表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
102/193

46話 明無心掴手 Ⅹ 執念の可能性

今回、各キャラの所持マガジン変動が大きく、灯サイドとクロサイドは若干時間の差異があるので本編に載せました。

「攻撃しないのか、先輩っ!!」


「こっちはあなたが何を使用したのか分かるのよ。下手なことできないわ」


「アイツは崩れた家の中……暫く来ない。一対一の対決だな!!!」


「さっき言わなかったからし。『力を頂くと』ね。これな〜んだ!」


「そ、それはっ!!??!?」


 先輩が持っていたのはマガジン。青白色のやつ……。ってことは……


「いつの間にダイヤを奪った」


「以前、手癖の悪いソドールと闘ってね。面白そうだから練習していたけど、まさか、ここで使うことになるとはね……」


 俺は地面を蹴り前に進む。今ならまだとり戻れると考えたからだ。しかし横から4本のバカでかい緑色の蔦が出る。その根本にルージュの野郎が座っていた。


「いや〜 やりますね! 先輩!」


「なんだ。死ななかったようね。残念……」


「えっ! こいつの出した蔦がクッションになってなんとか生き残りました。まぁ、無傷とは行きませんでいたけど」

 私はルージュの姿を見る。あちこち爆発で生じた傷や家の中にあったであろう物に引っ掛かれるなどで痛々しく目立つ格好になっていた。


「四肢は無事ですしまだまだ行けますよ。君からも力を頂くよ。さっきのダイヤモンドとか」


「生憎、先輩に奪われたから無いぜ!」


「奪ったって人聞きの悪いこと言わないでよ。元々、私のものよ」


「じゃあ、矛先は先輩に決まりだね!」


 ルージュと再び走り出しカサンドラが私に攻撃を仕掛けてくる。

 鎌の先を【黒志】(ブァーク)で下に向け距離を詰める。ルージュの耳元にクイーンズブラスターを置き、カサンドラに対して発砲した。今はソドールマガジンを取り外しているため銃弾が放たれる。銃声が空気を振動させた。その衝撃でルージュの左耳は一時的に聞こえづらくなった。

 放たれた銃弾はカサンドラの右肩に命中した。自分の武器が落ちるが敵に攻撃する執念なのか足でチェーンソーの柄部分を蹴る。チェーンソーは回りながら2人に近づく……


 ルージュの方は左耳を手で押さえながら鎌を横に払う。【黒志】(ブァーク)を剣先を下に投げ柄を足場にして地面に足して背中を向けた状態でジャンプし、バック転をしながら空中でマガジンを装填した。回り続けるチェーンソーの刃とルージュの鎌の刃が当たり、チェーンソーが弾かれ変な方向へ。


『クレーン』!


 私の左肩に重厚な深紅のクレーンが装備された。クレーンを伸ばし、崩壊した家から破損している木材をクレーンの糸で巻き付かせ鈍器としてルージュに攻撃した。しなやかに移動するクレーンの糸と鈍器と化した木材の遠心力で威力が上がる。

 耳が回復して鎌を安定して扱うことができるルージュだったが時すでに遅く横腹に木材が直撃しルージュ自身は吹っ飛び鎌は空中へ。その衝撃でセットしていた【アイヴィー】が外れこれも空中を漂う。空中歩行をして安全にマガジンを確保するために【クレーン】から【ホッパー】に切り替える。

 何も無いところから薄い板が出現し足場にするつもりだった。


「きゃあ!」

 私は足場にする予定の板に足がついた瞬間、滑ってしまった。

 璃子の設計では【ホッパー】で作成した板は耐久力こそ低いが滑るようにはできていないと言っていた。しかし現にこうして滑ってしまい下へ落ちていく。前が空に向いた状態になっている今の私に更に上から水滴が降ってきた。

 そして、徐々にその水滴が多くなり大雨と変わる。滑った時に運の悪いことにクイーンズブラスターとマガジンをロックしている部分が外され【ホッパー】が、私が落ちた衝撃で【クレーン】【タカ】がそれぞれ飛んでいく。


 私の所に空中にあった【アイヴィー】。【ホッパー】【タカ】はルージュ。【クレーン】はカサンドラの所へ行くことになる。


「ちゃんと【運】が効いたようだな……お前にも力が行くとは思わなかったが」


「私のはリアルラック。何にも補正がない実力。貴方と違ってね」


「……最悪ね。雨なんて降らなければ全部手に入ったのに」


「では、私は退きますよ。如何やら私がいなくてもあの子は大丈夫そうになりました」


「さっきより雨が降っている範囲が増えたみたいだけど。如何いうこと」


「いくら先輩でも教えませんよ。2人とも気をつけた方が良いよ。あの雨は心なので」


「まさか!??! 貴方、自分が何したのか分かっているの」


「安心してください。あの世界のことは言ってませんよ。あれを悪用されたら私も困りますから。あれを生み出したのはあの丘螺龍氷おかにしりゅうが。彼の研究の成果ですよ」


「あのハゲェェ!! やってくれたわねっ!!」


「……そういうことか。じゃあ、俺は手を退くか。あれを攻略できるやつは俺の知る限り1人だが。そいつはどこいるか分からないしな」


「君のそういう所は好きですよ。カサンドラ……」


「けぇ! 言ってろ。次は全部頂くからな、ルージュ。クロ先輩」


「クロ先輩は如何しますか。あの状態のソドールの成分……取りに行きますか?」


「当たり前でしょう。それが契約なのだから」


「楽しみにしてますよ。では、失礼」


 ルージュとカサンドラは私の前から消えた。

 灯ちゃん……気をつけてね。あの状態は貴方も経験してるでしょうから。


クロ達が使えるソドール能力

 No.16 フォックス 煉瓦茶色

 No.35 スパイダー 赤紫色

 No.47 シャーク 青水色

 No.48 ボーン 茶橙色

 No.50 ボム 黒橙色

 No.52 ダイヤモンド 水白色

 No.59 アイヴィー 緑黄緑色


 悪魔:黄 カサンドラ     

 所持人形:2個

 No.14 ライオン 白黄色

 No.25 カメラ 黄茶色

 No.29 キャット 青マゼンタ色

 No.53 ミラー ピンク赤色

 No.55 クレーン 煉瓦橙色

 No.56 ラッキー 茶黄緑色


 悪魔:赤 ルージュ

 No.33 ホッパー 青ピンク色

 No.37 マント 黄緑青色

 No.44 タカ  白桃色

 所持人形:1個





 時は少し遡る。

【フォックス】の幻覚空間を発動した私、天織灯は被害にあう予定だった3人を安全な場所に隠した。安全といっても【フォックス】の幻覚空間が起動している15m圏内。そこから出てしまうと幻覚を味わうのが私に変更し、私だけ幻覚の中に閉じ込められてしまう。


 No.16 フォックス 煉瓦茶色

 No.33 ホッパー 青ピンク色

 No.35 スパイダー 赤紫色

 No.44 タカ  白桃色

 No.47 シャーク 青水色

 No.48 ボーン 茶橙色

 No.50 ボム 黒橙色

 No.55 クレーン 煉瓦橙色



 武者型はまるで辻斬のように次々、生徒を斬っている。

 これで確定した……。しかし昔とは異なる。今回行っているのは——復讐。

 自分をこんな目に合わせた人を粛清し回っている……。


 武者型が持っている刀は斬った相手の体内になる水分を無くすことが確認された。自分も身を持って体験したから分かる。掠っただけであんな状態になったんだ。接近するより遠くからの攻撃が最も効率的。しかし成分を採取する必要があるため如何しても近づくことは避けられない。

 なら……


『ボーン』!


 色々検証してみて【シャーク】とは違ってこの【ボーン】は身体の1部だけなら何処でも骨を付与出来た。両手は【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)とクイーンズブラスターを盾にすればなんとかなる。その他の箇所は【ボーン】で凌ぐ。


 刹那……

 武者型が音もなく飛び出す。初手は辛うじて【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)で防ぐことが出来た。1撃目を防御された武者型は瞬時に私の背後に迫る。その動きを視線で追う。武者型は距離を詰めて横薙ぎに刀を払う。【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)で防御したが押し負けてしまい【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)が離れてしまった。

 その隙にもう1撃と今度は私の首目がけて攻撃を仕掛けてくる。私は頭を下げ前屈みになりながら武者型の懐に入り銃弾を浴びせた。

 腹部に弾を食らった反動で武者型は後ろへ行く。


 【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)は弾かれた拍子に何処かへ見つけるには時間が必要。

 そんな時間こいつはくれないだろうな……


「こうちゃん!」


 黄華:了解!


 私は【レッド】スライドキーを外し、【イエロー】スライドキーをクイーンズブラスターにセットし姿を変える。


「さぁ、お手並み拝見!」


ここに来て【ボーン】が輝いている!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ