新しい学園で、私はまた。
聖ルミナリア学園。
由緒正しき公爵家・侯爵家・伯爵家・子爵家・男爵家が通う、現代で言う中高一貫校みたいなもの。
私がこれから学園に通う辺りお世話になるグランヴェル家は公爵家。
公爵界の中でも、トップ1、2を争うほどの有名らしい。
私は、まだ齢14程なので次期女王としてこの国に名は知れ渡っていないらしい。
本来なら産まれた頃に発表はするが、発表をしようとした時、何者かの襲撃にあいやめたそう。
(つまり、誰にも知られない次期女王は公爵へ身を匿う。ってことか。)
私が次期女王と知っているのは家の人。
そして、グランヴェル家の人たち。
(なんだかなぁ…。)
複雑な感情で、心がいっぱいだ。
◇
「今日からこのクラスに加わる、ルノア・ノレヴェインだ。自己紹介を。」
自己紹介、か…。
「ルノア・ノレヴェインと申します。どうぞ、ルノアとお呼びくださいませ。」
簡単な自己紹介を済ませ、私は指定された席へと着く。
(隣の人に挨拶もしておいたほうが良さそうね。)
そう思って、隣に目を向けた時だった。
「テオ…!?」
隣にいたのは、暖色の髪を持つテオドールだった。
とはいえ、寝ている。
(昨日、昼食の前も寝ていたわよね…。なにかしているのかしら?)
本来なら起こさなければいけないのだろうけれど、すぅすぅと寝ている姿があまりにも愛らしくて起こすことができない。
「少しだけよ。」
独り言は誰にも聞かれず、宙に消えていった。
◇
「…。」
「なによ、テオ。」
「なんでもないよ。」
「貴方ね。仮にも一緒に住んでいる人よ?『おかえりなさい。』とか言えないの?」
もしかして、この世界ではそういう言葉はないのだろうか。
「なんで言う必要があるんだよ。…俺もう寝るから。」
…また?
「んだよその顔。ああ、構ってもらえなくて寂しいんだろ?もうすぐでリリア帰って来るからそいつに構ってもらえ。」
「別に私、構ってなんて…!」
「顔がそう言ってる。じゃあ、おやすみ。」
「顔って…、ずるいじゃない。テオ。」
ーガチャ
「あーっ!!おねえちゃん!ただいまぁーっ!」
「おかえりなさい。」
やっぱりあるじゃない、テオ!
「あら、ルノア嬢。もう帰っていたのね。」
「ええ。今日は新入学のリハーサルが行われるようでして。私は今日学園に来たばかりですし、何も役割がなくて。」
「そうなのね。お茶にしましょう、何が良い?」
「ロイヤル・ブルーローズってありますか?」
「ええ、もちろんよ。すぐに入れてくるわね。」
「ありがとうございます。」
ーお茶中(語彙力皆無)
「そうなんですか?」
「ええ、テオったらね、一つのものを気に入るとやけに手放さなくて。それに、そのお気に入りを触ると怒るのよ。」
「面白いですね。」
(っしゃ、弱みゲット!!)
「…ねえ、俺のお茶無いの?」
「「テオ!」」
「起きてくるなんて珍しい。虫でもいたの?」
「下からずぅーっと俺の昔話ばっか聞こえてくるんだもん。起きる気にもなるよ。」
「あら。お茶入れてくるわね。」
「で?俺の昔話、どこからどこまで聞かされてたわけ?」
「お庭でカエルが怖くてセラフィナさんに抱きついたのとか、自分も幽霊が怖いクセにリリアちゃんの前では怖いフリができない話とかかな?」
「…殆ど全部じゃん。あーもう、俺の居ない所で俺の昔話聞かされそうになったら、言い訳して逃げて!わかった!?」
「別にいいじゃない。面白いし。」
「恥ずいだろ、絶対…。」
「テオ」
「…何。」
「耳、真っ赤よ?何かあったの?」
「あー、もー!!ルノアってば鈍感!もう俺寝る!!」
「お茶はー!?」
「…飲む。」
ふふっ。
「馬鹿ね、もう聞かないわよ。約束するわ。」
「馬鹿に馬鹿とか、言われたくないから。」
「あら、その言葉、そのまんまお返しするわ。」
「うるさい、あほ。」
「ツンデレテオドール、黙りなさい。」
「ツンデレじゃないから。」
二人のラブラブシチュで終わったけど…。
次回から波乱の展開!?多分




