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百合日和  作者: うい
6/7

4月6日(碧)

今日は百合宮学園高等学校の始業式だ。

今年から受験があると考えると私は学校に向かう足取りが重くなった。

いくら遅く歩こうが寮から学校までは5分程度の距離なのですぐについてしまった。早く出た為あまり人のいないクラス分けの張り紙が張られてある掲示板にやってきた。1学年4クラスあり、私は3-1のクラスだった。

私は去年と同じように学校に入り2年時のクラスに入る途中で気が付いた。先ほども3年生のクラス分けを見たのに慣れとは恐ろしい。私は恥ずかしくなり小走りで新しい教室へ向かった。


「はぁ…誰もいなくてよかった」


誰もいない教室で呟いた。2年生の教室も誰もいなかったし誰にも見られてはいないだろう。私はそう思い少し心を落ち着けた。


それからほどなくして教室がだんだんと賑やかになってきた。友達や新しいクラスメイトと談笑したい気持ちもあるが私は一枚の紙に目を落とした。これから始業式で行う進行の紙だ。この学校生徒の自主性を重んじると言いながら楽をしたいだけなのではと疑いたくなるほど生徒に全部やらせるのだ。去年生徒会長となった私は仕事という名の先生の雑用をこなしてきたのでそれはもう体に身に染みて体験している。今日の始業式の進行もそのうちの一つだ。私は始業式が始まるまで担任の話はそっちのけでひたすらイメージ練習を繰り返していた。


長ったらしい挨拶から始まり、長ったらしい挨拶で終わった始業式は何一つ滞りなく終わった。司会進行を務め切った私は教室に戻り胸をなでおろしていると友達の(あや)が両手を少し広げ話かけてきた。


「お疲れ様」

「ありがとぉ」


私はそう言うと朱に抱き着いた。朱は事あるごとにこうやって慰めてくれる。私は朱のこのご褒美の為に頑張っているのではないかとすら最近錯覚し始めるほどだ。


「今日はこれから生徒会?」

「うん。明日の準備もあるしね……」

「そっか。頑張ってね」


朱はそう言うと手を放そうとしてきたので、私はもっとというように朱のお腹に頭をぐりぐりした。朱は甘えん坊さんだなーと言いつつももう一度抱きしめて頭を撫でてくれた。


そのやすらぎに名残惜しさを感じながらも朱と別れ、私は生徒会室に向かった。

私が生徒会室に着くと、副会長の(すみれ)はもういた。


「お疲れ様。(みどり)

「菫もお疲れ様」


私はいつもの席に座り、菫と明日の入学式のことを話し合った。

二人だけの生徒会。私はこの空間が好きだった。私も菫も進んで会話をしようというタイプではないので黙っている時間が多いのだが、私はそれが苦にならなかった。来週には新しい生徒会役員を決めるので、私はこの時間を堪能しようと思った。

だが、明日のことが心配だ。私は明日のことを考えると胃が痛くなった。


菫と別れ私は部屋に戻った。そこで同室の朱に不安をぶちまけ、また慰めてもらった私はそのまま眠りについた。


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