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ハグミープリーズ!-ウチの孫が美少女幼馴染を抱きしめて優勝する話-  作者: 自爆霊


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ミートトゥーパピー!

 どうも、おばあちゃんこと渡辺幸子です。本日は夏休みに入って少し経った七月末、幸樹のパパとママが帰ってくる予定の日となっています。

 孫たちが玄関でパパを待っています、幸樹は割とリラックスしていますが、一緒にいる直美ちゃんは緊張していますね。


「ねえどうしよう、ご挨拶なんだけど」

「直美、気持ちは分かるが落ち着け、ウチの親なんだからだいじゅ……大丈夫だ」

「ねえ幸樹も割と緊張してない? 今噛んだよね、明らかに噛んだよね」

「噛んだ、だってご挨拶だもん、控えめに言ってガッチガチになるわ」


 何故幸樹のパパとママの帰宅に彼女が立ち会っているのか、読者も疑問に思っていることでしょう。答えは簡単、パパとママに「直美ちゃんも呼んどいてちょ、色々話したいんで」と言われたからです。


 おさらいですが幸樹のパパとママは出張であちこち飛び回っています、そして孫はそんな両親と定期的にメールで連絡を取っています、具体的には「セミファイナル喰らって死ぬかと思った」とか割とどうでもいい内容を送っています。そして直美ちゃんのヤバ気な家庭環境をなんとかしたい彼は本人の許可を取り、パパとママにメールで全てを伝えました、実質交際状態なのも全部です。メールを書いてる途中羞恥心で三回くらいダウンしてました、草。相談すること自体はもともと親に「なんか困って調べてもダメそうだったら気軽にメールしな、一緒に悩むから」と言われているから大丈夫ですが、それでもかなり思い切った判断です。そしてそのメールを送った次の日に届いた返信がこちら。




「パパより:二人がようやくくっついたようで俺ぁ嬉しくて仕方ねぇよ、是非諸々話したいから帰る日に直美ちゃん呼んでおいておくれ。あっ怖い話じゃないからね? 本当だよ? 直美ちゃんがビビッて逃げないよう頑張って説得してな、頼むぞ。

 追伸:家庭云々の話は分かった、なんとかするから安心せい、お前がちゃんと直美ちゃんの助けになっていてパパは嬉しいぞ」


「ママより:良くぞ直美ちゃんのハートを射止めたぞ我が息子よ、それでこそ渡辺の血を引く者だ。そうそう付き合ったからって好感度稼ぎやめたりすんなよー? 好感度ってのは青天井なんだ、稼げば稼ぐだけ幸せになれると思っていい、実際ママはパパへの好感度が結婚当初の三倍は貯まってるわ、マジ幸せ。聞き取り調査するから帰る日に直美ちゃん呼んどいてねー。

 追伸:直美ちゃんのお家騒動はパパと話したから大丈夫よー、安心してママたちに任せなさいな。あと避妊はしっかりね、大事よ」




 なんというか、どういう人たちなのか分かってもらえたと思います。あとママのメールを読んだ幸樹は飲んでた麦茶を吹き出しかけてました、そりゃそうだ。そして直美ちゃんも「私が呼び出されたって本当? ちょっとメール見せて、いや幸樹のことは信用してるけど怖すぎてね? やっぱ確認はしておきたいじゃん?? オラッ見せろォ!」とメールを読んで、これまた吹き出しそうになってました、そりゃそうだ。とはいえ大事なことですからね、言っておくべきなのは確かです、それにしたってもうちょっと伝え方がある気もしますが。

 緊張した二人が「ヤベェよヤベェよ」「マジヤベェ」と下がった知能指数で話すことしばらく、チャイムの音が『ピンポーン』と響き、二人に死の宣告が下ります。いや死にませんけど。


「ッピィ!?」

「ビックリしたぁ!? ちょっと直美やめてよ死ぬかと思ったじゃん!」

「だだっだって仕方ないじゃん!? どうしよ開けるしかないよあばっばっばばば」


 直美ちゃん、パニック。ダメそうですねこれは、見栄を張ることも出来ずいつも通りの直美ちゃんを幸樹パパに見られてしまうことになりそうです。つまり無問題ですね? やったね直美ちゃん、君の未来は明るいぞ。

 幸樹は頑張って緊張を抑えて、パニクってる直美ちゃんを落ち着けようとしています、ダメそうなのは変わりませんけど。


「落ち着け俺が開ける、直美は俺の後ろに隠れ『ガチャリ』ッピャ!?!?」

「なにそのけったいな奇声……楽しそうにしてるとこゴメンな、でも鍵を持ってりゃ開けないわけにもいかないじゃん?」


 覚悟を決める時間も与えず鍵を開けて、幸樹のパパにして我が息子である渡辺直樹(39歳)が一年ぶりの帰宅を果たしました。大容量のボストンバッグを苦も無く肩にかける姿からは出張に慣れた様子が見て取れます、どこか可愛げのある顔立ちは見る者に年齢よりも若い印象を抱かせ、その表情は困惑に染まっていました。

 パパの奇襲に幸樹は比較的落ち着いていますが……直美ちゃんはダメですね、孫の後ろに引っ付いて縮こまっています、これにはパパも困惑の極み。直美ちゃん気持ちは分かりますけどそんなに怯えなくても良いのでは、昔から普通に話してたでしょあなた、何今更はじめましてみたいな感じになってるんですか。


「お帰りパパ、元気そうで良かったよマジで」

「ただいま幸樹、お前も元気そうでなによりだ。ところで……直美ちゃんはなんでそんなことになってんの……?」

「(プルプルと震えながら力一杯孫に掴まっている)」


 何も言えなくなってますよこの子、そりゃパパも困惑しますわ。


「あ~……一言で言うとご挨拶だから緊張しまくってる。ほら、修羅場と言えばみたいなとこあるじゃん?」

「なるほど、なるほど……? いや、それにしても怯えすぎじゃない……?」

「多分浮かれてるのもある。ほら直美? せめてお帰りは言っとき?」

「あっはい。幸樹パパおかえり~、変わらず元気そうで良かったよ~。それじゃ幸樹、あとよろしく……」

「おうよ、直美ちゃんも元気そうで……まあ、四捨五入すれば元気そうで良かったよ、うん」


 そう言って力を使い果たした直美ちゃんはスッ……と孫の後ろに戻っていきました。切り替えがキッチリしてていいですね、キッチリし過ぎてコントみたいになってますけど。

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