公爵令嬢、悪役令嬢と仲良くする。
「何よ、テオ。」
「ファリアネット調査のことだけど、」
——なんて言われるかはわかる。
(どうせ、『セレナと共同で調査するから、ミレイユと違う方面で調査してみてよ。』とでも言うんだろう。)
——『俺さあ、ミレイユって人、どうも苦手なんだよ。負のオーラっていうか、そういうの凄くて。』
「俺、ミレイユって人と一緒にしてみるから、セレナと一緒に調査してよ。」
「え、?」
キョトン、としてしまった。
苦手だったはずなのではないのだろうか。
もしかして、無理矢理、私とセレナを仲良くさせようとしてる?
考え込んでいると、テオが「セレナがさ、」と口を開いたのでそちらへ意識を向ける。
「セレナがさ、ルノアと仲良くしたいって言ったんだよ。」
「え…?」
「俺だって、険悪な雰囲気を漂わせてる二人は近づけたくないけど、相手だって公爵令嬢だろ?変に反感買ったら、父さんにも悪いしさ。だから頼んだ。」
「えぇ〜…。」
「ダイジョーブだって、俺も出来る限り嫌な雰囲気には持って行かせないようにはするからさ。」
「言ったからね…?」
「ハイハイ。おやすみ。」
◇
「あなた、テオのことお好きで?」
(早速コレかよー!)
「好きではないよ。セレナさんこそ、テオのこと好きなの?」
好きといえ、そしたら私も気が楽になる。
(いや、ならないか。)
「私はもちろんのこと、好きですわよ。ですが、私も立場というものがありましてね。私には許嫁がいるのですわ。」
「許嫁、か。」
別に変な話じゃない。
生徒会の仕事をしない、という面を省けば、誰から見たってとても綺麗——彼女の場合、可愛いよりもこちらの言葉の方が似合っている——だからだ。
白髪と赤目を持つ彼女は、誰から見ても愛される存在だろう。
「なのでテオをもらってもよろしくて?」
「…は?」




