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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉/サーモン串団子
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
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45話 明無心掴手 Ⅸ 三つ巴の悪魔

 私、クロは灯に伝えた現場に向かう途中。

「あれ……何?」


 空を見上げると奇妙な空間になっている。私がいる場所は晴れ。雲1つもない快晴。しかし、ある場所の小さな空間だけ、大きな円形が空に現れており雨が降っており、どこかに隔離されているような状態になっていた。


「なんて奇妙な天気……」


「あんな力を持ってるなら早速狩りに行くかっ!!!」


 今、私はY字の道路を歩いておりこのまま真っ直ぐ行けば灯がいるとされるあの奇妙な空間にたどり着く。左から姿を出したのはカサンドラだった。私は右側にいる。


「丁度よかったわ。貴方が奪ったマガジンを回収させて貰うわ」


「上等だっあぁあ!! 更に奪ってやるぜ、先輩!」



「……私も混ざらしてもらいますよ」

 現場に続く真っ直ぐの道からマントを靡かせて何もない所から出現したのはルージュだった。


「テメェ! そういえばお前も持ってるんだったかな」

 カサンドラは自分が持っているマガジンを1つ出してルージュに見せつける。


「私の最優先事項は私が見つけた方の復讐の邪魔させないこと。貴方達の行手を遮せて貰います。ついでにマガジンも頂きますよ!!」



(待っててね……灯。これが終わったら直ぐに行くから……)

 私は自分のクイーンズブラスターBLACKに黒のスライドキーを挿し変身した。

 自分専用のスライドキー【ブラック】を装着し、怪盗服姿へ早変わりしていた。17世紀位のレトロ風のコートタイプのペストドクターに、膝までの長さがあるレザーのニーハイブーツ、【ブラック】専用武器忍者刀【黒志】(ブァーク)を持っている。


「貴方達の持っている力、頂くわ!!」



「開幕1発目だぜっ!!」

 カサンドラが自分のチェーンソーにマガジンを差し込んだ。使用したのは……


『ライオン』!


 嫌な声ね。もっと何とかならないのかしら。


「くらえなぁぁああああぁああ!!!」

 チェーンソーから巨大なライオンを模したオーラが出現し私に襲い掛かる。


「以前より安定して使えるぜ!!」

 灯から聞いたけど以前は璃子が抑制していない状態で使用していたためライオンのエネルギー弾が制御不能で被害が大きかったと。しかし今は【ライオン】は璃子が再調整したもの。暴走することはない。あることを除くと。どうやらカサンドラはエネルギー弾の威力と大きさの調整のやり方は知らないのか。ただ大きいエネルギー弾が完成し私に向かってくる——真っ直ぐ限定。


 コンクリートで固められている地面が抉れ、私に向かうエネルギー弾が破壊の限りを尽くしていた。

『スパイダー』!


 近くの家屋の屋根に糸を付着させ、屋根に登る。

 私が屋根に来ることが分かっていたのかルージュが鎌を後ろに引きながらこちらへ攻撃を仕掛けてきた。

「逃がしませんよ!」


 後ろに気配……こいつが出したクワガタ型かしら。

 ルージュは急に私とカサンドラの前に現れた。恐らく【マント】を使用して姿を隠していた。【マント】は元々、クワガタ型が所持していた能力。ルージュの持っている鎌にマガジンを装填すれば内包されている能力を使用していたソドールを誕生させれる。出現したソドールには以前のターゲットはいなく、ルージュの命令に従う操り人形となっている。クワガタ型はマントを装着して戦う。が、どうやらあのマントは取り外しが可能らしい。その証拠にマントは未だにルージュが羽織っている。私の後ろから迫ってくるクワガタ型はマントがなくなったことで人間サイズのクワガタでクワガタ人間になっていた。黒光の長身のクワガタ私に向かってくる。

 えぇ!? 何それキモい。

 鎌が払われ私の胴体を真っ二つにされる。ギリギリまで引きあと数センチで所でしゃがみ込む。すぐさま頭上を見て敵の行動を観察する。切れ味抜群の刃が私を通り過ぎクワガタ型に迫るが、クワガタ型はその場で前にジャンプし己の両足を刃目がけて接触させ刃と足裏が当たる。

 ルージュは振りかぶりクワガタ型を打った。打たれたクワガタ型は空中で回り手を屋根に突っ込み反動の威力を減少させ端で止まり起立している。


 あの時見たく、ソドールを真っ二つにできると思ったけど上手く行かないものね……


「死ねぇぇええええ!!!」

 下から大声で叫びながらチェーンソーを前に突き出すカサンドラ。

 チェーンソーの先端から複数のダイヤモンドの柱が出現し、私とルージュに直撃した。


 クソッ! そういえば元の使用者はダイヤモンドの柱を複数背中に突き刺さっていた状態でロケットランチャーのように連続で撃ってきたっけ。

【ダイヤモンド】は元々、ネズミ型のソドールが持っていた能力。鼠とダイヤモンドのソドール。

 確か、ターゲットは会社員で彼女から特大のダイヤの指輪をプレゼントする願いを人形に言ったことでソドールになる。彼女に背中に付いていたダイヤをプレゼントしようとしたら暴言を浴びせられ最後には『来るな、化け物』と言い別れた。そのショックからネズミ型は逆上し彼女を殺す計画を立て、更にダイヤを身につけている人を次々、襲っていた。そんなことがあったけど何とか成分は採取できて今まで壁役として活躍してきた。しかし今は敵の手中にあり、こうしてもう1度その姿を見ることになるとは思わなかったわ。

【ダイヤモンド】を使うとソドールの姿がオーラとして出現しマガジンに内包されている方の能力が発動するみたいね。【ライオン】が大きなライオンだけ出現したのは璃子がアイズに所属していた時に作ったもの。世に解き離れていなため願いを言った人がいない。そのため動物園で見かけるライオンだけが出現していた。


 私は【黒志】(ブァーク)で、ルージュは鎌の刃で防御したが、威力が大きいのか吹っ飛ばされた。

 空中で自由が効かない。空中を漂いいつ再攻撃が来るか分からない。これ使うのは悪魔の私にとってプライドが許さないけど背に腹は変えられない。それに、私の悪魔の翼は出現させれるけど飛ぶ力がない。その力も灯に譲渡してある。


『タカ』!


【スパイダー】を取り外し、【タカ】を装填し私の怪盗服の背中部分に外付けのようにタカの翼を出した。色は璃子の気まぐれでピンク色の翼になっている。【タカ】の翼を大きく広げ、上空を漂っている風を受け止めながら飛行した。

 灯と違って長年、空を飛んできた私には簡単に【タカ】の飛行操作を会得した。





 空を支配した私は下を確認する。なるほどね……

 ルージュは【マント】を外し【アイヴィー】を出し近くの標識の白いポール、巻きつけれる物にトカゲ型が持っていた蔦を出すための球根を地面に投げ、蔦をクッションにして何とか遠くへ行くのを回避していた。


 で、カサンドラは私に向かってダイヤモンドの柱を連射してきた。私は1つ1つ【タカ】の翼を上手く利用して回避したり【黒志】(ブァーク)で切断していた。

 こっちはね。1度闘っているのよ! 経験値が違うのよ。だが、逃げているだけでは意味がない。

 私は一点に集中し上空から下へ落ちた。【タカ】の翼を展開を止めスピードを上げながら落下する。


 無数のダイヤモンドの柱を1本は回避し、2本目は上に乗り下へ滑る。2本目の影に隠れていた3本目は【黒志】(ブァーク)で真っ二つに切断。4本目は……

 黒橙色のマガジンを装填し発動。私の周りを飛んでいる手のひらサイズの爆弾を1つ持ちダイヤモンドの柱に張り付け横に身体を向けこれも回避。通過したダイヤモンドの柱はルージュの方へ。

 ルージュも柱を切断したりしていた。私はルージュの元にダイヤモンドの柱が近づくのを確認しクイーンズブラスターのトリガーを引く。

 その瞬間、青白色の柱が粉砕し降り注がれる。


 No.50 ボム 黒橙色

 装填者の周りに3つ爆弾が取り囲むように展開されている。手榴弾サイズの爆弾で投げる貼り付けるが可能。爆破は任意でできする場合はクイーンズブラスターのトリガーを引くことで使用できる。しかし、自分の持っているマガジンの数によって威力が異なる。10個以下は大砲サイズの威力。20個30個と数が増えればどんどん威力が上がる。60個持った状態で使用すれば……

 だが、安心してほしい。昔作られた爆弾であの大爆発の威力が出るとしても威力はそのままで小サイズの塊として発生する。そして装填者に敵意がある奴のみ——ソドールと悪魔などにしか攻撃は当たらない。物を粉砕することは可能だが、戦闘している人以外の一般人には風が強くなっただけの感覚を味わう。つまり無傷。


 それで遊んでなさい。小さな塊から大きな塊とさまざまなサイズのダイヤモンドが降る。中には殺傷力が高い鋭利なものもありルージュはそっちに注力していた。弾いたり薙ぎ払いしていたが今いるのが家の屋根であったことが不幸の始まりだった。自分は無傷でも屋根に夥しい数の穴が空く。貫通した破片のダイヤモンドは家屋に侵入し周りを破壊していく。

 下が緩くなると上はどうなるか……。そう、今のように崩れていく。

 上階から押しつぶされるように倒壊していく。その影響で煙が舞い全員の視界を悪くした。


「クソッ! 見えね」

 俺は周りを探るが視界の環境が悪いせいで思うように動けない。こんな状況で連射すれば自分もどうなるか分からない。仕方ないぜ……

 自分の武器からマガジンを取り外し別のを付ける。


『ラッキー』!!


 俺の後ろに半透明のアルマジロが出現。閉じていた目を開き俺を周りに黄色の粒子が降り注ぐ。

 以前に試しに使ってみたが、どうもこいつはアルマジロと運とふざけた力を持っていた。初めは邪険にしていたが、1日3回だけ運気が爆上がり絶対に失敗しない状態になることが判明した。

 今日は使用していないので残機は3つと健在。

 今こいつは目を見開いたことで1つ使ったことになる。これで俺は絶対に先輩やあの野郎から攻撃は当たらない。勝ちだな……。向かってきても逆に返り討ちだ!!

 煙が晴れ、視界がクリアになった所で周りを見ると先輩が俺の右側にいることが分かった。

 このマガジンは先輩達が初めに持っていたもの。当然、ソドールの能力やマガジンに入っている力も知っている。先程チェーンソーから発せられた音声に何を起動したのか分かったのか奇襲は止め俺との程良い距離にいた。


 灯達が使えるソドール能力

 No.16 フォックス 煉瓦茶色

 No.33 ホッパー 青ピンク色

 No.35 スパイダー 赤紫色

 No.44 タカ  白桃色

 No.47 シャーク 青水色

 No.48 ボーン 茶橙色

 No.50 ボム 黒橙色

 No.55 クレーン 煉瓦橙色


悪魔:黄 カサンドラ     

所持人形:2個

No.14 ライオン 白黄色

No.25 カメラ 黄茶色

No.29 キャット 青マゼンタ色

No.52 ダイヤモンド 水白色

No.53 ミラー ピンク赤色

No.56 ラッキー 茶黄緑色


悪魔:赤 ルージュ

No.37 マント 黄緑青色

No.59 アイヴィー 緑黄緑色

所持人形:1個


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