね、おばあちゃん偶然聞いちゃいました、その辺マイルドにできて偉いぞ直美ちゃん。
「よっしそれなら全部言えるわ! よくぞ答えた二人とも!」
「言うって何をさ?」
「何だろね?」
「あのな、今まで黙ってたけどパパとママ、それに生前のじいちゃんとばあちゃんは、お前たちが結婚することを密かに期待していたんだ」
ダイナミックネタバラシです、これには二人もびっくり。
「あれママの冗談じゃなかったの!?」
「まったくそんな気配なかったよね?」
「そりゃそんな無駄にプレッシャーかけるような真似するわけないだろ」
そうですそうです、私たちは賢いですから。
「いやー最初はママとおじいちゃんが言ってただけなんだがな? 幸樹が小三あたりで直美ちゃんがいじめられてるのをなんとかしたいって言い出して、本当になんとかしただろ? あのタイミングで俺とばあちゃんも思ったわけだ「これガチだ」って」
そうそうそうなんです、そのタイミングで私たちは確信したんですよ、「こりゃゴールインするな」と、確かに当時の距離感は友達の範疇でしたがね? 女のためにここまでできるなら、そりゃ将来的に間違いなくくっつくでしょうよ。小三でこれやるリスクってヤバいんですよ、異性と一緒に帰ってる時点で男子からは揶揄われ続けますし、女子連中からも嫌われかねないんです、そんなリスクを負ってまで助けに入れるんだからそりゃくっつきますよ、そんだけ入れ込んでるんですから。
「ただまあ当時は直美ちゃんの気持ちが分からなかったからなぁ、俺たちとしてはまだ他の女の子とくっつくルート分岐もある、有力ヒロインくらいの感覚で思ってたんだ……あっ、伝わってる?」
「伝わってるから大丈夫」
「私なんて告る時にルート固定とか言ったし……うぇ……恥ずかしくなってきた……」
直美ちゃんが自爆しました、顔を覆って机に突っ伏します。
「ごめん幸樹、自爆したから頭撫でて……」
「へーい、全くもうすぐ自爆するんだから」
「仲良いなぁホント、こうなってくれてよかったよマジで」
いやホントパパの言う通りですよ、二人がくっついてくれておばあちゃんも本当に良かったです、是非このまま幸せになってくれ。




