4月3日(茜)
「もしもーし!雪ちゃん元気ー?」
「茜ちゃん?どうしたの?」
私は朝起きると雪ちゃんに電話した。雪ちゃんは私より1つ年上の幼馴染だ。雪ちゃんが高校に入学してからは寮に入っちゃってこの1年間は前よりは遊べなくなっていた。でも、私も数日後には雪ちゃんと同じ高校に通えるからまた前みたいに一緒に遊べるからとても楽しみなのだ。
「雪ちゃんと遊びたいなーって思ったんだけど…今日空いてたりしない?」
「もぉ茜ちゃんはいつも急だなー…ちょっと待ってね」
雪ちゃんはそう言うとガサゴソと何かをし始めた。私はどこに行こうかなと考えていると雪ちゃんが戻ってきた。
「お待たせー。今日は何も予定ないから大丈夫だよ!それでどこいくのー?」
「んー決めてないんでよね…でも雪ちゃんと一緒ならどこでもいいかなって」
そう言うと雪ちゃんは照れたように笑っていた。可愛い…。
私は雪ちゃんのことを考えながらぼーっとしていると雪ちゃんから提案があった。
「なら久々に茜ちゃんの家に行ってみたい!」
「うぇぁ!わ、私の家…?」
予想していないことを言われて変な声が出てしまった。恥ずかしい。
私の家はいいのだけど今日は家に誰もいないのだ。何か問題があるかと言われると何も問題はないのだけど…。
「だめかな…?」
甘えた感じの声で言わないでほしい。断れなくなってしまう。
「私以外誰もいないけどそれでいいなら……」
「やったー!ならすぐに行くね!またねー」
雪ちゃんはそう言うとすぐに電話を切ってしまった。
どうしよう…早く準備しなきゃ!
部屋を少し片づけているとピンポーンとチャイムが鳴った。早すぎる。部屋の片づけも途中だし服も着替えてない。
だけど待ってるなら早く出迎えないといけない。私は色々と思うところもありながらも玄関に急いだ。
「雪ちゃん…早かったね」
「うん!嬉しくて急いで準備してきた!」
雪ちゃんはゆったりした白いニットにロングスカートという恰好だった。とてもかわいい。それに比べ私は猫の絵が描いてあるパジャマだ。
久々にみる雪ちゃんの可愛さに見惚れていると雪ちゃんは頬を少し赤くして困ったように笑って言った。
「あんまり見つめられると恥ずかしいよ……」
「あぁぁぁぁ!ごめん!どうぞ入って」
私は雪ちゃんをリビングに招き入れ、飲み物とお菓子を準備した。
リビングで色々な話をした。近況報告が主だったけど学校のことを色々聞けたのはよかった。久々の雪ちゃんとの時間はとても楽しくて、話しているだけですっかり日が暮れてしまった。
「こんな時間だけど雪ちゃんどうする?」
雪ちゃんに聞いてみるとなんと晩御飯を作ってくれるらしい。私は料理があまり得意ではないからすごく助かる。
私はお風呂の準備や雪ちゃんのお手伝いをしながら料理が出来るのを待った。雪ちゃんは肉じゃがを作っているらしい。
出来上がって、雪ちゃんと一緒に食べた肉じゃがは一生忘れないだろう。その位美味しかった。
「そろそろ私は帰ろうかな」
雪ちゃんはそう言って立ち上がると帰る準備を始めた。
私はまた雪ちゃんが遠くに行っちゃうような不安に駆られ、思わず後ろから抱きしめてしまった。
「ん?茜ちゃん…どうしたの?」
「いかないで……」
雪ちゃんはびっくりしていたけど、私がそう言うと優しく頭を撫でてくれた。
「大丈夫。どこにも行かないよ」
雪ちゃんは私落ち着かせるように優しい声音で呟いた。そのあと雪ちゃんは家に電話をし、今日は泊まってくれるって言ってくれた。
その後は自分でもあまり覚えてなくて…。雪ちゃんに聞くとどうやら私は雪ちゃんにべったりくっついて離れなかったらしい。恥ずかしくて死にそうだよ……。




